CD 輸入盤

『Mirrors〜ソプラノのためのオペラ・アリア集〜ヘンデル、テレマン、グラウン、他』 ジャニーン・ド・ビーク、ルカ・クインタヴァッレ&コンチェルト・ケルン

基本情報

ジャンル
:
カタログNo
:
BC0302017
組み枚数
:
1
レーベル
:
:
Germany
フォーマット
:
CD
その他
:
輸入盤

商品説明


MIRRORS ジャニーン・ド・ビーク(ソプラノ)
ルカ・クインタヴァッレ指揮コンチェルト・ケルン

「まるで割れた鏡を通して見ているかのように、同一人物の異なる姿を体験!」


カリブ海南端に位置するトニダード・トバゴ、正式にはリパブリック・オブ・トリニダード・アンド・トベイゴに生まれたジャニーン・ド・ビークは、「声」・「技術」・「解釈」の3拍子揃った稀有な歌手。俊敏でリズミカルな驚異的アジリタ(コロラトゥーラ)の魅力もあって、欧米では人気上昇中。
  実演だけでなく、ヘンデルの『ロデリンダ』全曲と、ラモーの『プラテー』全曲の映像ソフトなどでもすでに高評価を得ていますが、バロック・オペラの浸透度が低い日本では、ほとんど話題になりませんでした。 →ジャニーン・ド・ビークを検索
  今回は、彼女のソロ・デビュー・アルバムが、ベルリン・クラシックスから登場するということで、この機会にジャニーン・ド・ビークについて詳しくご紹介することにいたします。

【名前】
カリブ海、西インド諸島の国々では、西欧各国領有の歴史が人名にも反映されています。トリニダードの場合も、スペイン、オランダ、フランス、クールラント(バルト・ドイツ人国家)、イギリスと統治国が交替してきた過去の影響が人名にも映し出されており、ジャニーン・ド・ビークのようなフランス名も珍しくありません。しかし、19世紀初頭からイギリスによる統治が始まり、1962年の独立以降もイギリス連邦の一員であり続けて公用語も英語なので、ここでは一般的な英語読みで表記しておきます。

 超優秀録音

独立系録音プロダクションによるレコーディング
このアルバムは、ベルリン・クラシックスとドイチュラント放送によって共同制作されており、レコーディングは、ベルリン芸術大学時代からの友人同士である3人のエンジニア、ヨハン・ギュンター、イネス・カマン、ヨハネス・カマンによって設立されたベルリンの独立系録音プロダクション「ノルトクラング」が担当しています(このアルバムではエンジニアがイネス・カマン、プロデューサーがヨハネス・カマン)。

間接音を温存したリアルな録音
適度な広がりを感じさせる空間に、弾力感のある低弦から、繊細で澄んだチェンバロの高音までリアルにナチュラルに再現され、歌声の微妙な変化もパーフェクトに収録。なにより素晴らしいのは、通常のレコーディングのように間接音が減衰処理されたりカットされたりしていないことで、声と楽器が重なり合って織りなす響きの饗宴を、豊かな倍音と共に味わうことができます。素晴らしい録音です。


 アルバム・リリースにあたって

「最初のレコードとして、誰もが知っている作曲家に取り組むことは理にかなっていると思えました。それに、私はヘンデルをよく歌ってきたので、彼の音楽は私にとってある種のコンフォートゾーンとなっています。それは私のレコーディングの基礎として役立ちました。ここで私が歌うキャラクターは、とても興味深く、複雑で多様な個性を持っています。オペラの最初から最後まで、エキサイティングな軌跡をたどっていて、私はそれが気に入っています。」(ジャニーン・ド・ビーク)


 アルバム・コンセプト

ヘンデル vs 同時代作曲家
このアルバムの制作方針は、ヘンデルのオペラから、5人の登場人物の主要アリアを選び、さらに、ヘンデルと同時代の作曲家によるオペラから関連人物のアリアを選んで並置するというもの。途中、器楽による気分転換として、ヘンデルの『パルテノペ』序曲と、ヴィンチによる『パルテノペ』序曲が演奏されるという凝り具合です。

ヤニス・フランソワのコンセプト
コンセプト・クリエイターで、ジャニーン・ド・ビークの親しい友人でもあるヤニス・フランソワは、アルバム「MIRRORS」について、「聴き手は、まるで割れた鏡を通して見ているかのように、同一人物の異なる姿を体験することができる」と語っています。
  フランソワはすでに、ジョルディ・サヴァール、トン・コープマン、オッターヴィオ・ダントーネ、ガブリエル・ガリード、ポール・アグニュー、ヴァーツラフ・ルークス、フィリップ・ジャルスキーといった古楽系指揮者と共演して実力を認められているほか、知られざるレパートリーの研究・紹介にも熱心に取り組んで高い評価を獲得。
  このアルバムのコンセプトが面白いものになったのも、音楽学者でもあるヤニス・フランソワの該博な知識と経験に裏付けられたリサーチがあってのことと思われます。
  ヤニス・フランソワの経歴については、ページ下部をご覧ください。

