HMVインタビュー: Harmonic 313

2009年2月27日 (金)

無題ドキュメント
Harmonic 313

Harmonic 313 インタビュー
Global Communication、Reload、Jedi Knights、Toubleman、Harmonic 33など幾多の名義で先駆的なサウンドを作り続ける、手練のクリエイター、マーク・プリチャードによるニュー・プロジェクト Harmonic 313のフル・アルバムのリリースを記念してインタビュー!

「自分の中のデトロイトテクノとUKベースライン・ミュージックに影響をうけた部分がより強くでているといったとこかな。」


--- Harmonic 313名義として初のアルバム作品となりますね。完成して今のお気持ちはどうですか?    

Harmonic 313  変な感じがするよ。アルバムを制作するのと、リリースするのではギャップがあるからね。でも周りから良い反応を得ているし、ポジティブな気持ちだよ。特に今回は、製作時間も5年という長い期間だったしね。もともと今回のアルバムは、作ろうと計画してできたものではないんだ。オーストラリアに移る前に、向こうで書き貯めておいたもののいくつかの作品がトラックとして集められて出来たものなんだよ。それらをCDやアルバムにしようとは思っていなかったけど、時間が経つと、前はプロダクションやアレンジメントに固執して聴いていた曲がサウンドとしてフレッシュに聴こえたり、改めて好きになったりするものさ。このアルバムはそんな感じで、時の流れと共に自然とできたアルバムなんだよ。

--- 様々な名義で活動されるあなたの中で、Harmonic 313名義としての活動するうえでのコンセプトとは?    

Harmonic 313 普通は、2、3個のトラックを完成させるまでそのプロジェクトのコンセプトは考えないんだ。だから初めの数曲は、どのプロジェクトも似たヴァイブをもっているんだよ。2、3曲を作ってみてから、そのプロジェクトに合うプロダクションスタイル、時代、ジャンル、インスピレーションを考えて、加えていくんだ。このアルバムでは、デトロイトテクノ、デトロイトヒップホップ、UKのエレクトロニカ、あとUKで変化したジャングルとかガレージがメインになっているよ。で、それだけではお決まりの古いスタイルになりがちだったから、自分なりのちょっと異なったテイストとリズム、ビートで仕上げたんだ。あと、初めのハーモニックの作品は50〜60年代のSFっぽさがでていて、もっとイージーリスニングなTVや映画のサウンドっぽかったけど、今回の作品は80〜90年代初めのコンピューターゲームのようなサウンドに仕上がっていると言えるね。

--- 『このアルバムは、過去20年以上にわたるデトロイトテクノとUKベースライン・ミュージックへの直接のリンクを持っているんだ。』という発言があったと思うのですが、その意図はどんなところにあったのでしょうか?    

Harmonic 313 特別な意図はないんだ。そのリンクは自然にできたと言ったほうがいいかもしれないね。さっきも言ったように、最初の2、3曲が決まるまではそのアルバムが持つスタイルは定まらないし、僕はコンセプトを決めたり、リサーチして制作に取り掛かるようなことはしないんだ。僕はDJをしていた時期もあるし、たくさんの種類の音楽を聴いているけど、今回の作品では、自分の中のデトロイトテクノとUKベースライン・ミュージックに影響をうけた部分がより強くでているといったとこかな。最初のトラックをいくつか作った時点でそのプロジェクトの色がでてきて、ちょうどデトロイトのエリア・コードも313だったこともあって、自然とこのアルバムはデトロイトテクノのヴァイブを得たんだ。UKベースライン・ミュージックがでてきたのも自然なことさ。デトロイトテクノに限らず、アメリカで生まれた音楽のいくつかは、UKに入ってきて、UKで育つことがある。イギリスは、その種の音楽の発祥の地ではなくとも、音楽のスタイルを育てるんだ。僕はもちろんイギリスで暮らしていたから、イギリスで改善されたデトロイトテクノも聴いてきている。だからUKベースライン・ミュージックも自然と僕の作品の中に現れて、このアルバムの中に入ってきたんだ。

--- あなたの中で一番印象に残っているのデトロイトテクノ作品は何でしょうか?可能でありましたらその理由もお聞かせください。    

Harmonic 313 うーん、難しいなぁ。多すぎて・・敢えて言うなら、僕が持っているインターフェイスのサンプラーがあるんだけど、その中に入っている4つのトラックのうちの2つが印象に残っているよ。ひとつはMatt Coggerので、もうひとつはAnthony Shakirのトラック。Matt Coggerはイギリス人だから、彼のテクノはちょっとUKっぽいところがるんだけど、そのトラックはデトロイトで作られてレコーディングされたんだ。80年代っぽいサウンドだな。あと、僕は70年代のエレクトロミュージックの作曲家のヤン富田の大ファンなんだけど、Mattのトラックは彼の作品を思い起こさせたんだ。真似とか、似すぎているとかではなくてね。Mattの作品を通じて、富田の作品に辿り着いているような、そんな感じがした。素晴らしい作品だと思ったよ。Anthony Shakirのテクノは、他のお決まりのテクノと違っているから好きなんだ。普通のテクノとビートも違えば、シンセサイザー以外の楽器もちゃんと使われている。他と違うのに、しっかりテクノに聴こえるのも素晴らしい。まるで宇宙から届いたような、未来っぽいテクノだよ。ヒップホップのクランクも含まれてるしね。

--- では、ダブステップなどのUKベースミュージックで一番気になっているアーティストは誰でしょうか?    

