キャシー・バーベリアン、ビートルズを歌う
2005年2月22日 (火)
キャシー・バーベリアン『レヴォリューション』ライヴ音源をプラスして復活!
ビートルズ・ナンバーを過剰装飾気味のバロック・オペラ・アリア風(?)に変貌させたことで知られるキャシー・バーベリアンの問題作『レヴォリューション』。
1966年12月にパリでレコーディングされたこのアルバムは、同じ年の8月にリリースされたビートルズのアルバム『リヴォルヴァー』のジャケット・デザインをパロディにしたことでも知られており、彼女のビートルズへの偏愛ぶりを窺わせるに十分な仕上がり。
今回、フランスのレーベルからリリースされた当アルバムには、その『レヴォリューション』に加え、フランスのラジオでのインタヴュー「私がビートルズを歌う理由」と、1980年と1982年におこなわれたリサイタル・ライヴ音源から4曲がボーナスとして収録されています(観客の爆笑も入ったとても暖かい雰囲気のライヴです)。
なお、24ビット・リマスターが施されているのも嬉しいところで、低域から高域まで幅広い彼女のメゾ・ソプラノ離れした声と、チェンバロを用いた室内アンサンブルと弦楽四重奏の伴奏も克明に再現されています。
『レヴォリューション』が録音された1966年といえば、キャシーがベリオと離婚し、自身の代表作『ストリプソディ』をつくった年でもあり、自由になったキャシーの旺盛な創作欲のあらわれのひとつがこのアルバム『レヴォリューション』ということでもあったのでしょう。
なにやら『マイスタージンガー』のベックメッサーによるコミカルなシーンと、シューベルトの『美しき水車小屋の娘』を連想させる『涙の乗車券』や、後のマイケル・ナイマンを思わせる『ヘルプ』など、キャシー・バーベリアンの切れ味鋭く迫力に富む独特の歌唱スタイルが100パーセント生かされたナンバーの数々は面白さ満点。
ちなみに彼女はこの2年後にアーノンクールのモンテヴェルディ『オルフェオ』の録音に参加、その5年後には同じくアーノンクールの『ポッペアの戴冠』で絶賛を博すこととなります。
20世紀イタリアを代表する大物作曲家でもあったルチアーノ・ベリオの元夫人であり、モンテヴェルディからジョン・ケージまで幅広いレパートリーを自在に雄弁に歌い上げたメゾ・ソプラノ歌手、キャシー・バーベリアンは、1928年7月4日にマサチューセッツ州のアトルボロに誕生しています。
コロンビア大学とニューヨーク大学で、文学、パントマイムのほか、イベリアやアルメニア、中東の文化も学んだ彼女は、やがてミラノに赴き、ジョルジーナ・デル・ヴィゴに声楽を師事します。そしてルチアーノ・ベリオと1949年に知り合って恋に落ち、翌1950年には結婚。1957年にナポリの現代音楽のコンサートで正式なデビューを果たします。3年後の1960年にはアメリカのタングルウッドでデビューして高い名声を獲得。
以後の彼女は、シルヴァーノ・ブソッティやハンス・ヴェルナー・ヘンツェ、ジョン・ケージ、イーゴリ・ストラヴィンスキーらと親交を結び、彼女のために書かれた作品などをとりあげて次第に唯一無二の存在と化して行くのですが、1983年3月6日、ローマで54年の短い生涯を終えてしまいます。
キャシー・バーベリアンのスタイルは独特でしたが、彼女の死の3年後におこなわれたコンサートを収録したライヴ盤『キャシーが歌ったうた』(Virgin 廃盤)をつくったリンダ・ハーストなどは数少ない後継者とでもいえる存在でしょうか。
しかし、さまざまな国や様式の音楽に旺盛な関心を示し、かのジェンキンス女史の歌い方まで取り込んだ(?)キャシーの面白さはやはり別格といわざるをえません。
1. 涙の乗車券 2:35
2. 抱きしめたい 1:53
3. ミッシェル 2:27
4. エリナー・リグビー 2:22
5. イエロー・サブマリン 2:02
6. ヒア・ゼア・アンド・エヴリウエア 2:10
7. ヘルプ! 1:32
8. 悲しみをぶっ飛ばせ 2:10
9. イエスタデイ 2:24
10. キャント・バイ・ミー・ラヴ 1:37
11. ガール 2:25
12. ア・ハード・デイズ・ナイト 1:39
ボーナス・トラック
13. 私がビートルズを歌う理由 1:43
14. イントロダクション 2:20
15. 涙の乗車券 2:34
16. イエスタデイ 2:02
17. 涙の乗車券 2:33
歌:キャシー・バーベリアン(メゾ・ソプラノ)
編曲:ギィ・ボワイエ (1-12)
編曲:ルイス・アンドリーセン (15-17)
ギィ・ボワイエ(指揮、チェンバロ)(1-12)
アンサンブル・ド・ミュジク・ド・シャンブル(1-12)
弦楽四重奏[第1&第2ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ](2, 4, 5, 11)
管楽五重奏[フルート、オーボエ、コーラングレ、バスクラリネット、ホルン](1, 3, 7, 9)
ブルーノ・カニーノ(ピアノ、チェンバロ)(16, 17)
レコーディング
1-12:1966年12月、パリ、アルソノール・スタジオ
13:1975年2月28日、ベルトラン・ジェロームとの対話
14:1982年7月17日、アヴィニョン・フェスティヴァル
15:1982年7月17日、アヴィニョン・フェスティヴァル
16:1980年6月30日、ディヴォンヌ・レ・バン・フェスティヴァル
17:1980年6月30日、ディヴォンヌ・レ・バン・フェスティヴァル
ブロンズ・ゴールド・プラチナステージの場合です。
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輸入盤
キャシー・バーベリアン『ビートルズ・アリアズ』
価格(税込) :
¥2,739
会員価格(税込) :
¥2,384
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販売終了
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フィーチャー商品
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販売終了
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販売終了
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販売終了
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輸入盤
L'incoronazione Di Poppea: Harnoncourt / Cmw, Donath, Soderstrom, Berberian,
モンテヴェルディ(1567-1643)
価格(税込) : ¥7,139
会員価格(税込) : ¥6,568
まとめ買い価格(税込) : ¥6,568発売日:1988年05月02日
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輸入盤
L'orfeo: Harnoncourt / Cmw Harnoncourt Berberian Kozma Equilz
モンテヴェルディ(1567-1643)
価格(税込) : ¥3,300
会員価格(税込) : ¥2,871発売日:1993年03月09日
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販売終了
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