 収録情報 (トラック・リスト)

【クレオパトラ】
1.グラウン:歌劇『クレオパトラとチェーザレ』〜「壊滅的な被害を受けた中で」
2,3.ヘンデル:歌劇『ジューリオ・チェーザレ』〜「ああ神よ!私は何を感じているのか? 」〜「あなたが私に同情しないのであれば」

【アグリッピーナ】
4.ヘンデル:歌劇『アグリッピーナ』〜「嵐の中の私の魂」
5.テレマン:歌劇『ゲルマニクス』〜「残酷な想い出」

【パルテノペ序曲 その1】
6.ヘンデル:歌劇『パルテノペ』〜序曲

【ロデリンダ】
7.ヘンデル:歌劇『ロデリンダ』〜「帰ってきて、私の愛しい大切な宝物」
8.グラウン:歌劇『ロンバルディア王妃ロデリンダ』〜「運命の残酷な厳しさ」(世界初録音)

【デイダミア】
9.ヘンデル:歌劇『デイダミア』〜「私を不幸にしておいて、何を自慢するのか」
10.マンナ:歌劇『シロのアキレス』〜「誰が私のことを有罪だと言えるでしょうか?」(世界初録音)

【パルテノペ序曲 その2】
11.ヴィンチ:歌劇『パルテノペ』〜序曲

【アルチーナ(モルガナ)】
12.ヘンデル:歌劇『アルチーナ』〜「涙が残っています」
13.ブロスキ:歌劇『アルチーナの島』〜「涙が残っています」(世界初録音)

 ジャニーン・ド・ビーク(ソプラノ)
 コンチェルト・ケルン
 ルカ・クインタヴァッレ(指揮、チェンバロ)

 録音時期:2021年
 録音場所:ケルン、プローベンツェントルム
 録音方式:デジタル(セッション)
 プロデューサー:ヨハネス・カマン
 エンジニア:イネス・カマン

 音楽について

アリアのテキストやそれぞれのドラマ文脈が似ていて、主にイタリアのスタイルに影響を受けた作曲家によって、40年という比較的短い期間に書かれた作品であるにもかかわらず、この「Mirrors」プログラムの音楽的な多様性には最初から驚かされました。

  中でもブロスキとヘンデルの「涙が残っています」ほど適切な比較対象はありません。ヘンデルの嬰ヘ短調のAパートは、ヒロインの最後の敗北を表し、嬰ヘ長調のBパートは、運命や現実から逃れたいという彼女の夢を表現しています。
  一方、ブロスキの作品では、正反対のことが起こっています。このアリアは、すぐに私たちのCDの小さな宝石となったのです。彼はおそらく、ここで「死は浄化である」という考えを示しています。


  グラウンの2つのアリアは、どちらの作品もイタリアの影響を強く受けているだけでなく、作曲家の完成度の高さと壮大さを感じさせます。グラウンは、テキストに内在するすべてのコントラストを音楽的に強調しています。また、「壊滅的な被害を受けた中で」では、"colpa non ha il nocchiero"が修辞的な意味を持つ増6度の和音で歌わせたり、BパートをAパートと同じメロディと音域で短調で作曲したり、コロラトゥーラのパートに、強調されたオーケストラの伴奏を加えたりして、私たちを驚かせることにも成功しています。


  マンナの音楽は、このプログラムの中でもユニークなものです。その美学は明らかにギャラント様式を予感させるものですが、同時に、当時のナポリの音楽院では通奏低音式の即興課題の実践と同様に対位法がまだ生きていたため、対位法の技術を意識してもいます(たとえば興味深いヴィオラ・パート)。


  テレマン『ゲルマニクス』〜「残酷な想い出」は、オペラのアリアとしては非常に珍しい質感を持っています。この曲は本来、2本のオーボエと通奏低音のためのトリオ・ソナタとして作曲されていますが(ここではヴァイオリンとヴィオラも通奏低音に参加しています)、テレマンはソロ・ソプラノの旋律をほとんど第4声として書いており、苦悩と感動に満ちた不協和音で私たちを圧倒します。


  そして、ヘンデルについては何と言っても 彼の最も深遠で感動的な5つのアリアを録音するという幸運と名誉に恵まれました。バロックの最も一般的な様式パターンに基づいて、彼の音色芸術が生み出すことのできる音楽的、修辞的な豊かさをすぐに感じ取ることができます。彼はキャラクターに相応しい本物の感情の深さを与え、それが彼の音楽と演劇を時代を超えたリアルなものにし、常に感動的なものにしています。

