ロック歌手スティング、ダウランドを歌う!
2006年8月14日 (月)
英国ロック界の天才ヴォーカリストとして知られるスティング。彼はポリス解散後、ソロとしての最初のアルバムとなったアルバム『ブルー・タートルの夢』(1985年)で、ジャズやクラシックへの接近を見せ、プロコフィエフのオーケストラ作品『キージェ中尉』の中の「ロマンス」をアレンジした『ラシアンズ』という美しいバラードでは、クラシカルなメロディーへの素晴らしい感性、見事な歌唱を聴かせてくれていました。
それが縁になったのか、1988年にはクラウディオ・アバドの指揮するプロコフィエフの『ピーターと狼』でナレーションを担当、以後、多彩な音楽の要素を取り入れた活動を展開してきたスティングですが、『Sacred Love +2』ではボーナス・トラックでシェイクスピアのソネットを朗読したりしていたので、あるいはそれが今回のアルバムの伏線だったのかもしれません。実際、スティングは、「ダウランドの歌は20年以上私の心から離れたことがありませんでした」と述べていました。
しかし、それにしても驚くのがレーベルの選択です。もともとユニバーサルでアルバムを制作していたスティングですから、そのままリリースしても何の問題もなかったわけですが、ここでは敢えて同じユニバーサルに属する世界最大のクラシック・ブランドである「ドイツ・グラモフォン」からアルバムをリリースすることで、クラシック・ファンにも自らの音楽を訴求していこうということなのでしょう。
もちろん、それにはエルヴィス・コステロのクラシック・ナンバーや、アンネ・ゾフィー・フォン・オッターのポピュラー・アルバムが同レーベルからリリースされていたという背景があったにしても、それにしてもこのクラシック・レーベル初となるジョン・ダウランドの本格的なアルバムが、ロック歌手によるユニークなアイデアに溢れるものだったというのはやはり驚くべきことと思われます。
ジョン・ダウランドは17世紀イギリスで活躍した王室リュート奏者。作曲も手がけ、人間の愛や悲しみを歌ったリュート伴奏歌曲は80曲以上が残されています。スティングはダウランドについて、「私にとってそれらは17世紀のポピュラー・ソングであり、自分にも関係があることなのです。それらは美しいメロディーと幻想的な歌詞、そして素晴らしい音楽を持っています。私は常にダウランドの音楽を尊敬してきました」と述べ、「実は彼はシンガー・ソングライターの先駆けで、だから我々の多くが生活できるのは彼のおかげでもあるのです」とも語っています。
スティングはそんなダウランドへの単に音楽だけでない尊敬・共感の気持ちをあらわすためか、このアルバムで、楽曲解説の執筆に加え、ダウランドが国務大臣へ宛てた手紙の朗読までおこなっています。なお、アルバムに収録された楽曲のうち、声楽作品は11曲で、ボスニア出身のエディン・カラマーゾフの爪弾くリュート伴奏に乗って、スティングが気持ちのこもった歌を聴かせています。ここでの彼の歌唱法はふだん通りの歌い方で、その飾らない自然な歌い方が新鮮です。彼の物憂げな歌と郷愁感漂う曲調が見事にマッチし、クラシックの古楽アルバムというよりは、上質のヴォーカル・アルバムといった雰囲気に仕上がっています。
また、5曲収められた器楽ナンバーのうち3曲では、スティング自身がリュートを弾いて、エディン・カラマーゾフとのリュート・デュオを披露しているのも面白いところです。実はスティングは、自分のバックバンドでギタリストを務めるドミニク・ミラーから、数年前にリュートを贈られ、密かに練習を積んできたというのです。成果は上々のようでした。
アルバムは9/27に豪華デジパック仕様で日本先行でリリース!輸入盤は10/16を予定しております。
【アルバム収録予定曲】
1. ウォルシンガム
2. あのひとは言い訳できるのか
3.「公正なる閣下・・・」ロバート・セシル卿への手紙(1595年11月10日ニュルンベルク)
4.流れよ、わが涙 (ラクメリ)
5.あなたは見たのか、輝く百合を
6.「・・・かつてジョンソン氏が亡くなられた折・・・」 ロバート・セシル卿への手紙 (続き)
7.いと高貴で偉大なるデンマーク王クリスチャン4世のガリアード
8.一番低い木にも梢はある
9.「・・・私の望むように・・・」 ロバート・セシル卿への手紙 (続き)
10. ご婦人用の見事な細工物
11. 「・・・そこから私はヘッセン方伯のところへ行きました・・・」 ロバート・セシル卿への手紙 (続き)
12. ファンタジア
13. 来たれ、重い眠り
14. 失われた希望のファンシー
15. 「・・・またそこから私はイタリアをぜひ見たいと思い・・・」 ロバート・セシル卿への手紙(続き)
16. さあ、もう一度
17. つれないあなたは私の心から
18. 「・・・出発したあとで私は・・・」 ロバート・セシル卿への手紙 (続き)
19. もう泣かないで、悲しみ泉よ
20. ウィロピー卿ご帰館
21. 晴れていても曇っていても
22. 「・・・スペインの王様が来年の夏に・・・」 ロバート・セシル卿への手紙(続き)
23. 暗闇に私を住まわせて
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