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HMVインタビュー: Dark Energy (James Pennington)

Monday, February 5th 2007

☆『Collided Energy』発売記念インタビュー!



URの活動がJeff Millsの脱退やヨーロッパのハードコアシーンへの疑問等により断続的になった時、URを支えた存在の一人が彼、James Pennington = Suburban Knight

1994年、「Galaxy 2 Galaxy」のシングル後、姿を潜めていたMad Mikeと共にリリースされ、「アンダーグラウンドのシスターよ、ブラザーよ、強くあれ、アンダーグラウンドに留まれ」と記されたその作品、UR-029「Dark Energy」はURの復活に向けての序章であり、同時に新たなコンセプトの誕生だった。

そして今作『Collided Energy』は、過去<UR>からリリースされてきた作品と、これからその活動で意味を持ってくるであろう新曲と未発表曲をまとめ、改めてJames Penningtonの世界を堪能することができる内容となっている。ブラックパワーの象徴であり、宇宙の起源でもあるというDark Energyの存在を表現したこの作品は<UR>、そして<Submerge>を知るためにも重要な作品。

そんな『Collided Energy』リリースにあわせてDark Energyプロジェクトの中心人物、James Penningtonにお話を伺いました。Dark Energyという名前の由来や、影響を受けた作品等をお聞きしましたのでお楽しみください。

 


Interview with Dark Energy (James Pennington)


"Dark Energy"の名前の由来とそのプロジェクトのコンセプトを教えて下さい。

James Pennington(以下:J): Dark Energyという名は小さな粒子から発せられる生のエナジー、というところに由来する。自由な粒子の集まりが、互いに衝突し合ってある種の熱を生み出すように作り出されるサウンドのエナジー、というのがコンセプトだ。


"Dark Energy"名義と"James Pennington"名義、そしてその他の名義というのはどのように使い分けていらっしゃいますか?

J: 名義の使い分けは、自分の色々なスタイルとプロダクションをはっきりと区別するのに役立っている。実名であるJames Pennington名義で進めている自身のソロプロジェクトと、他のアーティストとのプロジェクトをね。Dark Energy名義は僕にとって制作活動をするときの名前で、The MartianやSuburban Knight名義のときは、自由なスタイルのプロダクションなんだ。




Dark Energy  『Collided Energy』
Disc 1
01.Transportation
02.Magnetic Timetable
03.Infra Red Spectrum
04.Hidden in Plain Site
05.Night Vision
06.Beware the Sun
07.Midnight Sunshine
08.Echo Location
09.Mind of a Panther
10.Dark Flow
11.Grey Clouds

Disc 2
01.Black Stratgy
02.Stargate
03.Aurora
04.The Warning
05.Dark Atmosphere
06.Nocturbulous
07.Undetected
08.Mau Mau
09.Destination Unknown
10.Plenus Tilt




『Collided Energy』の名前の由来、そして今作に込められたメッセージとその思いを教えて下さい。

J: 『Collided Energy』というタイトルを選んだわけは、今回がThe Martianとの共同作業だからだ。それぞれのエネルギーが異なる角度からぶつかり合い、生まれたものを示している。この作品を聞けば、1994年から2004年の10年という期間を光のようなスピードで旅行ができる。今は2007年。これまでにもあったような嫌な記憶や出来事は、未来にも立ちはだかっている。だからこそ、あえてダークな部分に足を踏み入れ、そこから新しいものを発見したいんだ。


今作は過去のクラシックも多数含まれていますが、オリジナルリリースから時が経った今のタイミングでのリリースに何か意味はありますか?

J: 今回の作品は、今後『アーティストシリーズ』として<UR>がリリースしていく第1弾のアルバムで、僕の<UR>での約10年間の軌跡を収めた作品なんだ。もう10年待てばより多様なサウンドを収録できるかもしれないけれど、スパンが長すぎるからね。逆に2〜3年のスパンだとサウンドの幅も限られてくるから、今がベストだと思ったのさ。






<Submerge> 左から 1. B.Calloway 『Is Not Was』 2007年3月9日リリース! / 2. Various 『Follow The Leader: 2』 2007年3月9日リリース! / 3. Galaxy 2 Galaxy 『Galaxy 2 Galaxy』 / 4. Los Hermanos 『On Another Level』 / 5. Various 『Submerge: Live In Japan』  



楽曲制作の際に、どのような事象からインスピレーションを受けますか?

J: 音楽制作の上で本当にインスピレーションを与えてくれたのは、日々の生活の中で出会う音楽仲間たちによる、この世界を胸打つような雰囲気にしてくれるサウンドだ。The God FatherことJuan Atkinsからも、重要なインスピレーションを受けたね。


あなたの音楽的ルーツを教えて下さい。そこからご自身の作品に対してどのようなものが還元されていますか?

J: 僕の音楽的なルーツは、ハイスクール時代に何のレッスンも受けずベースやリードギターをプレイし始め、そして教会で歌うことから始まったんだ。それらが僕の音楽に大きな影響を与えている。他とは異なるサウンドを実現するためのあらゆる音楽的要素を得ることに努力しているよ。そのことをとても重要なことだと思っているんだ。


"自身に影響を与えた3曲"を挙げて頂けますか?各タイトルへのコメントをお願いします。

J: ナンバーワンは<R&S Records>からリリースされたModel 500の「Neptune」だね。これまでに聞いた中で一番フューチャリスティックなトラックだった。2番目にはKraftwerkの「Computer World」だ。この曲は、僕を1980年代初期の世界へと導いてくれる。3番目はURの「Seawolf」かな。これはメタルファンクミュージックの進化の延長にあると言える。



上記で挙げられているタイトル 左から 1. 「Neptune」収録の Model 500 『Sonic Sunset』 (1994年・廃盤) / 2. 「Computer World」収録の Kraftwerk 『Computer World』 (1981年) / 3. Underground Resistance 「Seawolf」 (1992年・廃盤)


永年シーンで活躍されているあなたから見た、現在のエレクトロニックミュージックシーンについてどう思われますか?

J: このシーンは初期に比べるとより大きく、そしてより激しくなっている。だが、大きくはなった一方では、質は損なわれたとも言える。そんな中でも音楽が成長していくのを見るのは幸せだよ、初期のシーンを懐かしいと思こともあるけれどね。


今後の活動予定と、日本のリスナーにメッセージがありましたらお願いします。

J: 僕らが音楽と呼ぶこの音波の領域において、何か違ったものを望んでいる人々への一連の作品をリリースしたいと思っている。僕らとは違った、でも長い歴史ある文化を持っている全ての日本のリスナーへ、僕は協力して独自のサウンドを作って行きたいと思っているよ。


ありがとうございました!



協力:Cisco International




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