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ベートーヴェン(1770-1827)

CD ピアノ協奏曲第4番、ヴァイオリン協奏曲ピアノ版 ジャンルカ・カシオーリ、リッカルド・ミナージ&アンサンブル・レゾナンツ

ピアノ協奏曲第4番、ヴァイオリン協奏曲ピアノ版 ジャンルカ・カシオーリ、リッカルド・ミナージ&アンサンブル・レゾナンツ

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    村井 翔  |  愛知県  |  不明  |  2023年07月26日

    ピアノ協奏曲第4番の1808年稿は初演の際に作曲者が即興で入れたアインガングやヴァリアントをそのまま譜面に書き込んでしまったもの。既に耳のだいぶ悪くなっていたベートーヴェンは現場でオケとコンタクトをとることが難しいと考え、全部を楽譜に書いてしまったようだ。初演というのは1808年12月の第5、第6交響曲も初演された有名な演奏会で、作曲者が自作ピアノ協奏曲を弾くのは、これが最後になった。第4番はベートーヴェンの5曲のみならず、古今のあらゆるピアノ協奏曲の中でも、きわだって非ヴィルトゥオーゾ的な曲だと思われている−−余談ながら、アルゲリッチがこの曲だけは絶対に弾こうとしないのも、たぶんそのせい(ご本人はクラウディオ・アラウの演奏に衝撃を受け、それ以来、この曲は弾けなくなったと語っているが)。その第4番に、普通に弾かれる1806年出版譜と全く逆の性格のヴィルトゥオーゾ的な稿があるというのは実に面白いこと。 これをわざわざ発掘してきて弾くというのは、もちろん独奏者カシオーリのこだわりなわけだが、演奏としてはミナージ指揮のオケが例によって、あまりに凄いので、独奏はオケの一部のように聞こえてしまう(何となくカラヤンとワイセンベルクみたい)。第4番では第2楽章の峻厳な弦と瞑想的なピアノ、それと最大のコントラストをなす終楽章の活気が圧巻。ロンドの第2副主題でテンポを落とすという「いつもの手」を使うが、それが見事にはまっているのには唖然とするしかない。第6番ことヴァイオリン協奏曲のピアノ版も尖鋭かつ繊細。特に終楽章は元のヴァイオリン協奏曲版を含めても、これ以上の演奏を他に知らない。独奏にホルンがかぶってくる所など本来、こう響くように書かれているはずだが、他の指揮者は誰もこのように聴かせてくれなかったのだ。ここでもロンド第2副主題でテンポを落とすが、そのはまり具合もお見事。

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