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■本編:約102分 / 製作年:1971年 / 製作国:アメリカ
【ストーリー】
深夜のストリートレースで儲けた賭け金を手に、レース用にチューニングした55年型シェヴィを南東方面へむけてとばすザ・ドライバーとザ・メカニック。停まるのは食事、燃料補給、そして車の整備のときだけだ。途中のダイナーで拾ったザ・ガールを後部座席に乗せ、無言のまま車を走らせる。そしてあるガソリンスタンドでポンティアックGTOに遭遇、2台の車はお互いのピンクスリップを賭けた長距離レースでワシントンDCを目指すことになる...。
『イージー★ライダー』(’69)の大ヒット以降、従来の大作映画の不振によりメジャースタジオが苦境に立たされていた状況下、ユニバーサル映画がピーター・フォンダ監督/『さすらいのカウボーイ』(’71)、デニス・ホッパー監督/『ラストムービー』(’71)とともに起死回生の若者向け企画として仕掛けた野心作。それまでB級映画の帝王ロジャー・コーマンの門下生であったモンテ・ヘルマン監督初のメジャースタジオ作品。出演に当時人気絶頂のシンガーソングライター、ジェームズ・テイラーとビーチ・ボーイズのデニス・ウィルソンの二人のロックミュージシャンを起用、そして名優ウォーレン・オーツが最高の演技を魅せる。ザ・ガール役に抜擢された当時新人のローリー・バードはまさに劇中の役柄そのままの少女で、ヘルマンはザ・ガールのディテールの着想を彼女から得ている。その後バードは79年に自殺、ヘルマンは最新作『果てなき路』(2011)をバードに捧げた。また実在する伝説のストリートレース組織、STREET RACERS INC.の映像も映るなど、アメリカン・モーターカルチャーの真の姿を捉えた映画としてもファンを魅了、作品のもう一つの主役ともいえる、撮影に使われた3台の55年型シェヴィのうち1台はのちに黒に塗装されて『アメリカン・グラフィティ』(’73)に登場、もう1台は『トランザム7000』(’77)のトランザムの排気音のオーヴァーダブ用車輌として使わるなど、映画史上もっとも有名な劇中車として知られている。70年代アメリカ、果てしなく続く道とガソリンスタンド、ただひたすら車を走らせる若者...。『イージー★ライダー』でワイアットとビリーが求めたアメリカン・ドリームは、『バニシング・ポイント』(’71)でコワルスキーが夢破れつつもみせた自由への疾走に変容し、ついには『断絶』で空疎な空気と閉塞感、疎外感とともに存在することがすべてであることとなった。映り込むものすべての行動原理は排除され、観る者の感情移入も受け付けずに漂う不穏な喪失感。初公開から40年、ニューシネマ時代のアメリカ映画の極北ともいえる『断絶』は、ヴェンダースからジャームッシュ、リンクレーターからタランティーノ、ギャロまで多くの映画作家たちの憧れであり続けている。もうひとつの『イージー★ライダー』として題材、物語、キャストなどあらゆる面で”売れる”期待を集めた本作。しかしヘルマンはその商業性をすべて排除、ロードムービーとしての純度を極限に高めることに拘った。結果スタジオと対立、不幸な公開形態を余儀なくされた『断絶』の興行惨敗により、ヘルマンは以降一度もメジャースタジオで作品を撮っていない。
【キャスト】
●ザ・ドライバー:ジェイムズ・テイラー
●GTO:ウォーレン・オーツ
●ザ・ガール:ローリー・バード
●ザ・メカニック:デニス・ウィルソン
●オクラホマ・ヒッチハイカー:ハリー・ディーン・スタントン
【スタッフ】
●監督・編集:モンテ・ヘルマン●製作:マイケル・S・ローリン●共同プロデューサー:ゲイリー・カーツ●脚本:ウィル・コリー、ルドルフ・ワーリッツァー
●撮影:ジャック・ディアソン●音楽:ビリー・ジェイムズ●キャスティング:フレッド・ロス、ジェニファー・シュル●衣装:リチャード・ブルーノ
●録音プロダクション:チャールズ・T・ナイト
©1971 Universal Pictures and Michael Laughlin Enterprises, Inc. All Rights Reserved.
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投稿日:2007/04/21 (土)
投稿日:2007/04/19 (木)
投稿日:2007/03/11 (日)
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