CD 輸入盤

『マリア・ユージナの芸術』(16CD)

基本情報

ジャンル
:
カタログNo
:
CDVE00515
組み枚数
:
16
レーベル
:
:
Russia
フォーマット
:
CD
その他
:
輸入盤

商品説明

マリア・ユージナの芸術(16CD限定盤)

バッハやベートーヴェンなどドイツ音楽を得意とする一方、当時の共産党政権の意向に逆らって20世紀音楽を擁護し、公然とロシア正教への信心をあらわして、演奏や教育活動を禁じられることもしばしばだったという反骨の大物女流ピアニスト、マリア・ユージナ[1899-1970]の演奏を楽しめるボックス・セットの登場。
 内容は、ロシアのヴェネツィア・レーベルで発売されていたユージナの古典を中心とした演奏に初CD化の音源を加えたというものです。録音年代は1947年から1967の約20年に及び、初期のものには音質の良くないものも多く含まれていますが、演奏の個性は十分に伝わってきます。装丁は紙ジャケットです。

【異端のピアニスト】
マリア・ユージナについて、スヴィヤトスラフ・リヒテルは「常識を逸脱し、尋常ならぬ芸術家」であると評し、演奏会での十字を切るしぐさや、ピストルを常備するような振る舞いに違和感を感じながらも、彼女のバッハやベートーヴェンなどの演奏を称えていました。但し、表現された音楽は作曲家のものではなく、まさにユージナそのものであると述べており、「グールドもユージナに較べればかわいいものだ」と語る一方、ユージナの葬儀では、リヒテル自らラフマニノフを演奏するなど、尊敬の念を深く示してもいました。
 ユージナについては、数々の反体制的な言動、禁止曲目の演奏などにより奇人的に語られることも多いのですが、実際にはそのライフ・スタイルは正教への信仰に裏打ちされたものでもありました。特に晩年は極度に禁欲的な生活を送りながら、貧しい人々への援助も熱心におこなっていたといいます。
 そうしたユージナの音楽は、ときに強烈な名技を示す一方で、透明な詩情の美しさも感じさせるなど表現レンジの非常に広いものであり、深い洞察力のもたらす楽譜の自由な解釈によって独特の世界を確立、個性派揃いのロシアン・ピアニズムの体現者たちの中でもきわだった存在感をみせていました。(HMV)

【収録情報】
Disc1
J.S.バッハ:平均律クラヴィーア曲集第1巻から
・第19番イ長調 BWV.864
・第20番イ短調 BWV.865
・第21番変ロ長調 BWV.866
・第22番変ロ短調 BWV.867
・第23番ロ長調 BWV.868
・第24番ロ短調 BWV.869

J.S.バッハ:平均律クラヴィーア曲集第2巻から
・第1番ハ長調 BWV.870
・第2番ハ短調 BWV.871
・第3番嬰ハ長調 BWV.872
・第4番嬰ハ短調 BWV.873

 1951-1957年録音

Disc2
J.S.バッハ:平均律クラヴィーア曲集第2巻から
・第5番ニ長調 BWV.874
・第6番二短調 BWV.875
・第7番変ホ長調 BWV.876
・第8番変ホ短調 BWV.877
・第9番ホ長調 BWV.878
・第10番ホ短調 BWV.879
・第11番ヘ長調 BWV.880
・第12番ヘ短調 BWV.881
・第15番ト長調 BWV.884
・第21番変ロ長調 BWV.890

 1951-1957年録音

Disc3
・J.S.バッハ:ゴルトベルク変奏曲 BWV.988
 1968年録音

Disc4
・J.S.バッハ:半音階的幻想曲とフーガ 二短調 BWV.903
 1948年録音

・J.S.バッハ/リスト編:前奏曲とフーガ イ短調 BWV.543
 1954年10月20日、モスクワ労働組合ホールでのライヴ録音

・J.S.バッハ:ピアノ協奏曲第1番二短調 BWV.1052(初CD化)
 USSR全同盟放送交響楽団
 クルト・ザンデルリング(指揮)
 1956年10月8日、モスクワ音楽院大ホールでのライヴ録音

・ハイドン:ピアノ・ソナタ 変ホ長調 Hob.XVI:52
 1951年録音

Disc5
・モーツァルト:ピアノ・ソナタ第6番ニ長調 K.284(初CD化)
・モーツァルト:ピアノ・ソナタ ヘ長調 K.545/494(初CD化)

 1963年録音(唯一のマスターであるアナログ盤からの復刻マスターをリマスターしています)

Disc6
・モーツァルト:ピアノ・ソナタ第8番イ短調 K.310
・モーツァルト:ピアノ・ソナタ第11番イ長調 K.331『トルコ行進曲付き』
・モーツァルト:ピアノ・ソナタ第14番ハ短調 K.457

 1951年10月6日、モスクワ音楽院小ホールでのライヴ録音

Disc7
・モーツァルト:ピアノ協奏曲第20番二短調 K.466
 USSR全同盟放送交響楽団
 セルゲイ・ゴルチャコフ(指揮)
 1948年、モスクワでの録音

・モーツァルト:ピアノ協奏曲第23番イ長調 K.488
 USSR全同盟放送交響楽団
 アレクサンドル・ガウク(指揮)
 1943年、モスクワでの録音

Disc8
・ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第5番ハ短調 op.10-1
 1950年録音

・ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第12番変イ長調 op.26
 1958年録音

・ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第14番嬰ハ短調 op.27-2『月光』
 1954年4月4日、キエフ・フィルハーモニー大ホールでのライヴ録音