  たとえば、ファゴットのソロパートが哀愁を漂わせる『ジューリオ・チェーザレ』〜「あなたが私に同情しないのであれば」では、ヴァイオリンが演じる運命の力強さと、ペダルや半音階的な動きや、騙し絵のようなカデンツを伴う力強いベースラインによるクレオパトラの内面的な苦しみの表現が見られます。

  『アグリッピーナ』〜「嵐の中の私の魂」でのオーボエの使用は、このアリアの見せかけの軍人としての性格(アグリッピナの権力を象徴している)を強調する一方で、繊細な音楽的フレージングが彼女の本当の感情を表しています。

  『アルチーナ』〜「涙が残っています」では、伝統的なダカーポ形式ではなく、ゆっくりとした部分と速い部分が交互に繰り返され、予想外に突然の終わり方をしています。

  『ロデリンダ』〜「帰ってきて、私の愛しい大切な宝物」は、音楽構造をできるだけシンプルにするために、全体的にはシチリアーノとして作曲されていますが、ヘンデルは、低音部の動きや和声構造、旋律線を少しずつ変更し、洗練された修辞的な図式で豊かにすることで、このアリアの感情的な意味を高めています。

  一方、ヘンデルの『パルテノペ』序曲(オーヴァチュア)は、ニ短調という調性を持ったフランス風序曲です。序奏に続いて生き生きとしたフーガが登場し、最後はタランテラの和声パターンを思わせる和声のナポリ風ジーグで締めくくられます。


  ヴィンチの『パルテノペ』序曲(シンフォニア)は、ユニゾンで始まるテーマ、ヴィルトゥオーゾなヴァイオリン・パート、和声のシークエンスなど、典型的なイタリア様式で、ソロの即興のために作られた短い第2楽章と、ナポリのバロック音楽の典型的な様式でもある短3度音程を積み重ねた和音を用いた舞曲のようなフィナーレがあります。


  ジャニーンとコンチェルト・ケルンと一緒に仕事ができたことに感謝しています。この音楽の深み、愛情、そして真正性を表現するために、歴史的な演奏方法の限界を意識的に押し広げようとする彼らの情熱と献身に感謝しています。彼女の素晴らしいコロラトゥーラ、繊細で色彩豊かな声、強さと音楽性はもちろんですが、このような強くてパワフルな演奏家と一緒に仕事ができるのは稀なことですし、この素晴らしい音楽を正しく表現するための新しい方法を模索することにも前向きです。(ルカ・クインタヴァッレ/ライナーノーツより抄訳)
↓ 動画:ヘンデル:歌劇『デイダミア』〜「私を不幸にしておいて、何を自慢するのか」


 ジャニーン・ド・ビーク

ジャニーン・ド・ビークは、声に恵まれ、技術、解釈(頭脳)にも優れ、幅広い音域で卓越したテクニックを披露する一方で、情感豊かな歌を正確なイントネーションで聴かせることができます。
  彼女によれば、そのロール・モデルは、ルネ・フレミングとチェチーリア・バルトリだということですが、確かにバルトリのソプラノ版のような機動力ある歌と、フレミングにも通じる精緻なコントロールの効いたリリックなスタイルの歌を聴くとその発言も納得できます。

【声】
2オクターブ以上の音域を余裕をもって歌えるジャニーン・ド・ビークの声は、高音域では輝かしく、中低音域では独特の歯ごたえを感じさせます。ソプラノだけでなくメゾソプラノの役も歌うことができるのはその幅広い音域のおかげでもあります。

【技術】
ジャニーン・ド・ビークのアジリタ(コロラトゥーラ)は見事なリズム感に支えられ、圧倒的な機動力と俊敏さを備えたもので、彼女のバロック作品やモーツァルトでの名声を一躍高めることにも繋がっています。

【解釈】
ジャニーン・ド・ビークは、音楽大学「マンハッタン・スクール・オブ・ミュージック」で修士号と専門研究証明書を取得。卒業後も真摯な学びの姿勢は常に維持され、新しいレパートリーに取り組む場合は、公演の2か月から5か月前には、楽譜を深く掘り下げ始めます。実際には、ジャニーン・ド・ビークの楽譜習得はかなり速いということですが、それでも十分すぎるほど時間をかける姿勢は立派。そのため、モンテヴェルディからモーツァルト、ベルカント、ブラームス、ヴォルフ、マーラー、ラヴェル、現代作品に至るまで、各時代の様式を踏まえながら、自分の解釈を緻密に仕上げることが可能になっています。


