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Review List of no.4 

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     2013/11/16

    演奏時間が速すぎるという評をあちらこちらで見かけますが、標準的な演奏と比べたら速いというだけで、往年の巨匠たちと比べて異様に速いというわけではありません。
    3番以外はトスカニーニ/NBCの演奏とほぼ同じテンポですし、ワルター/NYPよりはやや落ち着いたテンポです。もっとも、あちらはモノラル録音、こちらは優秀ステレオ録音ですので、オーディオ機器から聞こえてくる音だけでは正当に比較しがたい部分が多々ありますが……。
    また、本全集はテンポ設定や異項を含めた曲目だけが注目されがちですが、オーケストラの音色もすばらしく重厚であり(ベートーヴェン全集の時と同様に)これがテンポの速い演奏でも軽薄に陥らないための要素のひとつとなっているように思われます。
    シャイーが首席指揮者に就任してからのLGOの音色の変化を厭う人々もいますが、本全集を聴くかぎりLGOの重心の低い音色や木管のまろやかさは決して失われてはいませんし(ティンパニは丸くなったかな?)、私には彼のきびきびとした指揮とLGOの渋い音色は絶妙にマッチしているように感じられるのです。
    とにもかくにも、重厚な音色で締まったテンポのブラームス全集というものは今までにありそうでなかったものなので、本全集は貴重な財産となりました。
    (曲ごとの個人的な評価は1番>2番>3番>4番となります)
    聞くところによると、ラフマニノフの交響曲全集も録音が予定されているとのことで、ロマンべったり甘々“ではない”ラフマニノフが聴けるのではないかと、今から期待が高まっております。
    ……ただ、ブックレット状のケースだけはマイナスポイントです。
    もうすでに傷だらけですよ〜(まあ再生できるからいいんですけども)。

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