CD 輸入盤

『トリスタンとイゾルデ』全曲 パッパーノ&コヴェントガーデン、ドミンゴ、シュテンメ、藤村実穂子、他(2004、05 ステレオ)(3CD+DVD音声ディスク)

ワーグナー(1813-1883)

基本情報

ジャンル
:
カタログNo
:
5580062
組み枚数
:
3
レーベル
:
Emi
:
Europe
フォーマット
:
CD
その他
:
DVD付き,輸入盤

商品説明

最近は、大作オペラのセッション・レコーディングなどというお金のかかることは、滅多になくなってしましましたが、今回はその久々の大物セッション・レコーディングの登場です。
 演目はワーグナーの大作『トリスタンとイゾルデ』で、主演は重鎮プラシド・ドミンゴに、スウェーデン出身のソプラノで、先ごろリリースされたヴェルザー=メストの『ばらの騎士』で元帥夫人を歌っていたニナ・シュテンメの二人。これにオラフ・ベーアや、バイロイトでおなじみの藤村実穂子、ルネ・パーペ、イアン・ボストリッジ、ロランド・ヴィリャソンといった有名歌手たちが絡むのですから歌としての魅力は文句なし。
 1968年ハンブルクの『ローエングリン』で初めてワーグナーを歌い、その後も『マイスタージンガー』のヴァルター、さらに『タンホイザー』を手掛け、1992年、93年、95には『パルジファル』でバイロイト音楽祭に出演、2000年には『ワルキューレ』のジークムント役でふたたび聖地の舞台に立ったドミンゴが、現代有数のワグネリアン・テノールであることは疑いのないところでしょう。そのドミンゴが15年に及ぶという研鑚のすえに臨んだこの『トリスタン』は、まさに彼のワーグナー歌唱の総決算というにふさわしい出来栄え。たっぷりとした中低域に加え、ドイツ系テノールにはない高音の輝きを備えた英雄像は、歴代の『トリスタン』歌手の中でもひときわユニークかつ強い存在感を放つものといえるでしょう。
 シュテンメのイゾルデといえば、2005年夏のバイロイトで同役を歌って絶賛されたことが記憶に新しいところですが、さすがに評判どおりのみごとな歌唱を聞かせています。美しく力強い声は高音にも恵まれ、豊かな情感を盛り込んだその歌唱はイゾルデに最適と言いたいところ。第2幕の有名な2重唱はドミンゴともども最高潮といった感があり、その芯の強い素晴らしい声を堪能させてくれます。
 レコーディングでは久々のベーアがあいかわらずの美声を聞かせるクルヴェナール役、重厚な中にも覇気を感じさせるパーペのマルケ王役も秀逸。この豪華なメンバーに伍して、藤村実穂子がブランゲーネ役を立派に務めていることもおおいに誇るべきでしょう。その深い声を存分に響かせる第2幕第2場の美しさはたとえようもありません。
 加えて、ドミンゴを師と慕い、その主要レパートリーを次々と制覇しつつある逸材ヴィリャソンが、この豪華な全曲盤の第1声にふさわしい美声の水夫役で登場、さらに牧童役をあのボストリッジが務めているのも、レコーディングならではの贅沢です。
 指揮はコヴェント・ガーデンに活気を取り戻した逸材、アントニオ・パッパーノが務め、先に発売されたドミンゴとの2枚のワーグナー・アルバム(『指環』抜粋、二重唱集)を上回る感銘を与えてくれます。ヴァイオリンを左右に配したオーケストラも好調で、立体的な音響効果のみならず、第3幕の味わい深いコーラングレ独奏などソロも実に巧みです。よく歌い、よく盛り上がるいつものパッパーノ節もここでは実に効果的で、豪華歌手陣の歌とともに陶酔的な官能美から、多彩な登場人物の織り成す喜怒哀楽にいたるまで、密度高く描きこんでいて見事というほかありません。このコンビの充実ぶりを感じさせるに充分な仕上がりといえるでしょう。
 なお、このセットには、ボーナスとしてオーディオDVD(DVD AUDIOではありません。)が付属し、ドルビー・デジタル・ステレオおよびDTSサラウンド・サウンド(DTS音声対応機種が必要です。)による全曲音声を楽しむことができます。画面にはドイツ語歌詞が曲の進行と平行して表示され、英語、フランス語いずれかの字幕を選択することが可能。さらに豪華マルチパックということで、カラー図版が多数掲載された分厚いブックレットも収められているという至れり尽くせりな内容となっております。
・ワーグナー:楽劇『トリスタンとイゾルデ』全曲
 トリスタン:プラシド・ドミンゴ(テナー)
 イゾルデ:ニナ・シュテンメ(ソプラノ)
 ブランゲーネ:藤村実穂子(メゾ・ソプラノ)
 クルヴェナル:オラフ・ベーア(バリトン)
 マルケ王:ルネ・パーペ(バリトン)
 メロート:ジャレド・ホルト(テナー)
 牧童:イアン・ボストリッジ(テナー)
 舵手:マシュー・ローズ(バス)
 若い船乗り:ロランド・ヴィリャソン(テナー)
 コヴェント・ガーデン王立歌劇場合唱団
 コヴェント・ガーデン王立歌劇場管弦楽団
 アントニオ・パッパーノ(指揮)

