ジャズ・サンバのパイオニアとして多くの功績を残した名門タンバ・トリオ関連作最後の砦、ついに登場。熱心なボサノヴァ・ファンの間でもCD化が熱望されていたこの1枚は、ボサノヴァのカルト・シンガー／作曲家／ギタリストのジョアン・メロが全編でタンバを従えて作り上げた1963年オリジナル作。かのジョアン・ドナート名曲「サンボウ・サンボウ」の共作者でもあるジョアン・メロ。その高い作曲センスを誇る彼の自作から、チト・マヂ、オルランヂーヴォ、シコ・フェイトーザなどの躍動的なレパートリーを、軽快な歌とタンバのジャジーなアンサンブルが彩る。ボサノヴァから派生したダンス音楽「バランソ」の礎としても意義深い傑作！

USヴァーヴ盤「バーハ・リンパ」のヒットでも知られる稀代のボサノヴァ・アーティスト：ルイス・エンリキが、ブラジル時代にレコーディングした1964年の記念すべきデビュー・アルバム。ドン・サルヴァドール（ピアノ）、エヂソン・マシャード（ドラムス）などジャズ・サンバの巧手も加わったスタイリッシュでスリリングな展開をバックに、ソフトなヴォイスで歌い綴るルイス・エンリキ。デビュー作とは思えない存在感は、同時期のマルコス・ヴァーリに匹敵。まさにジェントル・ボサノヴァの金字塔。ジョアン・ドナートの名曲「サンボウ・サンボウ」、そしてワンダ・サーの歌で知られる「ヴァガメンチ」など収録曲も素晴らしい！

1950年代から第一線で活躍する本格派女性シンガー、ネイヂ・フラーガと、世紀のボサノヴァ・オルガン奏者ワルター・ワンダレー率いるコンボが共演を果たした1964年オリジナルの傑作アルバム。古くからのネイヂのレパートリーであったブラジル歌謡から、ゼ・ケチなどルーツ・サンバ楽曲、そしてホベルト・メネスカル、ジョアン・ドナートなどボサノヴァで花開いた作曲家までを快唱。凛とした大人の女性らしい情感を込めた歌いまわしのネイヂ。その陰と陽それぞれの魅力をワルターの洒脱なアレンジによって引き出されている。当時の女性歌手ボサノヴァ作品としても高い完成度を誇る名盤！

セルジオ・メンデス夫人で、ボサ・リオ、ブラジル77でも活躍し大成する女性歌手グラシーニャ・レポラーセ。彼女がキャリア初期に参加した「グルーポ・マニフェスト」の解散を経て、1968年にリリースした初のソロ・アルバム。聞くものを魅了する艶やかな美声と天性の歌いまわしが、オスカル・カストロ・ネヴィスのアレンジで見事に開花。グルーポ・マニフェスト時代の朋友から、エドゥ・ロボ、ドリ・カイーミなど後にＭＰＢシーンを牽引する若き作曲家陣、そしてカルロス・リラ、トム・ジョビンのボサノヴァ作品まで、レンジの広いレパートリーはいずれも味わい深い。オリジナル・アナログを忠実に再現した紙ジャケット仕様。

1960年代後期のブラジル歌謡祭「フェスチヴァル」で頭角を現した絶世の美人女性シンガー：マリリア・メダーリヤ。トッキーニョ＆ヴィニシウス・ヂ・モラエスとの共演で知られるが、本作はキャリア初期1968年オリジナルのセカンド・アルバム。若くして異彩を放つ魔性の魅力を湛えた中世的なヴォイシングと、トロピカリアにも通じる気鋭のアレンジャー：ホジェリオ・ドゥープラによるスケールの大きなサウンド・メークが印象的。カエターノ・ヴェローゾ、トン・ゼー、エルトン・メデイロス、そして当時無名だったジョイスなどの収録曲も特筆。歌謡祭でデュエットを組み優勝したエドゥ・ロボもゲストで参加。後のMPB黄金期到来を予感させる名作。