弦楽四重奏曲全集 ボロディン四重奏団(6CD)
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つよしくん | 東京都 | 不明 | 2011年07月08日
ショスタコーヴィチは、弦楽四重奏曲を交響曲と同様に15曲も作曲したが、これはバルトークによる6曲の弦楽四重奏曲と並んで、20世紀における弦楽四重奏曲の最高傑作との評価がなされている。確かに、作曲書法の充実度や、内容の奥深さなどに鑑みれば、かかる評価は至当であると考えられる。ショスタコーヴィチは、旧ソヴィエト連邦という、現在で言えば北朝鮮のような非民主的な独裁国家で、粛清の恐怖を耐え忍びながらしたたかに生き抜いた作曲家であった。かつて一世を風靡した「ショスタコーヴィチの証言」は現在では偽書とされているが、ショスタコーヴィチに関して記したその他の様々な文献を紐解いてもみても、その交響曲や弦楽四重奏曲などには、かかる粛清の恐怖や、スターリンをはじめとする独裁者への批判や憤り、独裁者によって粛清された犠牲者への鎮魂などが色濃く反映されていると言える。したがって、旧ソヴィエト連邦の時代を共に生き、粛清への恐怖に実際に身を置いた者こそが、ショスタコーヴィチの弦楽四重奏曲に込められたこのような深遠な世界をよりうまく音化することができると言えるのではないだろうか。ボロディン弦楽四重奏団は、旧ソヴィエト連邦下において1945年に結成され、それ以降も旧ソヴィエト連邦において活動を行ってきた団体である。したがって、その演奏は、ショスタコーヴィチの弦楽四重奏曲の心眼に鋭く切り込んでいくという鋭さ、そして凄みにおいては、他のいかなる弦楽四重奏団が束になってもかなわないレベルに達していると言えるところであり、その演奏の彫の深さは、尋常ならざる深遠さを湛えていると言える。とりわけ、最晩年の弦楽四重奏曲の凄みのある演奏には戦慄を覚えるほどであり、これは音楽という次元を通り越して、あたかもショスタコーヴィチの遺言のように聴こえるのは私だけではあるまい。なお、ボロディン弦楽四重奏団は、1960年代から1970年代の初頭にかけて、当時作曲されていなかった第14番及び第15番を除くすべての弦楽四重奏曲の録音を行っており、それも優れた名演であったが、各楽曲の本質への追及度という意味においては本演奏の方が数段上であると考えている(その分、演奏自体はかなり冷徹なものとなっていると言えなくもない。)。本演奏で唯一の難点は録音が今一つ冴えないということであり、これは旧ソヴィエト連邦下のメロディア録音であり致し方がない面もあると言える。もっとも、ショスタコーヴィチの弦楽四重奏曲の演奏史上最高の超名演でもあり、今後はXRCD化やSACD化を図るなど、更なる高音質化を大いに望んでおきたいと考える。4人の方が、このレビューに「共感」しています。
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Human@TheEarth | 静岡県 | 不明 | 2010年02月18日
録音は悪いのですが、ついつい何度も聴き入ってしまう演奏です。予想外に音が軽やかなのですが、瞑想のような落ち着きとともに心に入ってくるような演奏です。他の全集を何度も聴く気分にはなれませんが、これは例外。想定外のいい買い物をしました。^O^2人の方が、このレビューに「共感」しています。
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candi | 金沢市 | 不明 | 2009年04月18日
録音が悪くても十二分に演奏者の迫力が伝わってくるすごい演奏です。ショスタコのクワルテットを 聴いて久々にいいなあとしみじみ思いました。そしてこの世のものとも思えない天上の美しさを久々に堪能しました。天才だけが表現できる音楽的な静けさに溢れているので不協和音も全くうるさくなく癒されます。もうこれ以外はいらない。なお、下のレビューでこわごわ買いましたが、CDは全く問題なく出し入れ出来ますのでこっちを買ったほうが絶対お得です。3人の方が、このレビューに「共感」しています。
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niemand | nirgend | 不明 | 2008年12月30日
演奏は素晴らしい。結局エマーソンSQではなく、こっちを聴いてしまう。ただ少し高いが、2006年10月20日発売の Melodiya 盤を買ったほうが良いと思う。この商品は、3つのCDケースをボックスから取り出すのが大変だった。一度取り出したら二度と入らない。それに、Melodiya 盤には、作品11と57が付いている。曲の順番はこちらのほうが良いが...。1人の方が、このレビューに「共感」しています。
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ABC | 富士市 | 不明 | 2007年03月19日
確かに素晴しい演奏です。現代の弦楽四重奏団ではなかなか体験できないものがあります。しかし若干ノイズがあるのが気になりました。また、曲によって録音の雰囲気が違う所もあったのは、演奏がよいだけに残念です。 ショスタコーヴィチの弦楽四重奏曲は、シンフォニックに書かれていて、弦の音が細いと、退屈になりがちですが、この演奏はオーケストラのような音で、飽きることがありません。1人の方が、このレビューに「共感」しています。
