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Symphony No.4 : V.Petrenko / Royal Liverpool Philharmonic

Shostakovich, Dmitri (1906-1975)

User Review :5.0
(4)

Item Details

Genre
:
Catalogue Number
:
8573188
Number of Discs
:
1
Label
:
:
International
Format
:
CD
Other
:
Import

Product Description

ショスタコーヴィチ:交響曲第4番
ペトレンコ&ロイヤル・リヴァプール・フィル


好評のペトレンコによるショスタコーヴィチ・シリーズに交響曲第4番が登場。ペトレンコ指揮ロイヤル・リヴァプール・フィルの演奏の持ち味は、俊敏かつシャープで各パートの見通しの良いクールな音楽作りにあるといわれますが、この作品には、そうした個性はぴったりのように思えます。
 若きショスタコーヴィチの強い意気込みが反映された大がかりで天才的なオーケストレーション、頻出する管楽器のソロや、チェレスタ、ウッドブロックといった楽器の効果的な用法、急激なテンポ変更や、ポリリズムの面白さや、第1楽章展開部の超高速フーガなどなど、ユニークでごった煮的な魅力に彩られたこの傑作に、ペトレンコ指揮ロイヤル・リヴァプール・フィルがどのような取り組みをみせてくれるか、とても楽しみなところです。

【ショスタコーヴィチ交響曲第4番】
作曲者自身が「自分の書いた最高傑作、第8番よりももっと良い出来」と語るこの作品は、ショスタコーヴィチの交響曲の中でも特異な経緯を持ついわくつきの音楽。30歳の時に完成した画期的な交響曲であり、リハーサルの途中で作曲者みずから発表を中止。紆余曲折を経て、実に25年後の1961年、〈雪解け〉といわれる状況の中、コンドラシンの指揮でようやく初演が行なわれたというものです。
 その後の成功予定作(?)の第5番と較べると、この第4番は余りにも斬新かつ凶暴であり、前年に当局に批判されたポポフの交響曲第1番や、自身の『ムツェンスク郡のマクベス夫人』の二の舞になることをショスタコーヴィチが恐れたのも無理からぬことだったのでしょう。
 確かに、この問題作から感じられる異様なまでの激しさ、力強さ、残虐さは比類のないものであり、それらに戦争や圧政の影を結びつけて考えるのも自然なことかもしれませんし、また、並存する諧謔的な表現についても、複雑なアイロニーの発露と考えれば納得も行きます。
 とはいえ、そうした時代背景への認識を抜きにしても、マーラーの7番や1番、マイスタージンガーの引用(パロディ)を経た大音響地獄の果てに、最後は美しく静かなコーダに収斂されてゆくという重層的な構図は、交響曲好きにはたまらないところです。

【ペトレンコ】
1976年にサンクト・ペテルブルグに誕生。サンクト・ペテルブルグ音楽院で学び、ムーシン、テミルカーノフ、ヤンソンス、サロネンらに師事。18歳からムソルグスキー記念サンクトペテルブルグ国立アカデミー劇場(旧レニングラード国立歌劇場)でオペラ指揮者としての経験を積み、30を超えるオペラのレパートリーを持つようになります。21歳の時には、ショスタコーヴィチ合唱指揮コンクールで優勝、26歳でカダケス国際指揮者コンクール優勝し、30歳となった2006年よりロイヤル・リヴァプール・フィルの首席指揮者を務め、当地で絶大な人気を博しています。
 ペトレンコのスタイルは、ロシア的な激しさを備えながらも精緻でクリアなサウンドを追求し、作品の情報量をバランス良く最大限に表出しようというもので、素材引用や展開の様子のよく分かるシンフォニックなアプローチが魅力十分です。(HMV)

【収録情報】
・ショスタコーヴィチ:交響曲第4番ハ短調 Op.43 [64:59]
 第1楽章:Allegretto poco Moderato - Presto [27:20]
 第2楽章:Moderato con moto [09:25]
 第3楽章:Largo - Allegro [28:14]

 ロイヤル・リヴァプール・フィルハーモニー管弦楽団
 ワシリー・ペトレンコ(指揮)

 録音時期:2013年2月9-10日
 録音場所:リヴァプール・フィルハーモニック・ホール
 録音方式:ステレオ(デジタル/セッション)

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Comprehensive Evaluation

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ついに最高傑作の第4番に挑戦、ということ...

