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ワーグナー(1813-1883)

DVD 『パルジファル』全曲 ジラール演出、D.ガッティ&メトロポリタン歌劇場、カウフマン、パーぺ、他(2013 ステレオ)(2DVD)

『パルジファル』全曲 ジラール演出、D.ガッティ&メトロポリタン歌劇場、カウフマン、パーぺ、他(2013 ステレオ)(2DVD)

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    Cherubino_492  |  東京都  |  不明  |  2021年03月14日

    何と言ってもカウフマンのパルジファルが素晴らしい。パルジファルとしては質量のある声で、それだけにクンドリーの口づけの後のからの集中力は聞かせる。第3幕最後の方の「槍を持ち帰った」のところは鳥肌もの。 パーぺのグルネマンツは当たり役で明るい声と深い表現は絶品。数あるパーぺのグルネマンツの中でも特に出来が良い。 演出ははじめ低コスト舞台?とか失礼な事を思ったが、見終わってみると第1幕と第3幕は深遠な音楽に寄り添っていて格調高くまとまっている。第2幕は赤い水の上で繰り広げられ、それが白い衣裳を染めていくのも視覚的にも面白い。様式感重視の割にト書きを忠実に再現しているのは保守的なMETのせいか。 ガッティはテンポは遅めながら明るく見通しが良いので重苦しくはない。清澄な表現は舞台神聖祝典劇に相応しい。

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    村井 翔  |  愛知県  |  不明  |  2014年04月17日

    2013年3月、ワーグナー・イヤーのメトでの『パルジファル』だが、オーケストラ・パートの素晴らしさに反して舞台上は目をおおわんばかりのティーレマン指揮ザルツブルク版とは対照的な結果になった。何よりも演出がきわめて秀逸。ほとんど具象物のない舞台で、第1、3幕はひび割れた荒野に一本の小川が流れるだけ。背景への映像の投影と群衆の効果的な動かし方で長丁場を飽きさせずに見せる。第1幕ではその小川が男性同性愛的共同体である聖杯騎士団の面々とクンドリー以下の女性たち(最初から舞台上にいる)を隔てているが(HMVレビューの下の写真)、幕切れではこの小川が開いて、脇腹の傷のような深く赤い裂け目になる。ちなみに騎士団は現代の白ワイシャツ姿だが、全く違和感なく、前奏曲では現代人達がスーツと靴を脱ぎ、ネクタイと時計を外して伝説の世界に入ってゆく様を儀式的に見せる(ベジャールのバレエなどでおなじみの手法)。第2幕は床一面に血のような赤い水が張られ、槍が林立する赤い裂け目の底の世界(HMVレビュー上の写真)。クンドリーの接吻を受けるとパルジファルも激しく出血し、ベッドの白いシーツが血に染まる(ジャケ写真)。接吻後も舞台に残る花の乙女(ダンサー)達の象徴的な動きも非常に面白い。第3幕ではもはや小川が男女の間を隔てることはなく、最後はクンドリー自らが聖杯を開帳して息絶える。つまり、珍しくほぼワーグナーのト書き通りのエンディングだが何の抵抗もなく、初演から百数十年を経て作品はついに「反ユダヤ主義」の呪いから解き放たれた感がある。 指揮はテンポ遅く、劇的な緊張をきわだたせるというよりはデリケートな音色の織物を豊麗に織りなしてゆく。シェーンベルク、ベルクまで違和感なく振る指揮者だが、こういう演奏を聴くと、やっぱりイタリア人、ラテン的感性の人だなと思う。これはこれで大変素晴らしい。歌手陣もダライマンのクンドリーのみイマイチだが、男声陣は強力。パルジファルは全曲の真ん中でキャラクターが百八十度変わってしまう難しい役だが、さすがにカウフマンは実にうまい。もう少しリリックな声でも歌える役だが、彼の重い声は後半でのこの人物の言動に「重み」を添えている。マッテイのアムフォルタスも、いたずらに絶叫に走るのを避けて、一つ一つの言葉に的確な表情を与えた名唱。パーペのグルネマンツは久々の完璧なハマリ役。全く安心して見ていられる。

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