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0人の方が、このレビューに「共感」しています。 2021/04/25
「読者が選んだ名作復刊」シリーズの中に本書があったので、手にとった。総て、農学校教師時代の26歳から30歳の間に書かれた短編12篇が載っている。賢治ファンの私も見落としていた珠玉のアンソロジーだった。 特に、最初の4篇は、まるで教師の日記のように具体的だ。「或る農学生の日誌」はまるで自分の生徒の日誌を盗み見たような迫真性を持つが、文章は紛うことなき賢治のものである。「イギリス海岸」は、ほとんど教師としての日誌である。「第三紀偶蹄類の足跡標本の採取」は、想像かと思いきや、解説によるとホントのことらしい。授業中の発見なんて、正に僥倖と言っていいだろう。そのあと、未完成原稿もふくみながら、小中学校時代の世界に対する好奇心、イーハトーボ世界の表現様式の実験、或いは昔ホントにみたかもしれない残酷な幻想を書き留めている。全集をくまなく見ないと見つけられないこれらを読めて幸せだった。
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表紙の絵が美しく、中を広げると、挿絵もすべてカラーでした!! 話にあわせてページの角にイラストのカットが配置されていたり、 行間にゆとりがあって、読みやすく、注釈の配置も工夫されていて、 わかりやすく、品のあるレイアウトです。 シリーズで出版予定だそうですが、シリーズで集めてみたくなる仕上りだと思いました。 中の挿絵もとってもきれいです。
詩は理解しがたい。賢治の詩は尚更。ただほとんどの詩が星空や水辺のほとりや美しく咲く花や鳥の歌声の中に、ぽつねんと生を営む賢治の存在が感じられたような気がしました。自分の存在や人生が、大きな自然界の中で蟻が葛藤するようなそんな対比。妹の死。自分の病気。色々思う所が吐き出されたのでしょう。最後迄は繰り返しなので読めませんでしたが、美辞麗句を使わないでも生きる美しさがだせるのだと、感心しました
今からずっと昔、 静かな夜。 街外れの丘を登ると、 暗闇の中に街の灯がちかちかと瞬く。 その光景がいつの間にか幻想へ変わっていく。 「銀河鉄道の夜」は美しい童話です。 ジョヴァンニとカンパネルラはなぜ銀河鉄道で旅をするのでしょうか。 そこに描かれているのは、 宮沢賢治が夢見ていた世界や彼の抱えていた孤独。 もっと言えば、賢治の無垢な精神だと思います。 ジョヴァンニの家の食卓には、 牛乳と角砂糖とトマト、それにパンが並んでいます。 その場面が忘れられません。 日本なのに日本でない、 ここに童話としての卓越があると思います。 夜の牧場の場面と印刷所の場面も大好きです。 きれいな宝石箱のような作品です。
大人向けの銀河鉄道の夜が難し過ぎて話が理解できない方におすすめ。試しにこちらの本をどうぞ。 イラストがたくさん載っていて絵もとても可愛いです。 大人用の銀河鉄道の夜は独特な訳し方をされているのでとても難しく感じますが子供でも理解できるようにとてもわかりやすく丁寧に訳されています。
大人用の宮沢賢治作品集を読んであげたら、文体が難しくて面白くなかったようなのでこちらを購入しました。 宮沢賢治特有の言い回し(オノマトペ等や持って回った口語体)も使ってあって、その上で子供にも分かりやすく書いてあるのとユニークな挿絵がよかったようです。 枠外に注釈も入っていて一緒に読んでも子供だけで読んでも楽しめる一冊でした。
最初、自分が読むために購入したものを、遊びに来た姪の一人娘が、自ら手に取り大変気に入ったのでもう一冊購入しプレゼントしました。 「まどうてください」という語彙のリズムが、まだ4歳の幼女には楽しかっただけのようでしたが、徐々に読み深めていくうち、 事あるごとに「まどうてください」とのたまう「ツェねずみ」の身勝手さから後に誰からも相手にされなくなるツェねずみの そうあってはならないことを幼児ながらわたしに説明し教えてくれました。宮沢賢治の童話は怖さや悲哀を秘めていますが、 その世界に触れる機会に恵まれ贈ってあげて良かったと思いました。
熊打ちの名人小十郎は、生きていくために熊を殺し続けている。けれど、熊の毛皮や熊の胆は、安く買い叩かれ、貧しい暮らしを続けていかざるをえない仕組みの中で生きている。 熊と小十郎との間には、生きていくためのぎりぎりの所での命のやり取りが感じられ、命の重さと尊さがひしひしとせまってくる。 氷の玉のような月が空にかかっている下で、熊に殺された小十郎の死骸を囲んで、熊たちが雪にひれ伏したまま、いつまでも動かなかったという最後の場面は、いつまでも心に重く残る。