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Nimrod | 北海道 | 不明 | 2007年02月03日
余り好んで聴くことのなかった弦楽四重奏曲。 私はこの演奏を聴き、衝撃を受けました。今では何度も繰り返し聴いています。また、聴く毎に新しい発見があり、至福の時を過ごしています。 弦楽四重奏曲が苦手な方にも にもオススメします。 この演奏を聴くと、いままで聴いていたショスタコーヴィチのイメージも少しは変化するでしょう。当然、聴かれることの多い彼のシンフォニーの見方も変わります。ショスタコーヴィチのシンフォニーを演奏するということが、どれだけ難しいことなのか・・4人の方が、このレビューに「共感」しています。
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ぜんそく | 四日市 | 不明 | 2006年11月15日
僕はCD4の8番9番10番を立て続けに聴いている時が一番幸せなんだな。2人の方が、このレビューに「共感」しています。
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ぐるっぺん | シリウス第三惑星 | 不明 | 2006年09月24日
namさん。ショスタコーヴィチの交響曲の時事性に嫌悪感を抱いているなら歴史と捉えるより一つの美しい伝説と思ってショスタコーヴィチの交響曲を聴いてみてはいかがでしょうか。曲の構造のすばらしさは弦四に通じますし、なによりショスタコーヴィチは様々なジャンルの曲をよく聴くことでよりその深みに気付くことが出来ます。弦四もまた違って聴こえてくるかもしれませんよ。それにしてもこの全集はすばらしい!!1人の方が、このレビューに「共感」しています。
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nam | 新潟市 | 不明 | 2006年01月03日
正直、今までショスタコーヴィチの交響曲からはあまり感銘を受けたことがない。あまりにも時代の制約を受けすぎて普遍性を欠くように思える。だが、彼の弦楽四重奏を聞くと、彼がマーラー以降で最も重要な作曲家であることがよく分かる。このカルテットの演奏も徹頭徹尾緊張感があってすばらしい。録音も十分によい。2人の方が、このレビューに「共感」しています。
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kamescian | 神奈川県相模原市 | 不明 | 2005年11月21日
皆さんのレビューはこの盤への愛情を感じさせるものばかりで,嬉しくなりました.ひのき饅頭さんの書かれているLive私も是非聴いてみたいです.晩年の曲は聴くのに覚悟がいるというか,ちょっと怖いですね.変な趣味かもしれませんが,私は皆が寝静まった夜中に部屋を暗くして聴くのをお勧めしたいです.凍りついた哀しみ,剃刀のような錯乱の恐怖,どうしても抑えられない怨念…そんな内容だと思うのですが,とにかく美しい音楽です.確かに冷徹ですが,凍えた手に息を吐きかけるようなぬくもりはあると思います.4人の方が、このレビューに「共感」しています。
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tom | 東京都 | 不明 | 2005年10月30日
この演奏は旧盤での人間的な温かみはほとんどなく、あまりに客観的で、非人間的で鋭すぎる表現のため、正直なところ、よほどのショス好きであってもそう簡単に聴けるものではないと思う。しかし同時にショスタコービッチが、バルトークと並んで20世紀最高の弦楽四重奏作曲家であることを示してくれる、数少ない超名演であるのも間違いない。またこのカルテット特有とも言える、チェロを中心とした重心の低い音楽作りも、ショスタコービッチの弦楽四重奏に非常にあっている。これを聴けば、作曲者の心の内側がほんの少しだけ覗けるかも!?1人の方が、このレビューに「共感」しています。
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ひのき饅頭 | 愛媛県 | 不明 | 2005年10月02日
この演奏もとても良いのですが、80年代のクインエリザベスホールでやった全曲演奏会のLIVEは出ないのだろうか(あと3曲で全曲揃うのだが)。そのLIVEでは特にエレジーなんぞ、他の演奏ではもう満足できなくなります。結局ソニーのベータを引っ張り出してきて、ボロボロのテープで聴いてます。スタジオ録音もいいですが、ショスタコの弦四がシアターピースであると言う意見に私は大賛成です。聴衆の異様な雰囲気まで巻き込まなければ、この曲は真価を発揮しないと思う。冷徹な演奏が、観客の情念で紅蓮に燃え上がる世界。発売して欲しい。2人の方が、このレビューに「共感」しています。
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御所頭 | 京都市 | 不明 | 2005年09月30日
説明不要の大名盤。60年代の録音よりも冷徹さが増し、それ故に究極の表現に達している。あまりにも突き詰められすぎて付き合うのには疲れるけれども、やはりこの録音なしには語れない。ぜひともお聞き下さい。しかし今回の再販は残念な事に旧BMG盤に含まれていた弦楽八重奏が収録されていないようだ。よって少し減点。1人の方が、このレビューに「共感」しています。
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