【コラム】In a SCAR / Junichi Nakamura 第5回

2017年10月13日 (金) 22:45

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ローチケHMV - ヘヴィーメタル


皆さん、おはずんだ!(1年経つのに未だ浸透してない挨拶)スペインのバルセロナで活動しておりますIN A SCAR の Junichi です。昨年末に逆輸入 J-METAL バンドとして日本でアルバムをリリースさせてもらって以来、今は虎視眈々とセカンドアルバムの準備をしております。とは言いましても、私達スペインで活動しておりますのでその仕事のスピードものんびりラテンのノリで進めております(僕は日本人なので性に合いませんが)。日本のバンドをフェラーリに例えましょう。すると我々IN A SCARは田舎のケートラです。しかも、この時期から俗に言うバケーションに入ってしまい、ケートラが牛になっております(今ねじり鉢巻にハッピ、サングラス姿の吉幾三を思い浮かべた人、正解!)

先ほどバケーションと言う単語を使いましたが長期夏休みです。大抵の家族は海外旅行をしたり実家に帰ったりでバルセロナ市内はこの時期観光客ばかりになります。会社や学校は勿論の事、お店やレストランまでクローズしてしまいます。勿論ライブハウス等も例外では無く大多数がそうするようです。日本では考えられないことですね。それでも演奏したいのがミュージシャンのサガ!じゃあ演奏したいのに演奏する場所が無い、そんな時彼らはどうするか?そんなサガを今回はサガしに行きます!(サガ三連発)。

今回そんなサガをサガしに行ったのは佐賀でもなく嵯峨でも無い、普通の地下鉄です(引っ張った意味無し)。路上にも観光客目当てのストリートミュージシャンを多く見かけますが、敢えて今回は地下鉄と言う逃げ場の無い場所で危険に身を晒してまで演奏する人達(基本地下鉄での演奏は許可されていないので)に凸。最初に書いておきますが、話した人の数の割りには今回本当に写真が少ないです。スペイン人が地下鉄で演奏する許可なんて取ってるわけもなくコラムに書くと言うと尻込みして撮らせてもらえませんでした。ケチ!でもそれもその筈、聞いた話によりますと、もし警察に見つかった場合、楽器の没収とかなりの金額の罰金だそうです。と、以前口喧嘩した日本人の路上キーボード弾きおばさんが言ってました。この人「オクーパ」と呼ばれる空家に勝手に住み込む集団の1人で、僕が友達に鯨のベーコン好きな話を路上でしてましたらそれを盗み聞きしたようで「動物の肉食べるなんて最低!」と罵られました。しかし後日その人が日本食のレストランでとんかつを食べてるの見て思わず…以下省略。この人取材した方が面白かったかな…(笑)鯨も肉、とんかつも肉、どちらもサガ無い…

そんな中でもまずは今回最初に写真を撮らせてくれたアコーディオンのヨハンさん、年齢不詳、国籍不明、地下鉄歴8年。ここのチップだけで生活してるそうです。そう考えると最低でもヨハンさんは700ユーロ(日本円で9万円くらい、700ユーロあれば最低限の生活は出来ます、誰ですか?だったら移住しちゃおうなんて今思った人!海外生活そんなに甘く無いですからね!)を月に稼いでいるようです。毎日6時間労働のフリーターの収入と同じくらいですね。

ヨハンさんはアコーディオンで定番の「マイウェイ」等演奏していました。ヨハンさん、何か音楽へのパッションがありこうして8年も地下鉄で演奏しているのかと思いきや「時間通りに働くのが好きじゃないから」ととてもロックな返答をされてしまいました。ま、まぁ…スペインらしくて良いでしょう!(笑)テンションがサガる…

次にフラメンコギターを小さいアンプから流して演奏している老人や、DEEP PURPLEの『SMOKE ON THE WATER』のバッキングトラックを流しながらリッチーばりにソロを弾くストラト中年男性、『パリの散歩道』をジャクソンの変形ギターで弾くメタラー等などと遭遇しましたが、写真は全て断られてしまいました。うーん、チップ弾んだのに!(笑)その中には自分で弾いたものをCD-Rにして自作でジャケットを作り販売してた人もいました。カバーとオリジナルが半々だった気がします。勿論、僕は買いませんでした。せめて1人くらいはギタリストと写真を撮りたかったです。ここまで撮らせてくれないともう八方ふサガり…

そしてその後、またしてもアコーディオンマンに遭遇しました。最早アコーディオンマンしか写真は撮らせてくないのか!?とさえ思うようになってました(笑)しかも選曲マイウェイって被ってるし、どんだけ船出待ってるんだ?と突っ込みたくなる気持ちを抑え話しかけてみますと、とても感じのいい方でしたね。国籍不明、地下鉄歴3年。でも心なしか寂しい感じの方でした。話し方と言うか、佇まいと言いますか。

きっと別れた女性の事が忘れられなくて、ここでこうして彼女の好きな曲を弾いていればいつかまた逢える…そんな理由で地下鉄で弾いているのかと思ったら、やっぱり「金」でした…もう!僕のロマンス返して!ロマンシング サガ!ちょっと無理がありましたでしょうか…

そうこうしてるうちにお腹も空いてきまして、日本の心、ラーメン二郎サガみ大野店を思い出しつつ地下鉄に乗りますと、そこにヴァイオリン弾きがおりました。こうしてキャリーにアンプを乗せ、そこからバックの演奏を流しその上に重ねるようにメロディーを弾いていました。地下鉄そのものの中で演奏するのは良いアイディアかもしれませんね。その分、地下鉄のセキュリティに見つかる可能性も高いですが。

その他にも多かったのが、首から「お腹をすかせた子供が三人います」や「仕事がありません」等と書かれたものを下げ、アカペラで歌ったりラップをしたり…そういうのを見ますと、五年前にスペインに来た当初はもの珍しく何も嫌悪感は感じませんでしたが、今そういうお遊戯会みたいなもの見てしまいますと、音楽=食べる手段、としか捉えてない様な気がしましてあまり良い気分では無いと同時に、何か手っ取り早くお金を稼げるからやっている気がしてなりませんでした。ただそんな中にも真剣に音楽をやっている人達もいました。

エレキギターを歪ませて、タッピング(ピックで弾かないでピアノの様に両手で弦を押して音を出す)だけでリズムとソロをこなすギタリストや、ヴァイオリンとクラシックギターの二人組みの演奏は圧巻でした。彼らの様に、お金よりも音楽へのパッションも技術もある人達へもっと演奏する機会や場所を与えられたらきっとスペインの音楽事情ももっと良くなるのでは?と思いつつ、今回写真を撮ってくれたツレにビールを強請られ、仕方なくATMでお金を下ろす僕でした。お前も金か!(笑)

Junichi / In a SCAR


デビューアルバム

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In A Scar

(3)

価格(税込) : ¥2,700

発売日: 2016年12月28日

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