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ブルックナー (1824-1896)

SACD 交響曲第3番 ヴァント&北ドイツ放送交響楽団(1992)

交響曲第3番 ヴァント&北ドイツ放送交響楽団(1992)

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    つよしくん  |  東京都  |  不明  |  2012年01月08日

    ヴァントが1990年代後半にベルリン・フィルやミュンヘン・フィル、そして手兵北ドイツ放送交響楽団を指揮して行ったブルックナーの交響曲の演奏は、いずれも至高の超名演である。同時期に朝比奈が成し遂げた数々の名演と並んで、今後ともおそらくは半永久的にブルックナーの演奏史上最高の超名演の地位を保持し続けていくものと考えられる。もっとも、そうした地位が保全されているのは、ブルックナーの交響曲のすべてにおいてではないことに留意しておく必要がある。要は、ヴァントの場合は第4番以降の交響曲に限られるということである。本盤におさめられた交響曲第3番の演奏は、ヴァントによる唯一の全集を構成するケルン放送交響楽団との演奏(1981年)に次ぐものであるが、それ以後、ヴァントは同曲を一度も録音していない。ということは、本演奏がヴァントによる第3番の最後の録音ということになる。ヴァントは、ベルリン・フィルと第8番をライヴ録音した後、惜しくも鬼籍に入ったが、存命であれば第6番のライヴ録音が予定されていたと聞いている。そして、おそらくはその次に第3番のライヴ録音を想定していた可能性が高い。仮に、最晩年におけるベルリン・フィルとの第3番のライヴ録音が実現していれば、決定的な超名演になったと思われるが、これは無いものねだりと言うべきであろう。本演奏は1992年のライヴ録音であり、オーケストラは手兵北ドイツ放送交響楽団。ヴァントが、前述のような至高の超名演を成し遂げるようになる直前の時期のものだ。それでも、私としては、朝比奈&大阪フィルによる名演(1993年)に次ぐ名演と評価したいと考える。そして、往年の名演として定評のあるベーム&ウィーン・フィルによる名演(1970年)よりも上位に置きたいとも考えている。本演奏においても、ヴァントは例によって厳格なスコアリーディングの下、峻厳に楽想を進めていく。造型もきわめて堅固であり、金管楽器などを最強奏させているのもいつもどおりであるが、本演奏においてもいささかも無機的になることはない。ただ、音楽全体を徹底して凝縮化させているので、スケールはいささか小ぶりと言わざるを得ない。このあたりが、1990年代後半以降のスケールも雄渾なスケールによるヴァントによる超名演とはいささか異なっていると言えるであろう。しかしながら、スケールがやや小さいという点が気にならなければ、演奏自体は文句のつけようがない至高の名演と評価したい。音質は、従来CD盤からして比較的良好な音質であったが、今般、ついに待望のSACD化が行われることによって、更に見違えるような鮮明な音質に生まれ変わったところだ。音質の鮮明さ、音場の幅広さ、そして音圧のいずれをとっても一級品の仕上がりであり、あらためてSACDの潜在能力の高さを思い知った次第である。いずれにしても、ヴァントによる至高の名演を、SACDによる高音質で味わうことができるのを大いに歓迎したいと考える。

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