Harmonic 313 Digital MystikzのMalaとCoki。それぞれがソロで活動するときも好きだよ。ちなみに二人のレーベルはDMZ。とにかく僕は、音楽的に二人の大ファンなんだ。他の普通のダブはもっと分かりやすさが重視されているし、ハイプを意識して作られているけど、彼らのプロダクションはもっとエッジが効いてて、クラブっぽくて、ヘビーなんだ。彼らはずっとそのプロダクションスタイルを貫いているんだよ。他にダブで気になっているアーティストは・・Skream & Benga。彼らのアレンジは多様で、様々なスタイルをもっている。あとはJoker。彼の音楽には80年代のポップミュージックの要素が入っているよね。アメリカのクランクもヴァイブも入ってる。他と違ってておもしろいよ。あとは・・いすぎてちょっとわかんないな。あ、でも最近気に入ってるトラックならあるな。Silkie(シルキー)の最新トラック、「パープル・ラブ」。去年の10月くらいから今まで聴いたトラックの中で一番だね。オールドスクールなのにモダンで、しかもディープなんだ。まだリリースされてないかもね。

--- 今回の『When Machines Exceed』のジャケ写やトラックリストからCommodore 64(※1)にインスパイアされた作品なのかなという感じもしたのですが….。    

Harmonic 313 トラックの中のひとつにはコモドー64を使用したバージョンも収録されているし、小さい頃からコンピューターゲームにハマっていたから、作品には確かに影響された部分があると思うよ。でもジャケットにこの写真を選んだのはそれが理由ではなくて、この写真が僕のお気に入りだからなんだ。60〜80年代のコンピューターの写真を集めた本を持ってるんだけど、その中でもこの写真は特別なんだ。それ用のデータやゲームをダウンロードするほどコモドー64は好きだし、この写真全体を見ると人の顔にも見える。それにグリーンの瞳って、僕にとっては何故かわからないけど60〜70年代のイメージがあるんだ。個人的にその時代の音楽が大好きだし、その時代にコンピューター音楽の欠点と言われていたものが今ではユニークなサウンドになっていて、僕はそれを今の自分の作品に使用しているしね。そういった全ての面で、この写真は僕にとってパーフェクトだったんだよ。

--- HPではゲームをして音源ファイルをプレゼントする企画がありましたが、あれはあなたのアイディアなんですか?    

Harmonic 313 あれはファーストEPのアートワークをやってくれた僕の友達のアイディアなんだ。彼が思いついて、やってみようということになった。そこからもっと具体的なアイディアを二人で出し合ったんだ。ファーストEP自体が80年代のディズニー映画「トロン」に影響された作品だったから、そこからもヒントを得たし、スピーク&スペルっていうゲームにも注目したよ。シンプルなものにしたかったから。簡単で、皆が楽しめるものを作りたかったんだ。EPのヴァイブにも一致していたしね。皆がEPを知る良い機会にもなるし、楽しみながら僕の音楽に興味を持ってくれればと思って実行したんだよ。。

--- ちなみにゲームはお好きですか?今もプレイしますか?    

Harmonic 313 好きだよ。でも以前ほどではないんだ。自分がどんなにゲーム中毒かに気づいてから、あまりプレイしなくなったんだ(笑)一度始めると、部屋で果てしなくプレイしてしまうんだよ。その時間を使って、僕はゲームで遊ぶんじゃなくて、音楽を作るべきだからね(笑)だからゲームをやろうとする自分自身を抑えるようになったんだ。それから5年くらい、全然買ってないし、ほとんどプレイしてないよ。大好きだからこそ、やっちゃいけないんだ(笑)スタジオに入って音楽づくりに集中しないといけないし、それが僕にとってはゲームをプレイしているようなものさ(笑)

--- 今年WARPは20周年を迎えますね。あなたにとってWARPってどんなレーベルですか?    

Harmonic 313 インディペンデント・レーベルなのに、20年たった今でも前と変わらない強いパワーを持った素晴らしいレーベルだと思うよ。彼らは、音楽の送り出し方がうまいよね。特にエレクトロには波があって、普通の流出の仕方をしていると、人々はすぐエレクトロにウンザリしがちなんだ。だからどうやって世に送るかが問われるんだよ。でもは上手くプロモーションして、しっかりと音楽を送りだすんだ。アートワークも毎回素晴らしいしね。流行に流されることなく、そして世間がその曲を好きか嫌いかに捕らわれることなく、自分たちのスタイルに合う音楽をリリースし続けていると思うよ。そして、インディペンデント・レーベルにありがちな、お金を払わないだとか、契約通りに事を運ばないなんてトラブルがないのも良いところのひとつ。あんなに信用できるインディペンデント・レーベルはあまりないと思うな。

--- 今後の予定、リリースなどありましたら教えてください。Harmonic 313名義でのライブが日本で見られることを心待ちにしています!    

Harmonic 313 来年はからは既に3つのアルバムをリリースすることが決まっているんだ。Africa HitechとReload、Harmonic 313としてね。あとはMalaのレーベルのから12インチを出す予定。Malaとは既にトラックを一緒に制作したんだ。自分が尊敬する素晴らしい3つのレーベル全てから自分の作品をリリースすることができて、本当にラッキーだと思っているよ。

--- ありがとうございました!    

(※1)Commodore 64

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