劇的交響曲『ロメオとジュリエット』（チェコ語）　マゼール＆チェコ・フィル、ブラフト、クリロヴァー、他（１９６０）（２ＣＤ）

チェコ・フィルの巧さも驚愕。
若きマゼールと共演したベルリオーズの超大作、初出！

プラハの春音楽祭に来演した大物演奏家の貴重な音源復刻シリーズに、何とマゼールがチェコ・フィルを振った音源が存在しました。1960年５月19日スメタナ・ホールでの公演で、ベルリオーズの長大な『ロメオとジュリエット』全曲という意欲的なプログラム。声楽陣はテノールのブラフト、メゾ・ソプラノのクリロヴァー等、当時のチェコ一流を起用しているうえ、合唱もチェコ・フィル合唱団なのでライヴとは思えぬ高水準の演奏に驚かされます。歌詞がチェコ語というのも貴重です。
　マゼールは若い頃ベルリオーズの『ロメオとジュリエット』を得意としており、ベルリン・フィルとの1957年をはじめ、58年のＲＡＩ、72年のウィーン・フィルと世界の一流オケとの録音が存在します。当アルバムは同時期1960年の演奏。もともとモノラルでしたが、最新の技術を駆使して２チャンネル用デジタル・リマスタリングを施しました。
　演奏は凄いのひとことに尽きます。交響曲でありながら、オラトリオ的な要素の強いで、マゼールにうってつけ。マゼールのライヴの魅力全開で、推進力、迫力、歌い回しいずれも満点。チェコ・フィルの巧さも抜群で、ベルリオーズのカラフルなオーケストレーションの魔術を余すところなく描きだしています。思わぬお宝の出現と申せましょう。（キングインターナショナル）

【収録情報】
・ベルリオーズ：劇的交響曲『ロメオとジュリエット』 Op.17（チェコ語歌唱）

　ベノ・ブラフト（テノール）
　ヴェラ・クリロヴァー（メゾ・ソプラノ）
　ラディスラフ・ムラース（バス）
　チェコ・フィルハーモニー管弦楽団＆合唱団
　ロリン・マゼール（指揮）

　録音時期：1960年5月19日
　録音場所：プラハ、スメタナ・ホール
　録音方式：モノラル（「プラハの春」音楽祭ライヴ）
　2チャンネル用デジタル・リマスター