【トリニダード】
●1981年、ジャニーン・ド・ビークは、トリニダード・アンド・トベイゴ共和国(長いので通常はトリニダードと略されます)に誕生。生地は首都の南42kmのところにある最大都市のサン・フェルナンド。姉妹は他に2人(現在は医師者と理学療法士)で、父は化学技術者、母はピアノやギターを教えたりしていましたが、のちに離婚。
●ジャニーン・ド・ビークは、ローマ・カトリック系の地元の学校「セント・ガブリエルズ・ガールズ・RCスクール」に通学。学校では合唱部に所属したほか、アフリカン・ダンス、コンテンポラリー・ダンス、バレエのレッスンも受けていました。
●ド・ビーク家は、首都近郊のセント・オーガスティーンに転居。シングル・マザーになった母が、首都ポート・オブ・スペインでの仕事を得たためでした。
●ジャニーン・ド・ビークは、ポート・オブ・スペインのセント・ジョゼフ修道院の学校に転校し、ヨーロッパ帰りの音楽教師ジューン・ナサニエルにピアノを師事したほか、合唱団でも活動。
●合唱団監督のミシェル・ヴァーリーは、ジャニーン・ド・ビークの歌の才能を認めてプライヴェート・レッスンも実施。トリニダード・アンド・トベイゴ音楽祭に参加させて成果をあげ、ジャニーンの能力を確信したミシェルは、ニューヨークの「マンハッタン・スクール・オブ・ミュージック」に入学させるべく指導し、のちに合格させています。
●2000年、セント・ジョゼフ修道院の学校を卒業。スペイン語とヨーロッパ史をAレベルで修了しており、心理学者や弁護士になる進路も考えていたものの、音楽の道に進むことを決意。しかし、物価の高いニューヨークへの留学費用が捻出できなかったため、まず地元の電話会社に就職し、コンサート活動をおこないながら2年間かけて資金を集めます。

【ニューヨーク】
●2002年、音楽大学「マンハッタン・スクール・オブ・ミュージック」に入学し、ヒルダ・ハリス、マーリーナ・マラスに師事(マラスはジュリアードでも教えていました)
●2006年、ルネ・フレミング、マリリン・ホーン、キャサリン・マルフィターノ、トーマス・ハンプソンのマスタークラスを受講。
●2006年、ヒューゴ・ロス賞受賞。
●2006年、ニューヨーク、リチア・アルバネーゼ・プッチーニ財団:スタディ・グラント賞
●2006年、同大学で音楽学士号を取得。
●2008年、同大学で音楽修士号を取得。
●2009年、同大学で専門研究証明書を取得。卒業。
●2009年、ニューヨーク、ヤング・コンサート・アーティスツ・インターナショナル・オーディションズ:優勝
●2009年、ニューヨーク、ポール・A・フィッシュ・メモリアル賞受賞
●2009年、ニューヨーク、ゲルダ・リスナー・ヴォーカル・コンクール:優勝
●2009年、マゼールがニューヨーク・フィル音楽監督としての最後を締めくくった「千人の交響曲」のコンサートに出演。90分を超える長丁場の大詰めで登場する「栄光の聖母」として起用されたもので、「Komm! Komm!)」と、「懺悔する女(グレートヒェン)」に対して、天に昇ってくるよう呼びかけ、そうすれば彼(ファウスト)も後に続くだろうと歌う重要な箇所です。

【バーゼル劇場所属】
●2009年、スイスのバーゼル劇場と契約(1年間)。プッチーニ『蝶々夫人』 ケイト・ピンカートン役でデビュー
●2010年、オッフェンバック『ジェロルスタン女大公殿下』 侍女イザ役などに出演。

【フリーランス】
●2010年、オランダ、ヘルトゲンボッシュ国際声楽コンクール:アーリーン・オジェー賞(賞金5,000ユーロ)
●2010年11月、ボストン交響楽団。ラヴェル、モーツァルト、他
●2011年3月、メトロポリタン・オペラ・ナショナル・カウンシル・オーディション:ファイナリスト賞(賞金5,000ドル)

【ウィーン国立歌劇場所属】
●2011年、ウィーン国立歌劇場と契約(1年間)。『フィガロの結婚』 バルバリーナ役、『愛の妙薬』 ジャンネッタ役、『ばらの騎士』 帽子屋役、『蝶々夫人』 ケイト・ピンカートン役
●2012年、『フィガロの結婚』 バルバリーナ役、ワーグナー『妖精』 アーダ役