投稿日:2013/12/25 (水)

ついに最高傑作の第4番に挑戦、ということで周到な準備の上での演奏なのだろう。第1楽章第1主題の「マルカート」の徹底的な表出からして、気合の入り方が尋常ではない。そして終楽章最後の大クライマックスのポリフォニックな見通しの良さに至るまで、隅から隅までまさしく圧倒的な出来ばえ。もちろんコンドラシン/モスクワ・フィルの凄まじいテンションの高さは望めない(これはやはり初演者としてのプライド+60年代特有のもの、ちなみに私がこの曲を最初に聴いたのはLP2枚組のこの演奏だった)。その代わりここには総譜を完全に読み尽くした精緻さがあり、にもかかわらず果敢な表現意欲も少しも後退してはいない。全集1曲目の第11番では線の細さが否めなかったロイヤル・リヴァプール・フィルもこの全集録音を通じて成長したのだろう。この第4番は馬力を誇るソ連/ロシアのオケと比べても遜色ないほどの、堂々たる演奏だ。相変わらず録音も優秀だから、先のコンドラシンは別格として、この曲を初めて聴きたいという人には、ラトル/バーミンガム市響と並んで第一に勧められるディスクと言っていい。

村井 翔 さん | 愛知県 | 不明

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ペトレンコの表現はシャープで大仰なところ...

投稿日:2013/11/26 (火)

ペトレンコの表現はシャープで大仰なところが一切ない。オーケストラ・コントロールは抜群であり、この大曲を最後まで凄まじい緊張感をもって引っ張る。ムラヴィンスキーがもしこの曲を振ったらこんな感じになったのではと思わせる圧倒的名演である。RLPOの見事さも絶賛したい。グローヴスやマッケラスの指揮でひなびた演奏をしていたのと同じ団体とはとても思えない。余談だが、私が初めてこの曲を聴いたのはハイティンク/LPO盤。30年程むかしだが、当時の音楽批評では酷評であった。それも演奏以上に曲に対して。高名な評論家は「所詮5番の試作にすぎない」と評したため、レコードを買うのに勇気がいったものだ。ところが聴いてみて一発で大傑作だと確信。「ラトルやチョンによってこの曲の真価がわかった」なんてのは嘘だ。突然の曲想の転換やパロディ語法といったこの曲の新しさに何度も聴いて慣れただけだろう。ハイティンクだって決して悪くなかった。評論家は一般リスナーの三週くらい遅れているという代表例である。

フォアグラ さん | 愛知県 | 不明

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すばらしいです.ペトレンコの全集,この4...

投稿日:2013/11/23 (土)

すばらしいです.ペトレンコの全集,この4番の出来が良ければ,決定版になるだろうと思っていましたが,残りの13,14を待たずとも決定版全集といっても良いのではないでしょうか? もちろん13,14にも期待してますが.この4番の演奏,とくに新しいアイディアがあるようには聞こえませんが,とにかくアンサンブルの完成度が高い.弦がゴリゴリとリズムを立てるような弾かせ方が強いので,それが過剰に思われる人もいるかもしれませんが,サーカスのように入れ替わり立ち替わりする様々な楽想のすべてを細部に至るまで明晰に描いています.どんなに静かな経過部も響きに一定の緊張があって,表情を失いません.またRLPOというオーケストラはペトレンコのもとで明らかに腕を上げていると思いました.今回は木管セクションの美しさに耳を奪われます.とくにピッコロの奏者にBravo を贈りたい!

kamescian さん | 神奈川県 | 不明

4

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