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　2010/08/01

　セゴヴィアの全盛期の録音集。ギターファンならバイブルと言ってよい。セゴヴィアの他のレビューにも書いたが、彼の演奏の芸術性は、他のギター奏者を圧倒する。古い録音からでもそれは十分伝わってくる。録音状態のせいと思っていた量感、透明度が、実際にコンサートで聴いてみると録音のままで、本当に驚かされた。

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　2010/08/01

　ギター演奏の神様であったセゴヴィアの最良の遺産のひとつ。ステレオ初期の古い録音だが、何度聴いてもため息が出る。最近のギター奏者のテクニックは素晴らしいが、録音も良いのにあまり聴きたくならない。セゴヴィアの演奏は、もはや前世紀の遺物といっていいくらいだが、批判を越えていて、解明しつくせない魅力にあふれ、いつも深い音楽として鳴る。それは実際の演奏を聴くと歴然としていて、広いホールに小さく鳴るセゴヴィアの音は、まさに小宇宙といってよいものだった。一生に一度だけの経験だったが、他のギター奏者との格の違いを思い知らされた。

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　2010/08/01

　硬派の演奏とでも言うべきか。最近の高音質の録音と雰囲気に嘘くさいものを感じる人は、きっと救われる思いがするだろう。リヒテルが高く評価している演奏だけあって、一切の妥協や虚飾を排して筋がとおっており、曖昧さは微塵もない。肖像画に見るバッハを思わせる強い演奏だ。録音は古めかしいが、演奏を重視する人には気にならないと思う。

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　2010/07/28

　ヴァルヒャの演奏は星５つの価値が十分にある。その昔、アルヒーフの灰色のジャケットで1枚2300円だったか、1枚ずつ買ってはむさぼるように聴いた。ヴァルヒャかリヒターでなければバッハでないというくらいに言われていたころだ。その後、ＣＤになり、安価にいろいろな演奏を聴く余裕ができると、曲によってはヴァルヒャよりいいなと思うものもあるし、それぞれにいいと思うこともある。演奏様式もこの40年で大きく変わってしまった。しかし、それでも聖ローレンス教会大オルガンの明晰な音を生かした厳しくも暖かいヴァルヒャの演奏は、時代を越えてバッハの本質を教えてくれているように感じる。

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　2010/07/27

　録音のよさまで含めたら、この演奏はクレンペラー、カラヤン（ＥＭＩ盤）よりも勧められる。ライブ録音。買った頃はあまり聴かなかったが、最近聴きなおしてみてよく聴くようになった。ベーム盤はなぜかＣＤで発売されないがどうしたんだろう。

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　2010/07/27

　オイロディスクのスタジオ録音も高い評価を得ているが、このＣＤではライブのためか、多少早めのテンポで勢いがある。聴けば昔のことが一瞬にしてよみがえってくる。内面からわき上がってくるものを抑制してぎりぎりのバランスをとっているような、一種の危うさが別世界へと導いてくれる。金管が出過ぎず、くすんでいて品格を感じさせる。

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　2010/07/27

　シェリングのバッハですから悪かろうはずはありません。スタジオ録音に比べて多少力んでいるような気もしますが、それもライブならではで、名演奏に浸れるＣＤです。シェリングの音は、実際のコンサートでもこのように豊かで、高級なビロードを思わせる音です。こういうＣＤをＴＤＫが処分しなくてはならない時代というのは悲しい気がします。安いのはうれしいですが、安すぎです。

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　2010/07/27

　確かに音はあまり良くないが、帝王カラヤンの圧倒的なカリスマ性を再認識させる。宗教曲として虚心に聴きたいと思う人には向かないかもしれないが、ベートーヴェンの生命力を感じたいなら聴いてみる価値がある。私はあまりカラヤンが好きではないが、この録音は気に入っている。やられてなるものかと思って聴き始めたが、やられてしまった。

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　2010/07/26

　ただでさえリヒテルのＣＤが多いのに、このセットまで。。。と思ったが、買ってしまった。これを買う人はリヒテルのファンだろうから、くどくどと書くまでもないだろう。リヒテルの演奏はやはり面白い。他の録音の方が良いものもあるが、それはそれで比較すれば楽しめる。リヒテル自身は、世に出た録音のうち、ごく一部しか気に入らなかったようだ。文句を言いながらも次々に販売許可のサインをしていったリヒテルは、何を考えていたのだろう。

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　2010/07/26

　リヒテルの初期の録音に属するだろう。聴く者をはじき飛ばすような、恐ろしいエネルギーでピアノをとどろかせる。ホールでは一体どのように鳴ったのだろう？　一方では不気味なピアニシモが同居していて、冷や汗が出てくるような演奏だ。壮年期のリヒテルの天才ぶりが聴ける。

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　2010/07/26

　2度録音しているうちの旧盤。ハイドシェックがピアノを弾いた新盤もいいが、残響が少なく室内楽的な旧盤も捨てがたい。良きフランスが香る。

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　2010/07/26

　トルトゥリエ最盛期の名盤。サンサーンスの出だしから圧倒される。この頃は腰の痛みに悩まされていたはずなのに！　フレモーもいつもの名サポート。どうしてこの演奏が世に知られないのだろう。他の小品も絶品。

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　2010/07/26

　ピリスが若い頃に録音してヨーロッパで大賞を取ったことはよく知られている。練りに練った演奏というよりは、若々しく、新鮮で、思い切りがよく、気持ちが良い。不自然にいじくり回したところがない。2度目の録音は聴いていないが、たぶん落ち着いた演奏になっているだろう。聴き比べるのも面白いと思う。モーツアルトのピアノソナタはなかなかこれというものに出会わないが、ピリスは持っていて損はないと思う。

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　2010/07/26

　オイストラフらしい余裕、豊かさ、品格を感じさせる。オイストラフが好きな人は、思わず微笑んでしまうだろう。バドゥラ＝スコダの演奏は古雅な響きで、モーツアルトに好ましい。どの曲も円熟期の名演。

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　2010/07/26

　どの一節にもニコレらしい味わい深い演奏が聴けます。すでにリヒターとの録音が新旧２種類あり、好みにもよりますが、音の新鮮さでは圧倒的にこの録音が優れています。ランパルやラリューなどのフランス系の音とは異なる（とはいってもニコレはモイーズの高弟ですが）太い音は、フルートの魅力を再認識させてくれます。バッハのフルート曲の第一選択ＣＤです。