Disc9
・ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第16番ト長調 op.31-1
 1951年録音

・ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第17番二短調 op.31-2『テンペスト』
 1954年4月4、日キエフ・フィルハーモニー大ホールでのライヴ録音

・ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第22番ヘ長調 op.54
 1951年録音

Disc10
・ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第27番ホ短調 op.90
 1958年録音

・ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第28番イ長調 op.101
 1959年録音

・ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第29番変ロ長調 op.106『ハンマークラヴィーア』
 1951年録音

Disc11
・ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第32番ハ短調 op.111
 1958年録音

・ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第4番ト長調 op.58
 レニングラード・フィルハーモニー交響楽団
 クルト・ザンデルリング(指揮)
 1948年、レニングラードでの録音
 *マスターの問題により一部欠落があります。ご了承ください。

Disc12
・ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第5番変ホ長調 op.73『皇帝』
 USSR全同盟放送交響楽団
 ナタン・ラフリン(指揮)
 1950年12月16日、モスクワ労働組合ホールでのライヴ録音

・ベートーヴェン:合唱幻想曲 ハ短調 op.80
 USSR全同盟放送交響楽団、他
 セルゲイ・ゴルチャコフ(指揮)
 1947年、モスクワでの録音

Disc13
シューベルト:4つの即興曲集 op.90, D.899
・第1番ハ短調
・第2番変ホ長調
・第3番変ト長調
・第4番変イ長調

シューベルト:即興曲集 op.142, D.935
・ヘ短調
・変イ長調
・変ロ長調
・ヘ短調

 1964年、モスクワでの録音

Disc14
・シューベルト:ピアノ・ソナタ第21番変ロ長調 D.960
 1947年8月8日、モスクワでの録音

・シューマン:幻想小曲集 op.12
 1951-1952年録音

Disc15
・ブラームス:ピアノ・ソナタ第3番ヘ短調 op.5(初CD化)
・ブラームス:ワルツ集から第15番イ長調 op.39-15(初CD化)
 1954年10月20日、モスクワ労働組合ホールでのライヴ録音

・ブラームス:2つの狂詩曲から第2番ト短調 op.79-2
 1952年録音

・ブラームス:ヘンデルの主題による変奏曲とフーガ op.24
 1948年5月24日録音

Disc16
・ムソルグスキー:組曲『展覧会の絵』
 1967年夏の録音(唯一のマスターであるアナログ盤からの復刻マスターをリマスターしています)

・チャイコフスキー:ピアノ協奏曲第1番変ロ短調 op.23(初CD化)
 キエフ・フィルハーモニー
 ナタン・ラフリン(指揮)
 1954年、キエフ・フィルハーモニー大ホールでのライヴ録音
 *マスターの問題により一部欠落があります。ご了承ください。

 マリア・ユージナ(ピアノ)

ユーザーレビュー

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リヒテル、ギレリス、ベルマンを聴き、そし...

投稿日:2014/12/26 (金)

リヒテル、ギレリス、ベルマンを聴き、そしてソフロニツキーを知り、極めつけはマリア・ユージナ。このピアニストに出会い、そして今こうして演奏を聴ける幸せは何ものにも代えがたい。ロシアのピアニズムの源流なのか… 「狂気が宿っている」とも、「祈りそのもの」であるとも表現されるが、この集中力はいったい何なのか…

JAZZMAN さん | 神奈川県 | 不明

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個性的な女性ピアニストとして現代ではマル...

投稿日:2014/08/28 (木)

個性的な女性ピアニストとして現代ではマルタ・アルゲリッチやマリア・ジョアン・ピレシュらがいるがこのユージナは彼女らの元祖にあたり、彼女ら以上のエキセントリックなピアニストだ。 ユージナにまつわる逸話を思い出しながら聴くのも面白い。 バッハの「Chromatic Fantasy and Fugue」の演奏は言葉に表せないほどの深い印象を与えてくれた。 1951年10月6日にモスクワ音楽院小ホールでライブ録音されたモーツァルトの3つのピアノ・ソナタ(第8、11、14番)もいい。 ベートーヴェンのピアノ・ソナタでは第16番が素晴らしい。きびきびとした弾き方が心地良く、第29番においてもピアノのタッチがとても鮮やかだ。 シューベルトのピアノ・ソナタ第21番では、例えば騎手が馬にムチを打つかのように時折力一杯にピアノを鳴らすので壊れてしまうのではないかと驚いた。 「展覧会の絵」はユージナらしい個性の強い独特な解釈を聴かせてくれる。 チャイコフスキイのピアノ協奏曲第1番は1954年録音のライブ録音で保存状態が悪かったのかかなり傷んではいるが面白い演奏だ。 ちなみにかなりミスをしているがそれでもさすがユージナと思わせる堂々たるものだ。 キエフ・フィルハーモニック管弦楽団と指揮のNathan Rakhlinも生き生きとした演奏を聴かせてくれる。

ユローヂィヴィ さん | 大阪府 | 不明

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 吉田秀和の「名曲の楽しみ」のなかで、レ...

投稿日:2013/10/13 (日)

 吉田秀和の「名曲の楽しみ」のなかで、レーニンかスターリンだったか独裁者が彼女の演奏を気に入りうんぬんの箇所にいたく魅かれ衝動買いしましたが、めっけものでした。先入観かも知れないが、ピアノの音に気骨が感じられる。いるんだなあ、こういう天人が。

NAKAKO さん | 長崎県 | 不明

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