エッダ・モーザー・ボックス（９ＣＤ）

Wednesday, April 3rd 2013

エッダ・モーザー／エレクトローラ・リサイタル
オペラ・アリア、歌曲集（９ＣＤ）

『魔笛』の夜の女王を当たり役とし、1977年に打ち上げられたボイジャー探査機に積まれたレコード盤にもその歌唱が刻まれていた逸話でも有名なドイツのソプラノ、エッダ・モーザーが、ドイツＥＭＩ（エレクトローラ）にレコーディングしたリサイタル盤やオペラ・アリア集などを集めたボックス・セットの登場。コロラトゥーラからリリック、やがてドラマティックな歌唱もこなした名歌手の美しい歌唱を堪能できる内容です。

【ボイジャー・ゴールデン・レコード】
地球の生命や文化について、地球外の知的生命体に知ってもらおうと企画されたのが探査機ボイジャーに積まれたレコード。そこには各種の地球生命体の画像や音声、言語に加え、文化を象徴するものとして音楽も収められています。
　クラシックでは、エッダ・モーザーの夜の女王のアリアのほか、リヒターのブランデンブルク協奏曲、グールドの平均律、クレンペラーの運命、ストラヴィンスキー自演の春の祭典、グリュミオーの無伴奏、ブダペスト四重奏団のベートーヴェン弦楽四重奏曲第13番からの一部が収録されていました。

【エッダ・モーザー】
1941年10月27日、音楽学者ハンス・ヨアヒム・モーザーを父としてベルリンに生まれたエッダ・モーザーは、ベルリン高等音楽院で、ゲルティ・ケーニヒ、ヘルマン・ヴァイセンボルンに声楽を師事、1962年にベルリン・ドイツ・オペラで『蝶々夫人』のケイト・ピンカートン役でデビューしています。
　その後ドイツ各地で歌っていましたが、1967年、ブラウンシュヴァイク歌劇場に出演していた際、ハンス・ヴェルナー・ヘンツェに才能を認められ、ロンドンでのコンサートに起用され、翌年には、カラヤン指揮するザルツブルク復活祭音楽祭の『ラインの黄金』にヴェルグンデ役で出演、同じ役でメトロポリタン歌劇場からも声がかかり、1970年には同じくメトで『魔笛』の夜の女王役を歌って大成功を収めることとなります。
　翌１９７１年にはウィーン国立歌劇場のメンバーとなり、以後、各地の主要歌劇場に客演、平行してリート歌手としても活躍し、1977年には日本を訪れてもいました。（ＨＭＶ）

【収録情報】
Disc1【R.シュトラウス：ブレターノ歌曲集、プフィッツナー：6つの歌】
リヒャルト・シュトラウス：『クレメンス・ブレターノの詩による6つの歌曲』 op.68
・第1曲：夜に
・第2曲：花束を編みたかった
・第3曲：女たちの歌
・第4曲：あなたの愛が私の心に響く時
・第5曲：囁け、愛らしいミルテよ
・第6曲：愛の神

プフィッツナー：
・『4つの歌』 op.15より第3曲「マルクに寄す」
・『5つの歌』 op.11より第4曲「母なるヴィーナス」
・『7つの歌』 op.2より第7曲「裏切り」
・『4つの歌』 op.24より第1曲「菩提樹の下で」
・『5つの歌』 op.11より第1曲「私とお前」
・『4つの歌』 op.15より第4曲「昔語り」

　エッダ・モーザー（ソプラノ）
　エリック・ヴェルバ（ピアノ）

　録音時期：1972年4月7-11日
　録音場所：ベルリン、ツェーレンドルフ、ゲマインデハウス
　録音方式：ステレオ（アナログ／セッション）

Disc2【シューマン、ヴォルフ、ブラームスの歌曲より】
シューマン：『女の愛と生涯』 op.42
・第1曲「あの人に会ってから」
・第2曲「誰よりも素晴らしい彼」
・第3曲「私には分からない」
・第4曲「指に付けた指環よ」
・第5曲「友よ、手を貸して」
・第6曲「優しい友よ、君の眼差しは」
・第7曲「私の心に、私の胸に」
・第8曲「今あなたは最初の悲しみを私に与えた」

ヴォルフ：『ミニョンの歌』（ゲーテ詩）
・ミニョン1
・ミニョン2
・ミニョン3
・ミニョン「君よ知るや南の国」

ブラームス：
・『G.F.ダウマーによる歌』 op.57より第3曲「私は夢を見た」
・『4つの歌』 op.46より第2曲「五月の夜」
・『5つの歌』 op.106より第1曲「セレナード」
・『4つの歌』 op.43より第1曲「永遠の愛について」

