Symphony No.3, etc : Lintu / Tampere Philharmonic

エネスコ：交響曲第３番、ルーマニア民謡による序曲
リントゥ＆タンペレ・フィル

同じくエネスコの交響曲第２番（ODE1196）で素晴らしく色彩的な演奏を披露したハンヌ・リントゥとタンペレ・フィルによる、交響曲第３番とルーマニア民謡による演奏会序曲の２曲です。
　まだロマン派の香りを残していた第２番に比べると、この第３番はかなり独自性が現れていると言えるでしょう。決して肥大した響きを用いているわけではないのですが、冒頭のたっぷりとした弦の調べに誘われ、少しずつ音が積み重なっていく様子はとても美しく、また第３楽章では合唱も加わり（歌詞はありません）、一層神秘的な雰囲気が高まります。この作品が書かれた1910年〜1920年の頃は激動の時代であり、音楽様式もめまぐるしく変化したのですが、このエネスコの交響曲は、ある意味時代を超越した清々しい美しさを湛えたもので、幾分ドビュッシーを思わせながらも、孤高の世界に浸っているものです。1948年に作曲された演奏会用序曲は、賑やかで楽しい作品です。（ONDINE）

【収録情報】
エネスコ：
● ルーマニア民謡による演奏会用序曲 イ長調 Op.32
● 交響曲第3番ハ長調 Op.21
　第1楽章：モデラート・ウン・ポコ・マエストーソ
　第2楽章：ヴィヴァーチェ・マ・ノン・トロッポ
　第3楽章：レント・マ・ノン・トロッポ

　タンペレ・フィルハーモニー管弦楽団＆合唱団
　ハンヌ・リントゥ（指揮）

　録音時期：2011年8月25日
　録音場所：フィンランド、タンペレ・ホール
　録音方式：ステレオ（デジタル）