「クンビアって何？」講師：ROJO REGALO

2013年3月29日 (金)

クンビア...かのジョー・ストラマーも愛した、中南米産のトラディショナルな大衆音楽が数年前から俄かに注目を集めている。レゲエとも通じるところのあるスチャポコした２拍子の民衆のリズムは何ともゴキゲンで、何とも中毒性が高い。世界中のDJ、辺境ミュージックラバーが目を血走らせてディグしているのも納得だ。
近年、欧米のクラブシーンと接近したデジタル・クンビアの流れ、スペイン・バルセロナを中心としたレベル・スタンスのバンドサウンドとのミックスなど、様々に派生しているクンビアって一体何だ？ [クンビア x レベル x 昭和 x 大阪] 日本が誇る“クンビア忍者”ことROJO REGALO にオススメのクンビア盤を紹介して頂いた。
何はともあれ、まずは彼らの新作『FOUND LOVE』からどうぞ。

『FOUND LOVE』 ROJO REGALO　[2013年4月3日発売]

ザ・クラッシュのジョー・ストラマーもこよなく愛した、南米コロンビアを発祥とする、ご機嫌で陽気なリズミカルなダンス・ミュージック"クンビア"と、日本の大阪という町のグルーヴがクロスオーバーし昇華...更には昭和歌謡的なエッセンスを纏って放たれる、愛が込められたメッセージは現代の耳と身体を震わす、本物のレベル・ミュージックを放つバンド、クンビア忍者こと"ROJO REGALO"のファースト・アルバムだっ！

【先着特典】特製トートバッグ

※こちらの特典は店舗ではお付けしておりません。

『FOUND LOVE』収録楽曲

01. Alegria
02. Bambi
03. Dance Floor
04. Fuego
05. Izumi
06. Koi
07. Live Up
08. Power
09. Sniper J
10. Solitario
11. Travel

■ROJO REGALO (ロホ・レガロ)■

2006年、大阪にてPICO中島(AKA. COPA SALVO)が中心となり結成。パンクやレゲエの持つレヴェルミュージックとしての精神性、昭和歌謡の哀愁、そして大阪人特有のユーモアセンス…それらがクンビアを中心に、アフロキューバン・ミュージックやラテン・ミュージックと奇跡的融合を果たした音楽、それがROJO REGALOである。バンドの生き様の原動力となる真の愛の力と反社会的メッセージをのせた「大阪南米フューチャー・ミクスチャー・ダンス&レベル・ミュージック」を発信させる。革命的な楽曲に女性ヴォーカル、荻野恭子の太くパワフルでかつ哀愁のある歌声。今、もっとも日本に足りていない音楽の一つである。活動は海外へも積極的に出向き昨年 EU ツアーをこなすなど世界標準な音を発信させている。

ROJO REGALO オフィシャルサイト : http://www.rojoregalo.com/

「クンビア10選」 ROJO REGALO

CELSO PINA 「20 Grandes Exitos」

メキシコ人でコロンビアの伝統音楽クンビア、バジェナートを演奏する大御所セルソ・ピーニャ。アコーディオンの反逆児という異名ももつ。個人的にトラディショナルなものはタンスにしまいがちな私ですが、CYPRESS HILLやBACILOS、EL GRAN SILENCIO、CAFE TACUBAと強力なミュージシャンが参加していて新しいものと古いものとがミックスしたいつの時代でも聞ける素晴らしいベスト盤となっています。近年クンビアはいろんななジャンルが出現していますが、ど真ん中を聴くならこの一枚がベスト！です。（pico推薦）

Kumbia Queers 「Kumbia Nena」

メキシコのガールズクンビアバンド。ガールズバンドとあなどることなかれ。パンク出身の彼女達、かなりパンチ効いてます。名付けてパンクロックンビア♪ジャンルの枠をはみ出すスタイルが現代のクンビアなのですっ！２００８年にリリースされたこのアルバムは、２０１２年にリリースされた「Pecados Tropicales」に比べやや荒削りの感。いいんです、パンクですから。もちろんガールズのキュートさも?地元ではティーンに大人気とか。ファーストインパクトと生々しさをご堪能あれ。（kyoko推薦）

Very Be Careful 「Escape Room」

度々来日ツアーも行っている、その名の通り要注意！な大人の不良クンビアバンド。酒場＆ストリート感溢れる情熱的で力強い歌声＆演奏は、クンビアが大衆音楽であることを十二分に感じさせてくれます。ライブ好きには一押し！楽曲自体はシンプルでとても聴きやすいのにパワフル！どのアルバムもいいけど、このアルバムはジャケットが３Ｄになっていて、しかも３Ｄメガネ付き♪なんで、あえて選ぶならこれで☆（kyoko推薦）

