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Sym.6: Klemperer / Npo +humperdinck, Gluck

Bruckner (1824-1896)

User Review :4.5

Item Details

Genre
:
Catalogue Number
:
5626222
Number of Discs
:
1
Format
:
CD

Product Description

クレンペラー好きのあいだではつとに名高い『アウリスのイフィゲニア』序曲が、ついにリマスターされて登場
しかもメインはいわくつきのブルックナー交響曲第6番!
リマスター・エンジニア:イアン・ジョーンズ!

グルックのオペラ、『アウリスのイフィゲニア(オーリードのイフィジェニー)』といえば、現在では序曲のみコンサート・レパートリーとして定着していますが、その際にもオリジナル版で演奏するか、ワーグナー版で演奏するかという選択肢があり、クレンペラーはここではワーグナー版を採用して演奏しています。
 もともとワーグナー版は、小味なオリジナル版に較べて雄大な傾向があり、フルトヴェングラーやホーレンシュタインなども確かこのヴァージョンで演奏していましたが、クレンペラーのは彼らの演奏と比較してもケタが違うスケール感と驚くべき迫力、透明な抒情の美しさを誇っています。
 その二元論的な強さとでもいうべきテンポに対する確信に満ちた統率、純度の高いサウンドの構築には驚くほかなく、わずか11分の作品とはとても思えない聴後感・深い感動は、まさに指揮者クレンペラーを象徴する特別な世界といえるものです。

 メインのブルックナーの交響曲第6番はいわくつきの録音です。名プロデューサー(?)ウォルター・レッグに対し、この作品のレコーディングを提案しながらも、「売れない」というだけの理由で拒否されて憤慨していたクレンペラーが、フィルハーモニア管弦楽団へのEMIからの援助打ち切りによる組織改変後、つまり自主運営団体「ニュー・フィルハーモニア管弦楽団」発足後間もなく、そのEMIにレコーディングをおこなっているのです。
 レッグへの皮肉も込めてのこと、という見解もありますが、それよりも作品への愛情の強さゆえと見るほうが妥当でしょう。
 実際、演奏は素晴らしいものとなっており、第1楽章冒頭のゴツゴツしたリズム動機の扱いからすでにクレンペラーらしさが全開です。続く第1主題での巨大さはもちろん、数多い構成動機を決して「寝かせる」ことなく「立てて」表出するのもいかにもこの指揮者らしいところで、その情報量の多さ、荒っぽいまでの迫力はさすが。
 第2主題でもピツィカートを強調するなど立体感の強さはやはり比類がなく、第3主題の力強さと合わせて、通常の第6のこじまりとしたイメージを大きく上回るパワフルな内容は、やる気満々のクレンペラーの意欲が見事にオケにも伝播したものと見ることが可能でしょう。
 何しろここでは第2楽章の葬送行進曲(第3主題)まで力強いのです(しかも美しい!)。

 組み合わせのもう1曲は、ワグネリアン作曲家フンパーディンクによる『ヘンゼルとグレーテル』の序曲です。


ブルックナー:交響曲第6番 イ長調[ハース版]
 1964年11月ステレオ録音

グルック(ワーグナー編):歌劇『アウリスのイフィゲニア』序曲
 1960年9月ステレオ録音

フンパーディンク:歌劇『ヘンゼルとグレーテル』序曲
 1960年9月ステレオ録音

オットー・クレンペラー指揮ニュー・フィルハーモニア管弦楽団(ブルックナー)
オットー・クレンペラー指揮フィルハーモニア管弦楽団(グルック、フンパーディンク)

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クラシック曲目

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  • Anton Bruckner (1824 - 1896)
    Symphony no 6 in A major, WAB 106
    Performer :

    Conductor :
    Klemperer, Otto
    Ensemble  :
    New Philharmonia Orchestra
    • Period : Romantic
    • Style : Symphony
    • Composed in : 1879-1881, Vienna, Austria
    • Language :
    • Time : :
    • Recorded on : , [Studio]
  • Christoph W. Gluck (1714 - 1787)
    Iphigenie en Aulide: Overture
    Performer :

    Conductor :

    Ensemble  :

    • Period : Classical
    • Style : Overture / Opera
    • Composed in : 1772-1774, Vienna, Austria
    • Language :
    • Time : :
    • Recorded on : , [Studio]

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Comprehensive Evaluation

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何だこの遅いテンポは?と思いながらも聞き...

投稿日:2019/07/28 (日)

何だこの遅いテンポは?と思いながらも聞き進められてしまうクレンペラーの不思議さ。次第にそれが気にならなくなり、むしろ心地よくさえなるこれまた不思議。はじめは何を造ろうとしているのかわからないが、とにかくひとつずつ積み木が積み上がってゆくのはわかる。そして大迫力の渦の中で気付けば大変な感動で終わっているというクレンペラー大先生の芸術だ。

せごびあ さん | 愛知県 | 不明

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不思議なことに、六番は今だに完全な名演が...

投稿日:2007/03/16 (金)

不思議なことに、六番は今だに完全な名演が極めて少ない。クナーの録音も残っていない。フルトベングラーも一回の試験的な演奏が残っているのみで、他の大指揮者と呼ばれた人達も、ダビンチコードのごとく沈黙を守ってきた。作曲者自身も困惑したという自己主張の強い、霊的な世界から響いてくるような美しい異常な曲だが、クレンペラーの巨大な造形力によって、初めてその驚くべき全貌が明らかになった。この人は、正真正銘、真実を語る、数少ない大指揮者の一人だと思う。

黒熊怪 さん | 神戸 | 不明

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いずれの演奏もいい。例えば6番、特に二楽...

投稿日:2007/02/22 (木)

いずれの演奏もいい。例えば6番、特に二楽章では華やいだ瞬間が幾つもあり、この指揮者が巷間言われている以上に前時代のロマンティズムを所有している証だろう。だがクレンペラーのブルックナーには直截的な表現ゆえか、吾輩には少なからぬ違和感を持ってしまうのが欠点だ。

パシュミナ王子 さん | シャンバラ | 不明

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