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シュトラウス、リヒャルト(1864-1949)

CD ドヴォルザーク:チェロ協奏曲、R.シュトラウス:交響詩《ドン・キホーテ》 マイスキー、T.ツィンマーマン、メータ&ベルリン・フィル

ドヴォルザーク:チェロ協奏曲、R.シュトラウス:交響詩《ドン・キホーテ》 マイスキー、T.ツィンマーマン、メータ&ベルリン・フィル

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    つよしくん  |  東京都  |  不明  |  2012年09月17日

    マイスキーは、ロストロポーヴィチが亡き現在においては、その実力と実績に鑑みて世界最高のチェリストであることは論を待たないところだ。マイスキーは、チェロ協奏曲の最高傑作であるドヴォルザークのチェロ協奏曲を2度録音している。最初の録音はバーンスタイン&イスラエル・フィルとの演奏(1988年)であり、2度目が本盤におさめられたメータ&ベルリン・フィルとの演奏(2002年)ということになる。これら2つの演奏はいずれ劣らぬ名演であるが、その演奏の違いは歴然としていると言えるだろう。両演奏の間には14年間の時が流れているが、それだけが要因であるとは到底思えないところだ。1988年盤においては、もちろんマイスキーのチェロ演奏は見事であり、その個性も垣間見ることが可能ではあるが、どちらかと言うと、バーンスタインによる濃厚な指揮が際立った演奏と言えるのではないだろうか。晩年に差し掛かったバーンスタインは、テンポが極端に遅くなるとともに、濃厚な表情づけの演奏を行うのが常であったが、当該演奏でもそうした晩年の芸風は健在であり、ゆったりとしたテンポによる濃厚な味わいの演奏を展開していると言える。マイスキーは、そうしたバーンスタイン&イスラエル・フィルが奏でる濃厚な音楽の下で、渾身の名演奏を繰り広げているが、やはりそこには自らの考える音楽を展開していく上での限界があったと言えるのではないかと考えられるところだ。そのようなこともあって、当該演奏の14年後に再録音を試みたのではないだろうか。それだけに、本演奏ではマイスキーの個性が全開。卓越した技量を駆使しつつ、重厚で骨太の音楽が構築されているのが素晴らしい。いかなる難所に差し掛かっても、いわゆる技巧臭が感じられないのがマイスキーのチェロ演奏の素晴らしさであり、どのフレーズをとっても人間味溢れる豊かな情感がこもっているのが見事である。同曲特有の祖国チェコへの郷愁や憧憬の表現も万全であり、いい意味での剛柔バランスのとれた圧倒的な名演奏を展開していると言える。メータ&ベルリン・フィルも、かかるマイスキーのチェロ演奏を下支えするとともに、マイスキーと同様に、同曲にこめられたチェコへの郷愁や憧憬を巧みに描出しているのが素晴らしい。いずれにしても、本演奏は、マイスキーの個性と実力が如何なく発揮された至高の名演と高く評価したい。併録のR・シュトラウスの交響詩「ドン・キホーテ」も素晴らしい名演だ。本演奏でのマイスキーは、重厚な強靭さから、繊細な抒情、そして躍動感溢れるリズミカルさなど、その表現の幅は桁外れに広く、その凄みのあるチェロ演奏は我々聴き手の度肝を抜くのに十分な圧倒的な迫力と説得力を有していると言えるだろう。タベア・ツィンマーマンのヴィオラ演奏も見事であり、メータ&ベルリン・フィルも、持ち得る実力を十二分に発揮した名演奏を展開していると言える。R・シュトラウスの交響詩「ドン・キホーテ」には、ロストロポーヴィチがチェロ独奏をつとめたカラヤン&ベルリン・フィルによる超弩級の名演(1975年)が存在しているが、本演奏もそれに肉薄する名演と高く評価したいと考える。音質は、2002年のライヴ録音であり、従来盤でも十分に満足できるものであるが、数年前に発売されたマルチチャンネル付きのSACD盤がベストの音質であったと言える。SHM−CD盤も発売されてはいるが、到底SACD盤には敵わないとも言える。もっとも、当該SACD盤は現在では入手難であり、当面はSHM−CD盤で我慢せざるを得ないところだ。もっとも、マイスキーによる至高の名演でもあり、今後はシングルレイヤーによるSACD&SHM−CD化を図るなど、更なる高音質化を大いに望んでおきたいと考える。

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