【フリーランス】
●2012年、ヴィオッティ国際音楽コンクール:声楽部門第3位
●2013年3月、ペンシルヴェニア州、ウェストモアランド交響楽団(コスティス・プロトパパス指揮)。モーツァルト・プログラム
●2013年4月、ニューヨーク、マーキン・コンサート・ホール。ヤング・コンサート・アーティスツ・シリーズ
●2014年7月、コロラド、セントラルシティ・オペラ。ジェイク・ヘギー『デッドマン・ウォーキング』 シスター・ローズ役
●2014年9月、ローマ、コスタンツィ劇場。ジョン・アダムズ『天井を見つめてたら空が見えた』 コンスエロ役
●2014年11月、ハイデルベルク劇場。ヨンメッリ『フェトーネ』 チーメネ役
●2015年12月、ボストン・バロック。ヘンデル『メサイア』
●2017年5月、スコティッシュ・オペラ。『ラ・ボエーム』 ムゼッタ役
●2017年7〜8月、ザルツブルク音楽祭。ムジカ・エテルナ(テオドール・クルレンツィス指揮、ピーター・セラーズ演出)。モーツァルト『皇帝ティートの慈悲』 アンニオ役。
●2017年8月、BBCプロムス。チネケ!オーケストラ(ケヴィン・ジョン・エドゥセイ指揮)。バロック・アリア集
●2017年12月、アトランタ交響楽団。『メサイア』から、『エクスルターテ・ユビラーテ』
●2017年12月、スタヴァンゲル交響楽団。『メサイア』から
●2018年2月、ベルリン・コンツェルトハウス管弦楽団(イヴァン・フィッシャー指揮)。アルヴォ・ペルト:『のどが渇いた鹿のように』
●2018年10月、リール歌劇場。ル・コンセール・ダストレ(エマニュエル・アイム指揮)。ヘンデル『ロデリンダ』 ロデリンダ役。(EratoからBD、DVD化)。
●2018年12月、ムジカエテルナ(テオドール・クルレンツィス指揮)。マーラー:交響曲第4番。ミラノ、サンクトペテルブルク、ミュンヘン、ブダペスト
●2018年12月、メルボルン交響楽団。ヘンデル『メサイア』
●2019年3月、アムステルダム音楽劇場。オランダ国立オペラ。ミシャ・ハーメル『カルーソー・ア・キューバ』 アイーダ役。世界初演
●2019年4月、アリゾナ・オペラ。『フィガロの結婚』 スザンナ役
●2019年6〜7月、ストラスブール・ラン(ライン)国立オペラ。モーツァルト『ドン・ジョヴァンニ』 ドンナ・アンナ役。
●2019年7月、フィンランド、ルオヴェシ・フェスティヴァル。ヴォルフ、モーツァルト、カリブの歌
●2019年7月、ラヴィニア音楽祭。シカゴ交響楽団(マリン・オルソップ指揮)。マーラー:交響曲第8番『千人の交響曲』
●2019年8月、ハリウッドボウル。ブダペスト祝祭管弦楽団(イヴァン・フィッシャー指揮)。モーツァルト:レクイエム、他
●2019年8月、ハリウッドボウル。ブダペスト祝祭管弦楽団(イヴァン・フィッシャー指揮)。ヘンデル:アリア集、他
●2019年8月、ニューヨーク、リンカーン・センター。ブダペスト祝祭管弦楽団(イヴァン・フィッシャー指揮)。ヘンデル:アリア集、他
●2019年8〜9月、BBCプロムス。スコットランド室内管(リチャード・エガー指揮)。ヘンデル『イェフタ』 イフィス役
●2019年10月、サンフランシスコ歌劇場。『フィガロの結婚』 スザンナ役
●2019年12月、パリ、ラ・セーヌ・ミュジカル。ラファエル・ピション指揮。ブラームス『ドイツ・レクイエム』
●2020年1月、ベルリン・ドイツ・オペラ(ドナルド・ラニクルズ指揮)。ブリテン『真夏の夜の夢』 ヘレナ役
●2020年2月、トゥールーズ・カピトール管(トゥガン・ソヒエフ指揮)。マーラー:交響曲第2番『復活』
●2020年10月、アン・デア・ウィーン劇場。ウィーン室内管弦楽団(ウエイン・マーシャル指揮)。ガーシュウィン『ポーギーとベス』 ベス役
●2020年11月、ザンクト・ガレン劇場。ザンクトガレン交響楽団(ルベン・ドゥブロフスキー指揮)。ヘンデル『ジューリオ・チェーザレ』 クレオパトラ役(3月の予定がコロナでキャンセルされていたもの)
●2020年12月、アン・デア・ウィーン劇場。レザール・フロリサン(ウィリアム・クリスティ指揮)。ラモー『プラテー』 ラ・フォリー役。(C-MajorからBD、DVD化。Harmonia Mundi FranceからCD化)
●2021年2月、リセウ大劇場。レザール・フロリサン(ウィリアム・クリスティ指揮)。ラモー『プラテー』 ラ・フォリー役
●2021年5月、ヒューストン・グランド・オペラ(パトリック・サマーズ指揮)。ヘンデル&モーツァルト・プログラム、『ザ・サウンド・オブ・ミュージック』(無観客)
●2021年6月、ベルリン、コンツェルトハウス。ラ・フラ・デルス・バウス、ベルリン・コンツェルトハウス管弦楽団(クリストフ・エッシェンバッハ指揮)。ウェーバー『魔弾の射手』 アガーテ役(初演200周年記念公演)
●2021年7月、コロラド、アスペン音楽祭(ロバート・スパーノ指揮)。ベートーヴェン:交響曲第9番『合唱』
●2021年9月、ブダペスト芸術宮殿。ブダペスト祝祭管(イヴァン・フィッシャー指揮)。モンテヴェルディ『ポッペアの戴冠』 ポッペア役
●2021年11〜12月、パリ国立歌劇場(トーマス・ヘンゲルブロック指揮)。ヘンデル『アルチーナ』 アルチーナ役
●2022年1月、スイス、聖マンゲン教会。イル・プレーテ・ロッソ・バロック・オーケストラ。ヘンデルと同時代の作曲家のアリア集
●2022年1月、エッセン・フィルハーモニー。ウィーン・バッハ・コンソート(ルーベン・ドゥブロフスキー指揮)。ヘンデル『時と悟りの勝利』(予定)
●2022年2月、リール歌劇場。歌曲リサイタル(アーロン・ヴァインベルフ:ピアノ)。R.シュトラウス、ヴォルフ、プレヴィン、カリブの歌、他(予定)
●2022年2月、アントワープ、デ・シンゲル。歌曲リサイタル(アーロン・ヴァインベルフ:ピアノ)。R.シュトラウス、ヴォルフ、プレヴィン、カリブの歌、他(予定)
●2022年3月、オランダ、ライデン市立ホール。歌曲リサイタル(アーロン・ヴァインベルフ:ピアノ)。R.シュトラウス、ヴォルフ、プレヴィン、カリブの歌、他(予定)
●2022年3月、シンシナティ・オペラ。歌曲リサイタル(ゲロルト・フーバー:ピアノ)。R.シュトラウス、ヴォルフ、プレヴィン、カリブの歌、他(予定)
●2022年3月、WDR交響楽団(マンフレート・ホーネック指揮)。ハイドン:『戦時のミサ(太鼓ミサ)』(予定)
●2022年4月、カーネギー・ホール(ワイル・リサイタル・ホール)。歌曲リサイタル(ゲロルト・フーバー:ピアノ)。R.シュトラウス、ヴォルフ、プレヴィン、カリブの歌、他(予定)
●2022年5月、ウィーン・フィル(ヘルベルト・ブロムシュテット指揮)。メンデルスゾーン:交響曲第2番『賛歌』(予定)
●2022年5月、ロサンジェルス・フィル(グスタヴォ・ドゥダメル指揮)。ベートーヴェン:交響曲第9番『合唱』(予定)
●2022年7月、エクサン・プロヴァンス音楽祭。ロッシーニ『モーセとファラオ(『エジプトのモーゼ』の改作仏語版)』(予定)

