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Bach (1685-1750)

CD Die Kunst Der Fuge, French Suites Nos, 1-6, : Joanna Macgregor(P)(3CD)

Die Kunst Der Fuge, French Suites Nos, 1-6, : Joanna Macgregor(P)(3CD)

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    mimi  |  兵庫県  |  不明  |  17/July/2011

    いずれも15年以上前、J.MacGregorが30代の録音ですが、やはりとても通常のクラシック・ピアニストに対する感覚では推し量れない、一口で言って非常に求心力の強い演奏です。まずフランス組曲ですが、モダン・ピアニストのほとんどが、この曲集の愛らしい旋律や和声にとらわれて、内部構造の不明確な、外見はバロックでも内実はGallant様式の亜流のような音楽を作ってしまうのに対し、MacGregorの演奏は、複数声部を完全に独立させ、時には旋律や和声を犠牲にしても(?)まるで低音声部が主役のような、あくまで強固に多声的・構築的な音楽を実現しています。明らかにGouldの影響を受けていると思われる部分もあるのですが、そういった外見以上に、この点をモダン・ピアノではっきり実現できているのは確かに過去Gould以外は思い当たりません。ぱっと見、強烈な印象はそれ程にないのですが、繰り返し聴くにつれ、フランス組曲の簡素だが堅固な音楽に惹きつけられていきます。明らかにモダン・ピアノによるフランス組曲全曲での、数少ない名演奏の一つと思います。フーガの技法は、演奏の組み立てはさすがに若々しくラフで、即興性を重んじてるかと思えるほど。決してペダルも忌避せず、縦の線も厳格に揃えているわけではないのですが、各々の声部が完全に独立し、数人の奏者(声部)が自由にしかも生き生きと発言しつつ、全体を構成していく様が、MacGregorの強烈なテクニックに支えられて圧巻です。最新のGoldbergの名演に較べると、演奏全体の考え抜かれた透徹さは一歩譲りますが、それでも数あるモダン・ピアノによるフーガの技法中で、これだけ古典派以降のピアノ音楽伝統に囚われない、バロック的でも現代的でもある自由な演奏は、Gouldのピアノによる数曲を除いては、他に越えるもののないレベルであると思います。Gouldがいない今、現存するピアニストでMacGregorほどに、多声音楽に根ざしたJ.S.Bachの本質を生き生きと正しく伝えることのできる奏者は、いないのではないでしょうか。J.S.Bachの音楽を愛する、できるだけ多くの方に聴いてもらいたい好演盤です。

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