Remember Petrucciani

今は亡き人気ピアニスト＆コンポーザー、ミシェル・ペトルチアーニの実の兄であるフィリップ・ペトルチアーニが、前作『Este Mundo』でタッグを組んだシンガー、ナタリー・ブランをフィーチャーした話題のミシェル・ペトルチアーニ・トリビュート作品！

ナタリー自身、ミシェルとフィリップの父親トニーの教えを受けていたシンガーで、ミシェルの曲に詩をつけて歌うことが長年の夢であったとのこと。またミッシェル自身も、自分の曲に詩をつけてヴォーカルものとして演奏することも生前に考えていたのだとか。ミシェルがなくなってから、もうすでに17年の時が経とうとしていますが、今、遂にそれが形になりました。

フィリップは、兄弟として、また一緒に演奏してきた仲として、ミシェルの曲を知り尽くした存在でもあり、収録曲はフィリップとナタリーで選曲。メンバーは、旧知の仲であるドミニク・ディ・ピアッツァとマニュ・ロッシェを迎える他、あのファブリツィオ・ボッソやコルトレーンを敬愛する奏者として知られるステファノ・カンティーニ、フランチェスコ・カステラーニを迎えた豪華編成。

ミシェル自身も、晩年にフラヴィオ・ボルトロ、ボブ・ブルックマイヤー、ステファノ・ディ・バティスタを迎えた作品が人気を呼んだことでおなじみで、そんな辺りにもミシェルへの理解と敬愛が伝わります。本作の注目はやはり、ナタリーの素晴らしいヴォーカルにあると言えそうです。その歌の数々は、大好きなミシェルの曲を歌うことへの喜びに満ちていますが、バラード・ナンバーのしっとりとした優雅な風合いといい、自由に曲の世界を広げていくヴォーカリーズといい、イマジネーションの豊かさを感じます。ミシェル・ペトルチアーニの数々の名曲の中でもジャズ・ファンの記憶に残る「Looking Up」をオープニングにしたツカミも魅力。ウエスやケニー・バレルを尊敬するフィリップの端正なバッキングも粋に響く全13曲です。

Philippe Petrucciani (g)
Nathalie Blanc (vo)
Fabrizio Bosso (tp)
Stefano Coco Cantini (ts,ss)
Francesco Castellani (tb)
Michel Zenino (b)
Dominique Di Piazza (b)
Manhu Roche (ds)