奔放なる才・菊地雅晃が新作を解説
2012年12月26日 (水)
天才・菊地雅晃が送る新感覚サイケ・フュージョン!?
アーバン×サイケ=世田谷アンダーグラウンド
日本を代表するジャズピアニスト、プーさんこと菊地雅章の甥でありながらその先鋭的すぎる感覚故にあまりジャズ・シーンではその名を知られていない(逆に一部では熱狂的なマニアの多い)孤高の天才ベーシスト・菊地雅晃の新作は、彼が長年にこだわり続けている世田谷〜田園都市のアーバン&サバービアンな空気を閉じ込めた極上のサイケデリック・フュージョン!
ドラムとフルート、ウッド・ベースの生音が、シンセサイザーの電子音と共にときには融けあい、ときには絡まりあいながら懐かしくも新しい不思議な音世界を構築していく・・・ 松村拓海、坪口昌恭、藤井信雄といった実力派ジャズ・ミュージシャンが参加したモダンジャズとサイケ・フュージョンの隙間を縫う意欲作!
現実からの軽やかな飛翔感。過去にも未来にも無い幻想のアーバンサイケ・ミュージック。これぞテン年代の世田谷アンダーグラウンド!
『On Forgotten Potency』 収録曲
- 01. Potency
- 02. Aqualine
- 03. Conjecture
- 04. Fluctuation
- 05. Estol
- 06. Chan's Song
菊地雅晃 (b) / 松村拓海 (fl) / 坪口昌恭 (syn) / 藤井信雄 (ds)
オンライン特典はレア音源を収録したCD-R!
レーベルサイトのみで1ヶ月限定でリリースされた美人レコード5周年記念コンピに収録の打ち込みソロ音源「Coincidence(・・・whole doesn't exist but detail exists…)」を収録。*HMV店舗でのお買い上げは対象外となります。何卒ご了承ください。
*数に限りがございますので、お求めはお早めにどうぞ!
菊地雅晃による
『On Forgotten Potency』 楽曲解説
M-1 「Potency」
レイト70s〜アーリー80sのレトロな空気感とコンテンポラリーな雰囲気の融合を目指した。80年代初頭にサンフランシスコあたりのクラブレストランでセンスの良い生バンドがやっていそうな音楽にダブを施し、軽くサイケ感を出している。ディレイは様々なタイムでかけているけど、メインはダブやクラブミュージックでお馴染みの付点八分音符のタイム。フルートにはフィルターもかけた。リードシンセは僕所有のコルグMS-20。パッドは坪口さん所有のプロフェット08。あと、エレピはレイト70s〜アーリー80sのAORやフュージョンではド定番のフェイザーを緩くかけたローズ(ウェザー・リポートやスティーリー・ダン、井上鑑などでこのサウンドは聴ける。特にレイト70sとかライブのウェザー)、ドラムのサウンド作りもコダワってスネアはチューニング低め、バスドラはチューニング高めの締め気味にして、80s的な音作り。
冒頭は一瞬変拍子かなと思わせるけど、実はけっこう簡単なリズム。コード進行はシンプルながらも効果的なものを目指した。夜中にサバービアンなところをボーッとドライブしながら聴くことを念頭に置いた。坪口さんのクールかつアーバンでいてプチアヴァンギャルド(笑)なプレイによるMS-20がいい味を出している。あとこの曲は自分的にすごくいいベースプレイができたので満足している。
M-2 「Aqualine1987」
このディレイタイムでディレイを生演奏にかける場合は元々の演奏のタイム感が正確なほうが効果的なので、タイム感が正確な松村君と坪口さんにはまさにうってつけ。これは他の曲にも言える。題名の「アクアライン」は東京湾を貫く高速道路で、周囲は海だけ。天気のいい日とかに走ると白昼夢のような気分を味わえる。アクアラインは1987年にはまだ全然無かったけれど、この道路の雰囲気はバブリーな80年代を思い起こさせるので、架空の道路として題名をつけた。この曲は最初はもっと軽快なアレンジだったんだけど、やっているうちに段々こうなってしまって、このアレンジだと物哀しい高速道路になってしまっている(笑)。まあでもアーバン&サバービアンAORサイケとでもいいましょうか。ツリーベルも懐かしい感じ(笑)。
M-3 「Conjecture」
全メンバーとも弾くのがとても大変で難しいテーマだが、全員がこの大変なテーマを弾いた後、解放されるがごとく全く「縛り」のないインプロに突入する。その、「テンションの解放」後のインプロの飛翔を狙い、難しくしてみた。曲後半のベースソロは、リアルタイムでディレイやワウをかけたりもしている。
M-4 「Fluctuation」
本来こういう曲を4ビートでやる場合はピアノが適当なところだろうけども、そこはヒネクレ者の僕なので(笑)、ここではあえてアナログポリシンンセを使用して初期80sな感じ&不思議な感じにしてみた。フルートとポリシンセにはアンビエンス調整的なショートディレイをかけた。
M-5 「Estol」
フルートの松村くんにはディストーションもかけてもらった。坪口さん(オルガン)はリアルタイムでカオスパッドもいじりつつソロを弾いている。古いオルガンのためノイズもたまらない感じ(笑)。ポストプロダクションはほとんどナシの一発録り。