El Remolon 「Pibe Cosmo」

昨今のクラブシーンでの世界的クンビアブームに貢献した１枚。レーベルは泣く子も黙るZZK Records。 ZZK Recordsは必チェックなレーベルですが、ここでは説明しませんので、皆さんご自分でお調べくださいませ。でこの作品、デジタルクンビアってやつです。これがクンビアなの？って思っちゃうけど、正真正銘クンビアなのです。El Remolon特有のユニセックスな仕上がり＆クンビア独特のテンポがデジタル化されたことによって、おっ洒落～なラウンジのムードが味わえます。（kyoko推薦）

「Roots Of Chicha: Psychedelic Cumbias From Peru」

とにかくお気に入りの一枚！チーチャを聴いていると子供の頃の日曜日、お昼間に父親がテレビで三流ウエスタン映画を見ていたのを思い出しほんわかしてしまいます。お洒落なうえにダンディでかつエロチズムなテロテロクンビア。説明はHMVのコメントをドーゾ。（pico推薦）

Bareto 「Cumbia」

こちらもペルーのチーチャ系クンビア。オールド感たっぷりなんですが現役バンドです。ホアキン・マリアテギのギターが哀愁たっぷりにもかかわらずサイケデリックでファファと何処までも上げてくれます。ホーンセクションも心地よくスカにも通じるとこもありジャマイカン・ミュージック好きな方にもお勧め。伝承し育ち続けるクンビアぺルアーノ！（pico推薦）

El Gran Silencio 「Super Riddim Internacional Vol.1」

ニュー・バジェナートと言えるだろう。ライヴが強烈にパワフルなメキシコのバンド。早口爆裂ラップにデスト―ションMAXなギター、そこにキューバンなトランペットとアコーディオンが乗っかり、打ち込みでかき回す。クレイジーの一言である。ハチャメチャなイメージだが彼らの心の中にはメキシコへの愛国心が強く感じ取れるのである。踊れる、叫べる、モッシュれる！気分は裸ですね。とにかくライヴが凄い！（pico推薦）

Los Pibes Chorros 「Discografia Completa」

これは2タイトルがセットで販売しているのですね？アルゼンチンの人気クンビアバンド。特にカワイ子ちゃんに人気。ライヴ会場はまるでサッカー会場のように熱狂に包まれて凄まじい盛り上がりです。ヴォーカル&ショルダーキーボード、デジタル・パットでギロ&ドラム、ブエノスアイレスの貧民街から生まれた独特の”間”のリズムはダブダブのズボンを腰履きしたようにひっこずっている。レヴェル100％な歌詞はクンビアと言うよりもパンク・ロックに近い。彼らが地べたから創り出した独自の世界が伺える。本物のクンビア・ビジェーラをお聴きください。（pico推薦）

Armando Hernandez 「El Mejor Interprete Tropical」

コロンビアのトップヴォーカリストアルマンド・エルナンデス。1989年のベスト盤です。ラヴソング中心の古き良き時代のクンビア。バンドもご機嫌な演奏で電子楽器はまったく使っていません。夏に遠方へ遊びに行くときに車中で聴くのに持ってこいの一枚。2012年に発売されたコロンビア伝説のミュージシャン達が集まりレコーディングされた「Ondatropica」にもアルマンド・エルナンデスは参加している。こちらもお勧めです。（pico推薦）

Lila Downs 「Lila Downs Y La Misteriosa En Paris: Live A Fip」

クンビアアーティストでは無いのですが紹介しない訳にはいかない人です。メキシコはオアハカ州生まれ。8歳の頃から歌を歌い始めメキシコの先住民族の音楽を中心に活動し、特に女性達の暮らしを歌にしていることが多い。メキシコ人とアメリカ人との間に生まれた彼女は両国を行ったり来たりの生活をしているうちにアメリカとメキシコの良いところ悪いところを真正面に見つめ唄いあげている。圧倒的な歌唱力にチャーミングな笑顔、芯の通った精神、彼女の歌は万人に勇気と喜びを与えてくれる。私の大好きなシンガーです。聴いたことのない方は是非に聴いて欲しいアーティストです。個人的なことですが、ROJO REGALOでの作曲時に大変影響を受けています。（pico, kyoko推薦）