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Tchaikovsky (1840-1893)

Blu-ray Disc Eugene Onegin : Herheim, Jansons / Concertgebouw Orchestra, Skovhus, Stoyanova, Dunaev, M.Petrenko, etc (2011 Stereo)

Eugene Onegin : Herheim, Jansons / Concertgebouw Orchestra, Skovhus, Stoyanova, Dunaev, M.Petrenko, etc (2011 Stereo)

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    村井 翔  |  愛知県  |  不明  |  21/May/2012

    鬼才ヘアハイムの冴えた演出が断然光る。通常の上演では、タチャーナは現代人としてはあまり共感しにくい「古風な」女だし、オネーギンは第2幕まではクール、虚無的で影がうすいのに、第3幕に至ってタチャーナに突然、熱烈な愛の告白をするのはどうも脈絡がなく、彼女の地位に目がくらんだ軽薄男とも見られかねない。これは台本のみならず、プーシキンの原作にも共通する重大な弱点だった。この弱点をカバーするために演出家が採用したのはハリウッド映画(たとえばジェームズ・キャメロン監督『タイタニック』)でもおなじみの全回想形式。オネーギンがタチャーナに再会する場面を冒頭に持ってきて、第2幕までの出来事はすべて彼と彼女の回想として描かれる。だからジャケ写真にあるように、手紙の場ではタチャーナが歌い、オネーギンが(タチャーナ宛の)手紙を書くのだが、これは第3幕でオネーギンが彼女への思慕を歌う時に全く同じ旋律が用いられることを先取りしたもの。演出家の音楽に対する洞察の鋭さは見事だし、回想と現実の二層構造を描くために、台本の言葉が実にうまく利用されている。さらに回想部分が百年前の帝政末期なのに対し、現実部分は21世紀の現代というギャップも面白く、回想から現実への移行部であるポロネーズでは百年間のパノラマが繰り広げられる。 スコウフスの題名役は、もはや若くない男という演出コンセプトにぴったり。最高の歌と演技を見せる。ストヤノヴァも若い娘ではないという演出意図から言えば、正解。グレーミン公が台本通りの初老のおじさんではなく、むしろオネーギンより若い男なのは面白いが、ペトレンコの歌も出色の出来だ。特典のドキュメンタリーを見る限りでは、指揮者と演出家の考えは食い違ったままのようだが、ヤンソンスもいつもながらの手堅い職人仕事。

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