 ジャニーン・ド・ビーク「MIRRORS」オフィシャル・ビデオ


【大意】
コンチェルト・ケルンが私とこのアルバムを一緒につくることを喜んでくれていると聞いたとき、私はとても驚きました。
私の最初のアルバムで、彼らと一緒になるなんて、正気の沙汰ではありません。
バロック音楽のデビューアルバムが、現在最も歴史あるオーケストラのひとつと一緒になるなんて、これ以上完璧なことはないと思います。
彼らとの仕事は非常にスムーズで、彼らから多くのことを学びました。ルカ・クインタヴァッレとのコラボレーションは、並外れたものでした。

作曲家は自分の音楽を、たとえばAセクションとBセクションに分けて設定します。そして彼は演奏者に楽曲という基礎を与え、演奏者はそこに演奏というレイヤー(層)を追加するのです。レイヤーは楽曲をますます美しくするものなので、私たちの仕事は、すでに美しいものをさらに輝かせるということです。これこそが、バロック音楽の最もエキサイティングなところです。

このアルバムの登場人物は非常に複雑ですが、作曲家たちは女性が経験するさまざまな感情やキャラクター、さまざまな経験、その複雑さをうまく表現していると思います。 私自身も女性としての経験を掘り下げて、それぞれのキャラクターが経験することを表現することができたと思います。