 録音:2004年11月23日〜2005年1月9日、ロンドン、アビーロード第1スタジオ

【ボーナスDVD】
 収録時間:227分
 画面(静止画):カラー、4:3
 音声:ドルビー・デジタル・ステレオ、DTS 5.1chサラウンド
 字幕:英語、フランス語
 リージョンコード:ALL
 NTSC

収録曲   

ディスク   1

  • 01. 楽劇≪トリスタンとイゾルデ≫ 第1幕: : 前奏曲
  • 02. 第1場 西の方へ目は向くが……だれ? 私をからかうつもりなのね (若い水夫、イゾルデ、ブランゲーネ)
  • 03. 第2場 風はさわやかに……私のために選ばれながら、私から失われたあのひと (若い水夫、ブランゲーネ、イゾルデ)
  • 04. 第2場 お気をつけなさい、姫のお使いです (クルヴェナール、トリスタン、ブランゲーネ、船員たち、騎士たち、小姓たち)
  • 05. 第3場 おお、こういうことを忍びこらえるとは (ブランゲーネ、イゾルデ)
  • 06. 第3場 なんというお迷い、なんというむなしいお腹立ちでしょう (ブランゲーネ、イゾルデ、船員たち、騎士たち、小姓たち)
  • 07. 第3場 ホウ、ヘエ、ハア、ヘエ。マストの下へ帆をおろせ……ああすると船脚が早くなるのよ (船員たち、騎士たち、小姓たち、イゾルデ) 第4場 さあさあ、ご婦人方は楽しく元気に! (クルヴェナール、イゾル
  • 08. 第4場 トリスタン様をこちらへ (イゾルデ) 第5場 姫、お望みのことを仰せつけください (トリスタン、イゾルデ)
  • 09. 第5場 モロルト殿がそんなに大事な方でしたら (トリスタン、イゾルデ、船員たち、騎士たち、小姓たち)
  • 10. 第5場 トリスタン!……イゾルデ!……不実なひと (イゾルデ、トリスタン、船員たち、騎士たち、小姓たち、ブランゲーネ、クルヴェナール)

