『ワルキューレ』全曲 トーマス・シッパーズ&NHK交響楽団、アニヤ・シリア、テオ・アダム、他(1967年大阪ライヴ ステレオ)(3CD)
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入間のでぶねこ | 埼玉県 | 不明 | 2021年11月04日
先ずは当時のN響の皆さんとシッパースさんに賛辞を送ります。歌手の中では、トーマスさんが大変に気に入りました。カラヤンさんとのジークフリートなどに比べても伸びやかで表情豊かです。シリヤさんとデルネシュさんとは役を入れ替えた方がしっくりくる気がします。しかしこれだけの演奏が当時の大阪で行われ、必要充分な録音が残されていることに感謝しないといけませんね。 ベリーベストではありませんが、お気に入りのワルキューレの他に何かほかの演奏を聴いてみたい方にはお勧めです。3人の方が、このレビューに「共感」しています。
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フォアグラ | 愛知県 | 不明 | 2021年09月04日
67年バイロイト引っ越し公演では、ブーレーズとN響が極めて良好な関係であったのに対しシッパーズはN響から総スカンだったと言われている。このCDに付いている当時のシッパーズのインタビューでもシッパーズはN響より日本フィルのほうがいいと言っているので関係が良くなかったのが伺えるし、インタビュー自体シッパーズが生意気な若造と受け取られるように書かれている。しかし、それを額面通りうけとっていいのか。インタビュアーにはN響の悪評が耳に入っていただろうし、シッパーズの米国人らしいフランクさが失礼な奴と感じられた可能性がある。では演奏はどうか。オペラティックな興奮、白熱度、感動はブーレーズの「トリスタン」を上回ると私は思う。ブーレーズよりシッパーズのほうが年下だが、オペラ経験は比較にならないし、エネルギッシュで瑞々しい音楽はむしろブーレーズより新しく感じられる。歌手もいい。シリヤとデルネシュは20台。若々しくしなやかでありニルソンやギネス・ジョーンズより新鮮だ。この二人のブリュンヒルデとジークリンデがステレオで残されたのはブーレーズ盤以上に重要ではないだろうか。アダムのヴォータンもいいが、「ヴォータンの告別」でシッパーズが折角遅めのテンポで聞かせ場を用意したのに先走ってしまうのは残念。N響は本当によくやっている。N響はテンペラメントな指揮者が嫌いだからシッパーズと合わなかったんだろうが、その演奏ぶりは懸命であり、胸を熱くさせる。10人の方が、このレビューに「共感」しています。
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