　エッダ・モーザー（ソプラノ）
　エリック・ヴェルバ（ピアノ）

　録音時期：1975年7月16-19日
　録音場所：ベルリン、ツェーレンドルフ、ゲマインデハウス
　録音方式：ステレオ（アナログ／セッション）

Disc3【R.シュトラウス、ブラームス歌曲集】
リヒャルト・シュトラウス：
・『8つの歌』 op.10より第3曲「夜」
・『4つの歌』 op.27〜第1曲「憩え、わが魂」
・『4つの歌』 op.27〜第2曲「チェチーリエ」
・『4つの歌』 op.27〜第3曲「密やかな誘い」
・『4つの歌』 op.27〜第4曲「明日の朝」
・『6つの歌』 op.56より第5曲「春の祭り」
・『3つの歌』 op.29より第2曲「ときめく心」
・『6つの歌』 op.37より第4曲「私の眼」

ブラームス：
・『5つの詩』 op.19より第5曲「エオルス・ハープに寄せて」
・『5つの詩』 op.19より第4曲「鍛冶屋」
・『5つの歌』 op.71より第3曲「秘め事」
・『6つの歌』 op.3より第1曲「愛の誠」
・『5つの歌』 op.49より第1曲「日曜日の朝に」
・『プラーテンとダウマーによる歌』 op.32より第2曲「もうお前の所には行かない」
・『ダウマーによる歌』 op.57より第2曲「お前が微笑みさえするば」
・『49のドイツ民謡集』第4集より「どうやって門から入ろう」
・『ロマンスと歌』 op.84より第4曲「甲斐なきセレナード」

　エッダ・モーザー（ソプラノ）
　クリストフ・エッシェンバッハ（ピアノ）

　録音時期：1982年6月28-30日
　録音場所：ベルリン、ツェーレンドルフ、ゲマインデハウス
　録音方式：ステレオ（デジタル／セッション）

Disc4【シューベルト歌曲集】
シューベルト：
・乙女の嘆き（第2作） op.58-3, D.191b
・シラーの一節「ギリシアの神々」 D.677
・ケレスの嘆き D.323
・若い尼僧 op.43-1, D.828
・夕映えの中で D.799
・夜と夢 op.43-2, D. 827
・デルフィーヌ op.124-1, D.857
・天の火花 D.651
・光と愛 D.652
・夜のベルタの歌 D.653

　エッダ・モーザー（ソプラノ）
　ペーター・シュライアー（テノール：D.652のみ）
　レナード・ホカンソン（ピアノ）

　録音時期：1983年3月15,16,18日
　録音場所：ドレスデン、ルカ教会
　録音方式：ステレオ（デジタル／セッション）

Disc5【シューマン歌曲集】
シューマン：『スペイン歌曲集』 op.74
1.　最初の出会い
2.　間奏曲
3.　愛の痛み
4.　夜に
5.　裏切られた
6.　憂鬱
7.　告白
8.　便り
9.　私は愛されて
10.　 密貿易者

シューマン：『スペインの恋の歌』 op.138
11.　前奏曲
12.　心の底深く苦しみを抱き
13.　おお、何と愛らしい乙女
14.　二重唱「私を花で覆って」
15.　ロマンス「豊かなエブロ川の流れに」
16.　間奏曲（民族舞曲）
17.　ああ、何と腹立たしい乙女
18.　高い山
19.　二重唱「乙女は青い眼をしている」
20.　四重唱「盲いた目の輝き」

シューマン：『ロマンスとバラード』第4集 op.64より「悲劇」
21.　私と一緒に逃げて
22.　春の夜の霜が降りて
23.　彼女お墓の上に

　エッダ・モーザー（ソプラノ：1,3,4,5,6,8,9-12,14,20）
　ハンナ・シュヴァルツ（アルト：1,3,5,8,9-14,18,20-22,23）
　ニコライ・ゲッダ（テノール：2,4,5,7,9-13,17,19,20-21,23）
　ヴァルター・ベリー（バス：2,5,9,10-15,19,20）
　エリック・ヴェルバ（ピアノ）

　録音時期：1976年8月5,7-10日、1977年7月
　録音場所：ベルリン、ツェーレンドルフ・スタジオ＆ザルツブルク
　録音方式：ステレオ（アナログ／セッション）

Disc6【シューマン歌曲集】
シューマン：リュッケルトの「春の歌」からの12の詩 op.37
1.　天は一滴の涙を落し
2.　彼はやって来た
3.　殿方よ
4.　美しきものを愛するなら
5.　私は春の息吹を吸い込む
6.　恋人よ、どうして別れられよう
7.　春の祭りの美しさ
8.　翼よ翼よ、飛ぶために
9.　薔薇と海と太陽
10.　おお太陽よ、海よ、薔薇よ
11.　なぜ他人に尋ねるのか
12.　太陽の輝くように

シューマン：『恋の調べ』 op.101
13.　恋の調べは静かに潜んでいる
14.　恋人よ、あなたの言葉は誘拐する
15.　二重唱「私はお前の木」
16.　私の美しい星
17.　四重唱「春の祭りは美しい」
18.　おお友よ、私の守り
19.　二重唱「千回も挨拶をあなたに贈る」
20.　四重唱「太陽の輝くように」