ディスク   2

  • 01. 楽劇≪トリスタンとイゾルデ≫ 第2幕: : 前奏曲
  • 02. 第1場 まだ聞こえて? 私にはもう音は遠ざかって聞こえないわ (イゾルデ、ブランゲーネ)
  • 03. 第2場 イゾルデ。愛しいひとよ!……トリスタン! あなたは私のものね (トリスタン、イゾルデ)
  • 04. 第2場 あなたをだましたその昼に私もだまされて
  • 05. 第2場 おりてきておくれ、愛の夜[愛の二重唱] (トリスタン、イゾルデ、ブランゲーネ)
  • 06. 第2場 お聞きになって? あなた……かまわず死なせて (イゾルデ、トリスタン)
  • 07. 第2場 こうして私たちは死んだのです (トリスタン、イゾルデ、ブランゲーネ)
  • 08. 第3場 トリスタン様、お逃れなさい (クルヴェナール、トリスタン、メロート)
  • 09. 第3場 ほんとうにまもったのか? それともただそう思っているのか。……数かぎりない奉仕や (マルケ王、トリスタン)
  • 10. 第3場 王様、それにはお答えしかねます (トリスタン、イゾルデ)
  • 11. 第3場 おのれ、裏切り者。王様、さあ、ご成敗を (メロート、トリスタン)

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総合評価

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残念ながら国内盤、海外盤とも廃盤のようで...

投稿日:2024/04/23 (火)

残念ながら国内盤、海外盤とも廃盤のようですが、配役の素晴らしさとともに、商品説明にもありますが、DVDでは1枚に全曲が5.1サラウンドで収まり、なおかつ歌詞を追いながら鑑賞できるのは素晴らしいと思いました。

8マン さん | 東京都 | 不明

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ドミンゴには、ワーグナーのどの役柄を歌っ...

投稿日:2010/01/11 (月)

ドミンゴには、ワーグナーのどの役柄を歌って録音しても、どうしてもその容姿の素晴らしさから、DVDによる映像も求めたくなるのだが、現在では歌声でもドミンゴを超えるヘルデン・テノールは、存在しなくなってしまった。ドミンゴとしても年齢を重ねた現在、オペラ・ハウスでの舞台公演に備えて歌詞を、改めてもしくは新たに憶えるのは難しくなってきた。実際に舞台公演を記録したDVDは「ローエングリン」だけであり、ドミンゴのドイツ語の理解力・発音能力の限界なのかもしれない。  しかし、このCDにおいて、そのような心配は全く必要ないようだ。この楽劇「トリスタンとイゾルデ」のセッション録音をしている様子を撮影した写真映像を見ると、ドミンゴは楽譜台を前にしてオーケストラに取り囲まれた中で歌っている。ドミンゴの過去の録音を振り返っても、「ニュルンベルクのマイスタージンガー」におけるヴァルター,「タンホイザー」におけるタンホイザー,「ローエングリン」におけるローエングリン,そしてこの「トリスタンとイゾルデ」におけるトリスタンといったように、ヘルデン・テノールとして輝かしい実績を誇っている。この「トリスタンとイゾルデ」において、イゾルデはシュテンメ,ブランゲーネは藤村美穂子というように実績のある主役を配し、脇役の一人である牧童にはボストリッジを配する豪華なキャスティングがなされている。とにかく、ドミンゴの歌うトリスタンの輝しく豊かな 声の響きには、過去のトリスタン役の誰とも異なる素晴らしさが感じられる。パッパーノの指揮もドミンゴの美声を生かすのに一役買っている。そして、主役の二人をしっかりと支えているのが、藤村美穂子のブランゲーネである。  異色でセッション録音だが、これまでで最も美しい「トリスタンとイゾルデ」全曲ではあるまいか。

カラヤン英雄 さん | 岩手県 | 不明

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最初は、ステンメの歌唱に惹かれて聴いてい...

投稿日:2008/09/15 (月)

最初は、ステンメの歌唱に惹かれて聴いていましたが、藤村実穂子が巧いのには驚きました。パッパーノの指揮は危なげないけど、特に優れていはいないと思う。コヴェント・ガーデンはハイティンクのマイスタージンガー同様、健闘している。これは、1st Vn と 2nd Vn は向かい合わせかな?

KM さん | Hakata | 不明

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