バッハ:ロ短調ミサ、ルター派ミサ、C.P.E.バッハ:イエスの復活と昇天(5CD)
ヘレヴェッヘ&コレギウム・ヴォカーレ
ベルギーの古楽指揮者、フィリップ・ヘレヴェッヘが40代前半にヴァージン・クラシックスで制作したアルバムの中から、バッハのロ短調ミサと、30分前後のミサ4曲、そしてエマヌエル・バッハの傑作『イエスの復活と昇天』を収録したボックス・セット。
当時のヘレヴェッヘはハルモニア・ムンディ・フランスで活躍していたため、英国のヴァージン・クラシックスにおこなった一連の録音は話題になったものでした。
参考までにかつてのジャケット画像を表示しておきます。
【ロ短調ミサ】
ヘレヴェッヘはこのヴァージン盤の8年後の1996年にハルモニア・ムンディでも録音し、さらに2011年には自身のレーベルでも小編成で再録音をおこなっていました。
3つの演奏にはそれぞれに特徴がありますが、合唱スタイルの美しさではこのヴァージン盤は際立った美点を持つとも言われてきました。実際、ヘレヴェッヘの地元であるベルギーのヘントにあるミンダーブロダー教会の音響には素晴らしいものがあります。
【ルター派ミサ曲集】
バッハが自作の教会カンタータからの転用で大部分を構成したルター派のためのミサ曲は、規模感もカンタータ・サイズでほどよく、また教会カンタータのいいとこどり的な面もあって聴きやすく魅力的な部分が多々あります。
ここでは、ロ短調ミサと同じく合唱と管弦楽は自ら設立したコレギウム・ヴォカーレが受け持ち、ソリストには、当時ハルモニア・ムンディでの常連に加え、ヴァージンの人気カウンターテナー、ジェラール・レーヌを迎えているのが注目されるところでもあります。録音会場はノルマンディー地方にあるサントの女子修道院です。
【カール・フィリップ・エマヌエル・バッハ:イエスの復活と昇天】
父バッハの友人で自らの名付け親でもあるテレマンの影響を受けたながらも自らの個性を作品に盛り込み、やがてハイドンやモーツァルト、ベートーヴェンに影響を与えることとなったカール・フィリップ・エマヌエル・バッハ [1714-1788]は、テレマンの後任としてハンブルクで活躍、数々の傑作を書き上げ、古典派の基礎を築いたとも言われています。
カール・フィリップ・エマヌエル・バッハが書いた声楽大作群は、近年になって注目度が高まってきており、ここに収録された『イエスの復活と昇天』も、多様な要素をもった優れた作品として受け入れられています。
ヘレヴェッヘは早くからこの傑作に注目、自前のコレギウム・ヴォカーレに加えて、当時ヴァージンで気を吐いていた古楽器オケ「エイジ・オブ・エンライトメント管弦楽団」の手も借りて、この大作に挑んでいます。(HMV)
【収録情報】
Disc1-2
● J.S.バッハ:ミサ曲ロ短調 BWV.232 [106:27]
バルバラ・シュリック(ソプラノ)
カテリーネ・パトリアス(ソプラノ)
チャールズ・ブレット(カウンターテナー)
ハワード・クルック(テナー)
ペーター・コーイ(バス)
コレギウム・ヴォカーレ
フィリップ・ヘレヴェッヘ(指揮)
録音時期:1988年4月
録音場所:ベルギー、ヘント、ミンダーブロダー教会
録音方式:ステレオ(デジタル/セッション)
プロデューサー&エンジニア:ペレ・カスレラス
Disc3
● J.S.バッハ:ミサ曲ヘ長調 BWV.233 [27:15]
● J.S.バッハ:ミサ曲ト長調 BWV.236 [28:07]
アニェス・メロン(ソプラノ)
ジェラール・レーヌ(カウンターテナー)
クリストフ・プレガルディエン(テナー)
ペーター・コーイ(バス)
コレギウム・ヴォカーレ
フィリップ・ヘレヴェッヘ(指揮)
録音時期:1990年4月
録音場所:フランス、ノルマンディー、サント女子修道院
録音方式:ステレオ(デジタル/セッション)
プロデューサー:ニコラス・パーカー
エンジニア:マイク・クレメンツ
Disc4
● J.S.バッハ:ミサ曲ト短調 BWV.235 [28:36]
● J.S.バッハ:ミサ曲イ長調 BWV.234 [32:33]
● J.S.バッハ:サンクトゥス 二長調 BWV.238 [03:01]
コレギウム・ヴォカーレ
フィリップ・ヘレヴェッヘ(指揮)
録音時期:1989年7月
録音場所:フランス、ノルマンディー、サント女子修道院
録音方式:ステレオ(デジタル/セッション)
プロデューサー:ニコラス・パーカー
エンジニア:マイク・クレメンツ
Disc5
● C.P.E.バッハ:オラトリオ『イエスの復活と昇天』Wq.240 [75:37]
ヒレヴィ・マルティンペルト(ソプラノ)
クリストフ・プレガルディエン(テナー)
ピーター・ハーヴィー(バス)
コレギウム・ヴォカーレ
エイジ・オブ・エンライトメント管弦楽団
フィリップ・ヘレヴェッヘ(指揮)
録音時期:1991年2月
録音場所:パリ、サル・ワグラム
録音方式:ステレオ(デジタル/セッション)
プロデューサー:ニコラス・パーカー
エンジニア:マイク・クレメンツ