　エッダ・モーザー（ソプラノ：2,3,4,6,7,11,12-14,17,19,20）
　ハンナ・シュヴァルツ（アルト：15,17,18,20）
　ニコライ・ゲッダ（テノール：1,5,6,7,8,9,10,12-13,16,17,19,20）
　ヴァルター・ベリー（バス：15,17,20）
　エリック・ヴェルバ（ピアノ）

　録音時期：1976年8月5,7-10日、1977年7月
　録音場所：ベルリン、ツェーレンドルフ・スタジオ＆ザルツブルク
　録音方式：ステレオ（アナログ／セッション）

Disc7【オペラ・リサイタル】
1.　ワーグナー：歌劇『タンホイザー』第2幕より歌の殿堂のアリア「厳かなこの広間よ、再び挨拶を送る」
2.　ヴェーバー：歌劇『オベロン』第2幕よりレツィアのアリア「海よ、巨大な怪物よ」
3.　R.シュトラウス：歌劇『ナクソス島のアリアドネ』よりアリアドネのアリア「すべてのものが清らかである国がある」
4.　ベートーヴェン：歌劇『フィデリオ』第1幕よりレオノーレのアリア「悪者よ！　どこへ急ぐ？」
5.　グルック：歌劇『アルセスト』第2幕よりアルセストのアリア「ああ地獄の神々よ」
6.　ヘンデル：歌劇『リナルド』第2幕よりアルミーダのアリア「ああ！　残忍な男」
7.　グルック：歌劇『トーリードのイフィジェニー』第4幕第1場より場面「いいえ、この恐ろしい義務を果たす事はできません」−イフィジェニーのアリア「情け容赦のない女神よ！」
8.　モーツァルト：歌劇『皇帝ティートの慈悲』第2幕より管弦楽付きレチタティーヴォ「さあ、いよいよ、ヴィテッリア」−ロンド「今はもう、花で美しい愛の鎖を」

　エッダ・モーザー（ソプラノ）
　ユルゲン・ムッサー（バセット・ホルン：8）
　ミュンヘン放送管弦楽団
　ペーター・シュナイダー（指揮）

　録音時期：1985年6月11-15日、9月14日
　録音場所：ミュンヘン、バイエルン放送スタジオ
　録音方式：ステレオ（デジタル／セッション）

Disc8【モーツァルト・アリア集】
歌劇『魔笛』より夜の女王のアリア
1.　第2幕第3場「地獄の復讐がこの胸にたぎる」
2.　第1幕第1場「慄えないで、私のかわいい息子よ」

歌劇『後宮からの誘拐』よりコンスタンツェのアリア
3.　第2幕「ありとあらゆる拷問がわたくしを待っているとしても」

歌劇『ドン・ジョヴァンニ』よりドンナ・アンナのアリア
4.　第2幕第23曲：レチタティーヴォ・アッコンパニャートとロンド「酷いですって?」−ロンド「おっしゃらないで、あたくしの素晴らしい憧れのお方」

歌劇『イドメネオ』よりエレットラのアリア
5.　第1幕第6場　アリア「心の中に感じる」
6.　第2幕第4場　アリア「愛しい方、もし他の女性が」
7.　第3幕第10場　レチタティーヴォ「心が乱れる!怒りがこみ上げる!」−アリア「オレステとアイアスの」

歌劇『皇帝ティートの慈悲』よりヴィテリアのアリア
8.　管弦楽付きレチタティーヴォ「さあ、いよいよ、ヴィテッリア」−ロンド「今はもう、花で美しい愛の鎖を作りに」

9.　コンサート・アリア：レチタティーヴォ「テッサリアの人々よ」−アリア「永遠なる神よ、われは求めず」K.316
10.　コンサート・アリア：レチタティーヴォ「しかし星に何をしたら」−アリア「岸辺に近く待ち望む」K.368
11.　ミサ曲ハ長調 K.317『戴冠式ミサ』より第14曲「アニュス・デイ」
12. 　証聖者の荘厳な晩祷（ヴェスペレ） K.339より「ラウダーテ・ドミヌム」

　エッダ・モーザー（ソプラノ）
　ユリア・ハマリ（アルト：11）
　ニコライ・ゲッダ（テノール：11）)
　ディートリヒ・フィッシャ＝ディースカウ（バリトン：11）
　ユルゲン・ムッサー（バセット・ホルン：8）
　ヴォルフガング・サヴァリッシュ指揮、バイエルン国立歌劇場管弦楽団（1,2）
　レオポルド・ハーガー指揮、バイエルン国立歌劇場管弦楽団（3,4,9,10）
　ハンス・シュミット＝イッセルシュテット指揮、シュターツカペレ・ドレスデン（5,6,7）
　ペーター・シュナイダー指揮、ミュンヘン放送管弦楽団（8）
　オイゲン・ヨッフム指揮、バイエルン放送交響楽団＆合唱団（11,12）)

Disc9【エッダ・モーザー　インタビュー（ドイツ語）】
　出演：エッダ・モーザー（聞き手：ホルガー・ヴェンホーフ）
　全19トラック
　録音：2006年5月7日、ハンブルク