「欲望」、「怒り」、「迷い」、日常の中で抱える様々な負の感情は、知らず知らずの内に己を蝕んでいる。怒りに囚われるのではなく、穏やかに。見返りを求めるのではなく、ただ目の前のことを成すために。自分の中の「怒り」と向き合い、赦すための心の作法。仏道の教えに則りながら、内なる自分と向き合うための僧侶・小池龍之介流のアンガーマネジメントをまとめた一冊。

「成功」とは何かを定義し、その「成功」のためになぜ「やさしさ」が必要なのか。「与える」という行為が、なぜ我々にプラスとなるのか。世界的名医ならではの生物学的/心理学的な観点と、自らの経験を通した具体的なレクチャーで「やさしさ」とは誰でも高めていける技術として、その磨き方をわかりやすく説く。更に著者は、その「やさしさ」も必ず「行動」が伴うべきだと主張する。世界をよりよいものに変えていく「行動」を伴う「やさしさ」の指南書。

「言葉を友人に持ちたいと思うことがある」。著者、寺山修司が文学、映画、詩など、様々な表現から”名言”を集め、まとめたのが今作。ここに選ばれた言葉にはニヒリズムとユーモア、そして愛がある。それは著者の写し鏡のようであり、交友録のようでもある。人生という旅は孤独な一人旅だ。だがそんな時にも、あなたが望めば、ポケットには言葉という友がいる。それが毒になるか薬になるかは、あなた次第だ。

31歳の若さで亡くなった医師が家族へと残した闘いと愛の手記。病気と闘う患者の側にいる医師として。余命を悟った、治らない病を持つ患者として。どちらの想いも知る立場から書かれた言葉は、最後の最後まで、残していく患者と家族、他者への思いやりと愛に溢れている。人生とは与えられた時間をいかに有効に使い、多くの人によい影響を与えたかということではないか。愛し愛され、気高く生きた著者の覚悟が、静かに問いかけてくる。

「被災地にライブハウスを作る」。東日本大震災がもたらした爪痕を前に、自分たちには何ができるのか。被害の全貌すらまだ見えない中、動きだした物語。音楽が生んだ美談ではない。自分たちにできることが音楽だっただけだ。それぞれが信念を持ち寄り、苦悩と葛藤の中で繋がっていく人、人、人。音楽は微力でも無力ではない。もう7年。まだ7年。これは今なお続く物語の、道すがらの記録。

故人を生前と同じ状態に復元させる復元納棺師の著者による体験記。全ての人に必ず訪れる「死」。しかし「死」はただそこに在るだけではない。人は「死」と向き合い、受け入れ、見送っていかなくてはならない。それは同時に、「生」を問うことでもある。目を背けたくなるような現実は生々しく、残酷だ。しかし深い悲しみの中でも、故人と遺族のために全霊を賭ける著者の愛と慈悲が、暗闇に射す一筋の光明のように、人の尊さを照らしている。

「怒り」というのは悪い感情なのだろうか。怒りは時に大事なエネルギーとなる。自分を守るために、物事をより良くしていくために。重要なのは、怒らないことではなく、怒りに支配されることだ。誰だって、怒りを抱えて生きるのは苦しい。怒ろう、自分の中の怒りを一人ぼっちにさせないために。心理学者・パットパルマーがやさしい語り口で誘う、内なる怒りに寄りそう大切さを描いた絵本。