グラウンの「クレオパトラとチェーザレ」と、ヘンデルの「ジュリオ・チェーザレ」から、同じ登場人物「クレオパトラ」を取り上げていますが、グラウンでは、ヘンデルが作曲していない「壊滅的な被害を受けた中で」を選びました。私たちは、クレオパトラというキャラクターのさまざまな瞬間を、それぞれの作曲家の異なるスタイルで表現し、それらを鏡に映して、これは1つのキャラクターだが多面性を見ることができる、と言うことにしたのです。音楽は2人の異なる作曲家によるものですが、リブレットもストーリーも同じです。

私の目を通してこれらの音楽がどのように描かれるのか世界に見てもらい、クラシック音楽やバロック音楽のコミュニティには、別の側面を見てもらいたいと思っているので、とても楽しみです。

 ルカ・クインタヴァッレ

チェンバロ奏者、フォルテピアノ奏者、指揮者として活躍するルカ・クインタヴァッレは、スイスに隣接した北イタリアのコモに誕生。
 コモ音楽院で、ジョヴァンニ・トーニ、ステファノ・モラルディ、パオロ・ベスキの指導を受け、チェンバロを「首席」で卒業。また、ピアノをエルネスト・エスポジート、ラースロー・ギメシに、指揮を杉山洋一、クリストフ・アルトシュテット、ジャンカルロ・アンドレッタに師事しました。DAADの奨学生として、エッセンのフォルクヴァング芸術大学でクリスティアン・リーガーに師事し、クリスティアン・ベザイデンホウト、イェスパー・クリステンセン、アンドレア・マルコン、ステファノ・デミチェリ、クリストフ・ルセ、アンドレアス・シュタイアー、アレクセイ・リュビモフ、ジュリアン・サレムクールの各氏のコースを受講しています。
 最近は指揮者としても精力的に活動するクインタヴァッレですが、最初はまず鍵盤楽器奏者として知名度を上げていったため、演奏家からの転向組といわれてしまうこともありますが、実際には、最初から指揮も学んでおり、それも杉山洋一から現代音楽について教えを受けるなど本格的なものでした。
 そのため、クインタヴァッレの活動は古楽と現代音楽を軸としたものになっており、拠点をイタリアからドイツに移したのも、イタリアでは古楽と現代音楽で食べて行くのは難しいからとも述べています。


 コンチェルト・ケルン

ケルン音楽アカデミーの学生によって1985年に設立されて以来、30年以上にわたって古楽器オーケストラの最前線で演奏活動をおこなってきたコンチェルト・ケルンは、補助金に頼らない自主運営組織でもあります。
 現在、コンサートマスターの平崎真弓、エフゲニー・スヴィリドフ、佐藤俊介、そして芸術監督のアレクサンダー・シャーフが、このオーケストラで主導的な役割を担っていますが、彼らは、芸術的水準と大衆的な成功が決して矛盾しないことを、プロジェクトの選択によって何度も証明してきました。
 声楽との共演経験が豊富なのもコンチェルト・ケルンの特徴で、古楽版の歌劇場オーケストラとも呼びたくなる劇場的センスにあふれたソロやトゥッティは実に魅力的です。


【この録音に参加したメンバー】
第1ヴァイオリン:エフゲニー・スヴィリドフ、マルクス・ホフマン、シュテファン・ゼンガー、フラウケ・ペール
第2ヴァイオリン:イェルク・ブッシュハウス、アンティエ・エンゲル、阿部千春、ヘトヴィヒ・ファン・デル・リンデ
ヴィオラ:アンティエ・ザビンスキ、アイノ・ヒルデブラント
チェロ:ヤン・クンケル、アレキサンダー・シャーフ
コントラバス:ジャン・ミシェル・フォレスト
オーボエ:ズザンネ・レーゲル、マリー=テレーゼ・ライト
ファゴット:ロレンツォ・アルペルト
チェンバロ、オルガン:マルタ・ドトクス
リュート:ミヒャエル・デュッカー

 ヤニス・フランソワ

トリニダードの北、600キロほどのところにあるカリブ海のグアドループ群島(フランス領)出身のバス・バリトン歌手。
  フランソワはローザンヌの「エコラトリエ・ルドラ・ベジャール」で学び、ベジャール・バレエ団のダンサーとしてキャリアをスタートしています。しかしモーリス・ベジャールが、フランソワに歌手としてのキャリアも模索するように勧めたことから、フランソワはローザンヌ音楽院でも学び、その後、バロックや現代作品を中心に、歌手、音楽学者、ダンサーとして多彩な活動をおこなうようになります。


 プロジェクトについて

私のルーツである豊かで多様な文化遺産は、アーティストとしての私に大きなインスピレーションを与えてくれます。
  デビューアルバムをコンチェルト・ケルンでレコーディングするという知らせが届いたとき、コンチェルト・ケルンのアーティスティック・ディレクターであるアレクサンダー・シャーフと私は、すぐに意見交換を始めましたが、その中で2つの基本的な質問が繰り返されました。

  ヘンデルの有名な曲をいかに新鮮に聴かせるか?
  私が表現すべきストーリーとは何か?

