歌い手にとってリクエストとはどういった意味があるのだろうか。私はリクエストをする時、如何にメロディをなぞってひたすら感傷に浸たらせてくれるか又は、歌い手がいかに曲の魅力を意かに引き出すことができるかを期待をする。それなりの誇りをもって活動している歌手は、その期待にこたえ且つ、自分の魅力も押し出していこうと思うものであると勝手に想像するのだが、このアルバムは、そういった歌手とリクエスターとの関係が、非常に上手くいっている。テイク・テンの６管は勿論のこと、コンボでのソリストと大橋美加のコラボも非常に成功している。曲を愛し、租借を繰り返した結果であろう。こういったコラボレーションが展開されるとリクエスターとしてはたまらんだろうな。そして、それは周りを巻き込む磁場の様になるのは、明白である。収録曲は、すべて代表的な名演となると私は確信しています。一聴の価値アリ！

1曲目のスキャットで、美加ワールドに引き込まれてしました。聞き終えた後の爽快感は、半身浴を終えた後の清々しさに似ている。この適度な脱力感は…そうだ、これは彼女の歌に対する情熱の塊なんだ。曲への造詣は、ライナーを読めば一目瞭然。秋の夜長はこの1枚で決まり！

ペギー・リーへのトリビュート・アルバムでありながら、自身のセンスで、大橋美加のオリジナリティーが感じられました。