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グリエール(1875-1956)

SACD 交響曲第3番『イリヤ・ムーロメツ』 ガブリエル・フェルツ&ベオグラード・フィル

交響曲第3番『イリヤ・ムーロメツ』 ガブリエル・フェルツ&ベオグラード・フィル

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    ビアだる太郎  |  愛知県  |  不明  |  2018年12月05日

    手塚治虫や筒井康隆が熱中したロシアの英雄譚の音楽版というイメージから想像される派手な演奏効果はなく全体に仄暗い感じの曲なので、初めてこの曲を知ったオーマンディ盤があれば、わざわざ新しく買う必要はないと思っていた。でも、近年のラフマニノフが凄く良かったフェルツのSACDということで購入しました。サッカー以外、この曲が作曲された当時はヨーロッパの火薬庫と言われ、政情不安のイメージが強いセルビアのオケですが、そんな不安を一掃する立派な演奏です。さすがにオーマンディ盤のようなゴージャスな美音はありませんが、マーラーでの奇人ぶりとは打って変わったフェルツの落ち着いた指揮で、じわじわと盛り上がっていき、旧ロシアの聖歌を思わせる終盤は実に感動的です。SACDの威力か、トライアングルが今まで聞いたことがないほど部屋中に鳴り響くのには驚かされました。最近増えてきたこの曲の録音でも最高のものと言ってよいでしょう。

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