本シリーズは池澤氏の個人編集なので、編者自身の文学的嗜好が作品の選考に大きく関わっていることはある意味自然なことですが、本巻には特に池澤氏の好みが色濃く反映されているように思えます。例えば宮沢賢治における、自然と人間の関わりを描いた作品の取り上げ方は、池澤氏「スティル・ライフ」の冒頭、「この世界がきみのために存在すると思ってはいけない。世界はきみを入れる容器ではない。」と言う自然観に対する一種の「宣言」と極めて合致しているように思えます。 また中島敦においても、冒頭にあえてパラオを舞台にした「環礁」を取り上げているところなど、選者の南洋に対する憧れ(「マシアス・ギリの失脚」を挙げれば充分でしょう)が如実に反映されているもののように思えます。中島敦といえば中国を舞台にした作品しか知らなかった私には、「環礁」のどこか物憂いような、一種魔術的な味わいを持った作品に触れ得たことは、新鮮な驚きでした。池澤氏の好みに沿えば、中国ものでは有名な「山月記」や「名人」が収録されていてもおかしくはないように思いましたが、あまりに幻想的要素の強い作品が並ぶことに対して一種のバランス感覚が働いたのでしょうか。(もちろん「弟子」「李陵・司馬遷」も文句なしの名作です。) 本巻は宮沢、中島両者の、一般のイメージからはちょっと違った側面を味わえる選集として、本シリーズの中でも強くお勧めしたい一冊です。
宮沢賢治、清川あさみ両ファンで購入しました。 少々値段に尻込みしていたのですが買って正解! 一ページめくるごとにお話と視界がきらきらと光を帯びるようでした。 文庫ばかりでよんでいたため 絵本という形に収めたことはとても嬉しかったですし 清川さんというクリエイターの特徴・良さが最大限に生かされていたと思います。
真正直に生きて、尚且つ生き難い人の世の無情と無関心に、さびしい憤りを抑える事が出来ません。人は何故、人をかくも容易く人を傷つけ、その行いを省みず無辜の者たちを葬って居る事か、、賢治の優しさと切なさが、まさに、一行一行に、滲み出ている傑作中の傑作、と云うことが出来るでしょう。全ての人が幸せになるまでは、けして自分の幸せはない、と考えていた賢治の、弱者へのひたむきな思いやりと優しさが見事に伝わって来ます。是非、ひとりでも多くの方に読まれ、その子へと伝えられ、他者への思いやりにあふれた人が世に溢れることを願って止みません。
注文の多い料理店、どんぐりと山猫、オツベルと象、ツェねずみ、よだかの星、やまなし、水仙月の四日、雪わたり、虔十公園林、セロ弾きのゴーシュ 以上の10作品の童話集でした。 子供が宮沢賢治に興味を持ち、どうしても読みたいと言うので、小学生向けの宮沢賢治を探し、ようやくたどり着きました。 子供用に購入したのですが、私も未読の作品があったので一緒に読みました。正直、面白かったです。 子供の頃に読んだ宮沢賢治と、大人になってから読む宮沢賢治では、受ける印象が違うもんですね。 とてもよい本を購入できました。
単なる絵本かと思って読み進めて行くと、風刺あり、ユーモアありで最後にはじ〜んと感動してしまいました。憎めないカエルやなめくじのキャラクターがなんとも愛らしく思えたのは、ストーリーはもちろん絵が素晴らしかったからだと思います。大人でも充分に楽しめるお話です。
抽象的な作風で理解力がない私には難しいです。ただ、多くの人が社会をモチーフにしたり、道徳心や人間性を命題にしているのに対して、賢治の童話は自分を主人公にして、不満や愚痴の感情をさらけ出す文学でなのではないかと思います。その為、理屈とは縁がない感情や情景の世界だと思います。今回、動物たちは主人公のチェロ?が病気を治してくれるといいましたが、本当は、下手な主人公へ愛情ある応援をしに来た存在なのではないでしょうか。人間の同胞の心ない言葉に対しての小動物は、学校の子供たちかもしれません。生きていくのに必要なのは、そうした愛情であったり、思いやりであったりするのかもしれません。怪我した動物が早く治りますように。
賢治の作品全てが、主人公が賢治であろうことから、現状への憤りや悩み不安等が書かれたいると推測されます。童話という形をとるだけあって、善人で弱者であるが故に、虐げられても復讐とかの攻撃に出るのではなく、寧ろ心の平穏を願って死への渇望もあるように感じます。夜鷹の存在が、川蝉等の美しさと鷹の形状の類似性があるなら、もっと自慢して生きれば良いのに、人の良い夜鷹はいじめられる存在でした。それでも、これを読んだ皆さんは、いじめるよりはいじめられても生きる事を選んで欲しいと思います。
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