パルティータ全6曲 植山けい(チェンバロ)(2CD)
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まさやん | 新潟県 | 不明 | 2021年03月14日
まず注目すべきはC.クロールの1776年製造の歴史的チェンバロの成熟した響きの美しさである。植山けいはこの響きをよく理解したうえで、バッハの名作、6つのパルティータを見事に弾きこなしている。早すぎず遅すぎず、中庸の落ち着いたテンポで1音1音を大切にしながら、理知的だが冷たくなく、上品なやさしさが感じられ、フォルテでもうるさくはならず、繰り返しのところでの装飾も少なめで、バッハの音楽がもつ構成美や有機的な音のつながりを壊すことはない。バッハの音楽に装飾過多の厚化粧は似合わない。むしろすっぴんに近い方が良い。とはいえ、よく聞くと植山さんは細かいニュアンスもちゃんとつけており、各曲の表情はけっこう豊かである。例えば、パルティータ第5番と6番のジーグはともにフーガ形式をとるが、短調と長調の主題とテンポの違いを的確にとらえて素晴らしい演奏となっている。植山さんの演奏スタイルは、そういえば、晩年のグスタフ・レオンハルトの演奏に似ているような気がする。1人の方が、このレビューに「共感」しています。
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