ミサ曲ロ短調 ヘレヴェッヘ&コレギウム・ヴォカーレ(2011)(2CD)
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うーつん | 東京都 | 不明 | 2023年01月22日
心のひだの内側にじっくりと沁み込む美しさを感じる。もともとこの曲自体が派手さを嫌う、心に訴えるものではあるが、他の演奏と比べても前述の美しさは際立っていると思う。雨水が地表から地盤を長年月かけてろ過され滋味を加え湧き水としてあらわれてくるような印象も感じてしまう。ヘレヴェッヘの他の作品にも共通する、合奏と合唱のあたたかい精緻さは特筆すべき美しさ。おすすめです。0人の方が、このレビューに「共感」しています。
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singet225 | 岐阜県 | 不明 | 2012年03月30日
ヘレヴェッヘのロ短調ミサ、コーラスの精妙な美しさはあまりに素晴らしい。冒頭Kyrieのサウンドがここまで美しく響いた事が果たしてあっただろうか。これに並ぶとすればヘンゲルブロックのもの以外は無い様に思う。経験豊富な優れた独唱者がコーラスを歌っている事も、音楽的にとても自然に感じられる。そう、自然。この自然さがこの演奏の最大の美点であり、逆に言えば欠点でもあるかもしれない。例えば、SanctusやOsanna等の華やかな音楽について言えば、もっとドライブ感を期待したいし、各声部の輪郭が明確に聴こえても良いように思う。自然すぎるあまりにミサの劇的な踏み込みが足らないと感じる方も見えるのかもしれない。ただ、これ程のコンセプトでここまで自然な音楽を見事に具現化したヘレヴェッヘと演奏者の手腕を高く評価したいと思う。4人の方が、このレビューに「共感」しています。
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mimi | 兵庫県 | 不明 | 2012年03月27日
おそらく現在Bruggenの最新盤と並んで、最も精緻で美しいロ短調ミサではないでしょうか。しかも器楽奏者であるBruggenと比較すると、合唱指揮者であるHerreweggheの、コーラス部分での美しさは際立っています。曲全体の組み立てとしても、長い長い経歴の積み重ねの上に築かれただけあって、全く粗さの無い、主観的に過ぎず冷たくも無く、「古楽」として最上のバランスを実現していると考えられます。この曲におけるOVPPがどうしてもお嫌いな方もたくさんおられるようですので、そういった方には上記Bruggen盤と共に最上のロ短調ミサとしてお薦めできるのではないでしょうか。ただ、J.S.Bachの受難曲や、Brahms, FaureのRequiem、Lassusのモテットなどで、これ以上ないくらいの名演を成し遂げたHerreweggheにとって、この曲が一番適合する曲かという点では、やや疑問が残るかも知れません。この西洋音楽史上ある意味最も客観的で、数学構造の如き巨大な音楽の本態を十分明らかにするには、Herreweggheをもってしても未だ遠いレベル、という印象を随所でもってしまいます。それこそ今から30年くらい前、Herewegghe最初期のJosquin des Prez/Motets(いい演奏ですが)を聴いた時、優しく情緒的だけれども、Josquinの精緻で複雑な多声構造の表出が生硬で曖昧、と感じたその印象を、本当に久しぶりに想いだしました。ロ短調ミサ、本当に難曲であると思います....。8人の方が、このレビューに「共感」しています。
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