M-6 「Chan's song」
例のごとくベース以外に若干の、あるいは大胆にダブ処理を施し、サイケ感演出!ヴォコーダーには様々なタイムのディレイをかけているけれど、後半出てくる付点八分音符のディレイをかけてシーケンス感を出してる曲というのは今回のこの作品が初めてかもしれない。少なくとも僕は他にそういうのは知らない。後半ベースソロのバックでドラムにのハイハットにかけている付点八分音符のディレイが効果を発揮して、まるで他のパーカッションが入ってるように聴こえる。
メンバーのプロフィール
菊地雅晃 (b)
1968年東京都生まれ。幼少の頃からピアノ、ギター、チェロに親しみ、高校卒業後は音楽学校メーザー・ハウスに入学し、井野信義に師事。卒業後の1990年、ニューヨークに渡りゲイリー・ピーコックに師事。帰国後は、ライフワークであるソロ活動と並行して、打ち込みのハウス、テクノ、エレクトロニクス×エフェクト×ウッドベースによるノイズ、アシッドサイケなど様々な音楽活動を行なっている。自己グループ/プロジェクトに、シャトル・ループ、キクチ・アート・カルテット、飛頭、菊地雅晃
2Bass Quartetなど。叔父である菊地雅章によるスラッシュ・トリオ、坪口昌恭トリオ、菊地成孔クインテット・ライヴ・ダブ、レスト・オブ・ライフなどに参加する他、大友良英、吉田達也、DJ
Cam、ダブソニック、エリオットシャープ、佐野史郎、島田雅彦、小沢健二、ジョニー吉長、相川七瀬、織田哲郎、ケン・イシイ、ISHIMITSU
Producsionなどとの共演歴がある。父は作曲家の菊地雅春。
坪口昌恭 (syn)
1964年12月3日福井県生まれ・大阪育ち。ジャズとエレクトロニクス、牧歌性と都会性、アバンギャルドとオーソドックス、冷静かつ大胆といった相反する要素を兼ね備え、希有のバランス(アンビバレンス)感覚を持ち味として、様々なライブやレコーディングに携わっている。90年代はジャズロック・バンド=坪口昌恭プロジェクトを率いて2枚のアルバムを発表。菊地成孔との共演歴は20年を越え、自身が主催する東京ザヴィヌルバッハほか、DCPRG、菊地成孔ダブ・セクステット、菊地成孔クインテット・ライブ・ダブで活躍。 2008年、若手を集め、坪口昌恭カルテットの活動を開始。よりメインストリームなサウンド指向で原点回帰しつつ新境地を目指す。2009年より、ピアノ・ソロや小編成でのセッションが活性化。ジャズ・ピアニストとしての多彩な魅力をアピール。先鋭的な音楽活動の一方で、バリー・ハリス(p)直伝によるビ・バップ・セオリーを受け継ぎ、尚美学園大学/同大学院にて後進の指導にあたっている。
松村拓海 (fl)
1982年2月16日生まれ。9歳からフルートを始めたものの一度挫折。高校に入学しフルートを再開。ギターも独学で弾き始める。ジェレミー・ステイグのフルートを聴き、自由な音楽世界に引き込まれジャズに興味を持つようになる。ジャズやボサノヴァを佐藤まどか氏に師事。高校卒業後、国立音楽院ジャズミュージシャン科に入学。ギターを吉田光彦、フルートを若土祥子、ジャズを永谷文吾、各氏にそれぞれ師事。在学3年目からテナーサックスを独学で吹き始める。卒業後、都内近郊を中心に演奏や指導等、積極的に活動している。
藤井信雄 (ds)
1952年3月18日北海道上川郡剣渕町生まれ。ドラマー。パーカッション奏者。72年早稲田大学在学中に大友義雄(as)グループで活動開始。その後、高橋知己(ts)、坂田明(as)、渋谷毅(p)、橋本一子(p)、林栄一(as)MAZURU、早川岳晴(b)などのグループ、また菊地成孔(sax)率いるデートコース・ペンタゴン・ロイヤルガーデン(DCPRG)、東京ザヴィヌルバッハに参加。近年は、加藤崇之(g)、清水くるみ(p)との共演、江藤直子、大津真らとのジュリエッタ・マシーンでのライブ活動も行なっている。ジャズに限らず、他のジャンルでの活動においても独自の「サウンド」と「スタイル」を志向し、スピードと高い音楽の「質」を併せ持つトップドラマー。
ライヴ・スケジュール
『On Forgotten Potency』とはまた一味違った魅力を持つ 菊地雅晃のリーダーユニット=TTTAT(Travel Through Time And Texture)! アコースティックとエレクトロニクス、4ビートと4つ打ちが交錯する異次元のサウンド!!
2013年1月29日(火)
「Kotokoの部屋 presents Posi-Bar」
@CoZmo's Cafe (渋谷)
《その他出演者》 藤原大輔QHC02(Quartz head council 02) / DJ Nori
2013年2月9日(土)
「tactile sounds」
@綜合藝術茶房 喫茶茶会記 (四谷)
《出演》 橋爪亮督 / 菊地雅晃 / 服部正嗣
2013年3月2日(土)
「まちゃあき先生の現代音楽講座+菊地雅晃2BASS QUARTET」
@荻窪ベルベットサン
《出演》 菊地雅晃 2Bass Quartet
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