  私の友人であり、同じカリブ海出身のオペラ歌手であり、音楽学者でもあるヤニス・フランソワも加わり、私の音楽文化の伝統とバロック音楽の時代との相補性について、たびたび意見を交わしていました。

  ヘンデルの音楽は、いつも私に解放感を与えてくれます。特に、女性ヒロインの成長や人生観に与える感情的な深みは、私にとって魅力的です。楽譜とリブレットを使って、ヘンデルの有名な主人公であるクレオパトラ、ロデリンダ、アルチーナや同時代の人物の歴史を探っていきました。ここでヤニスは、ヘンデルの女性キャラクターの深い親密さと、同時代の女性の役割を、まるで鏡のように対比させるコンセプトを打ち出しました。

  カール・ハインリッヒ・グラウンのオペラ『チェーザレ・エ・クレオパトラ』のアリア「壊滅的な被害を受けた中で」は、ダンスのような特徴を持っていて、アルバムの中でもお気に入りのアリアです。クレオパトラというキャラクターに女性としての強い親しみを感じただけでなく、私自身がトリニダード出身という文化的背景を持っていることもあり、この見事に作られたアリアの動き、ハーモニー、パーカッシブなリズムを理解するのに苦労しませんでした。

  私たちのアイデアを具現化し、私の最初の疑問に答えてくれる「鏡のコンセプト」が形になるにつれ、私の熱意は高まっていきました。私は実際に、アルバムの中の「鏡」のような存在になりました。バロックのヒロインたちの多様な経験を、多文化的背景を持つ私の力で反映させる中心的な女性キャラクターです。

  特に演奏家としての私にとって、バロック音楽は自分自身の側面を発見し、再構築することを理想としています。これらのアリアでは、忍耐、強さ、許す能力、そして無条件の愛によって最終的に報われるヒロインに出会います。音楽や歌詞を深く掘り下げれば掘り下げるほど、彼らの失ったものを感じることができました。
  私は無限の共感と畏敬の念を感じ、世紀を超えたヒロインたちの人生を伝える声になることが自分の使命であり、機会であると感じました...(ジャニーン・ド・ビーク/ライナーノーツより抄訳)







商品説明:年表シリーズ

指揮者
アルヘンタ
アンセルメ
オッテルロー
ガウク
カラヤン
クイケン
クーセヴィツキー
クチャル
クナッパーツブッシュ&ウィーン・フィル
クナッパーツブッシュ&ベルリン・フィル
クナッパーツブッシュ&ミュンヘン・フィル
クナッパーツブッシュ&国立歌劇場管
クナッパーツブッシュ&レジェンダリー・オーケストラ
クラウス
クリップス
クレツキ
クレンペラー
ゴロワノフ
サヴァリッシュ
シューリヒト
スイトナー(ドヴォルザーク)
スイトナー(レジェンダリー)
スラトキン(父)
ターリヒ
チェリビダッケ
トスカニーニ
ドラゴン
ドラティ
バルビローリ
バーンスタイン
パレー
フェネル
フルトヴェングラー
ベイヌム
マルケヴィチ
メルツェンドルファー
メンゲルベルク
モントゥー
ライトナー
ラインスドルフ
レーグナー(ブルックナー)
レーグナー(マーラー)
ロスバウト

鍵盤楽器
ヴァレンティ
ヴェデルニコフ
カークパトリック
カサドシュ
グリンベルク
シュナーベル
ソフロニツキー
タマルキナ
タリアフェロ
ティッサン=ヴァランタン
デムス
ナイ
ニコラーエワ
ネイガウス父子
ノヴァエス
ハスキル
フェインベルク
ユージナ
ランドフスカ
ロン

弦楽器
カサド
コーガン
シュタルケル
スポールディング
バルヒェット
フランチェスカッティ
ヤニグロ
リッチ
レビン

室内アンサンブル
グリラー弦楽四重奏団
シェッファー四重奏団
シュナイダー四重奏団
パスカル弦楽四重奏団
パスキエ・トリオ
ハリウッド弦楽四重奏団
バルヒェット四重奏団
ブダペスト弦楽四重奏団
伝説のフランスの弦楽四重奏団
レナー弦楽四重奏団

作曲家
アンダーソン
ベートーヴェン
ヘンツェ
坂本龍一

シリーズ
テスタメント国内盤

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