高井薫平 Review List

高井薫平 | Review List | HMV&BOOKS online is a world class entertainment website which provides Books, Comics and Magazines. CD, DVD, Blu-ray, Games and Goods! Ponta Point available for both sites! Special campaigns and limited novelty with multiple payment & delivery options for our customer’s satisfaction!

  • Top
  • Profile
  • Product
  • Topics
  • Video
  • Review

Customer Reviews

2Reviews
Sort by.: New Arrivals| Order by Empathy Score| Higher Reviews
  • 福島交通軌道線(下)が郊外を扱っているのに対し、福...

    Posted Date:2013/06/20

    福島交通軌道線(下)が郊外を扱っているのに対し、福島交通軌道線(上)は、この鉄道の歴史および福島駅周辺と近郊を扱っている。私の福島交通軌道線に対する思いについては福島交通軌道線(下)のレビューに存分に書いたので、そちらをご覧いただきたい。ちなみに、掛田を訪問した昔日は、福島交通軌道線という「めちゃめちゃに」面白い鉄道の利用の歴史であった。 福島交通軌道線(上)についての評価も福島交通軌道線(下)の評価と変わらない。絵葉書を含む写真、資料の類は極めて豊富である。説得力がある。評価は五つ星とした。 しかし、福島交通軌道線(上)は福島交通軌道線(下)ほど多くを語ることができない。鉄道は、思い出と繋がっているものであるが、その思い出は楽しいものとは限らない。苦い思い出もある。福島交通軌道線(上)の表紙のカラー写真は、福島駅の近くであるが、私はこの通りに面した旅館に泊まったことがあった。福島県立医科大学に入院していた祖母が危篤となり、父、妹と一緒にお見舞いに来た私は、旅館の二階で行き来する電車を見ながら、病院からの連絡を待っていた。ついに祖母は、この地で亡くなった。福島交通軌道線(上)は、亡くなった祖母を思いだす。そうであっても、私は本書を購入して良かったと思っている。理由は二つある。一つは、福島交通軌道線の歴史を知る、あるいは確認することができるから。もう一つは、「灯台下暗し」というが、福島交通軌道線の出発駅は、何といっても福島駅前である。その福島駅前から伊達町までの区間は、あまり知らなかったのである。極めて有益な資料を勉強することができた。 福島交通軌道線がナローゲージであったころ、路線は掛田終着駅ではなく、さらに川俣まで延々15.6kmの路線があった。この路線の存在は頭では知っていたが、路線図で確認したのは本書においてが初めてである。また、長岡分岐点と保原駅の途中にある旭町から東北本線の桑折(こおり)まで、路線が存在していたのだ。この路線の存在を知ったこと自体、本書においてが初めてであった。両路線ともに、昭和2年に廃止になっている。掛田〜川俣、旭町〜桑折を含めて、福島交通軌道線全線の路線図」と停留所名が、停留所名の移変りとともに示してある。これだけで極めて意義のある資料である。 以下、資料名を資料の種類とともに示す。本書の概要がおおよそ、ご理解いただけるであろう。 (1)表紙の写真:本町-福島駅前、荻原二郎 (2)モノクロ写真:福島市と伊達町の境、幸橋にて。高井薫平 (3) モノクロ写真:福島駅前の賑わい。今井啓輔 (4) モノクロ写真:信達軌道の特許状 提供:福島交通 (5)軽便時代、福島駅前から伸びる本町通り。ラッキョウ煙突の「へっつい」が行く。絵はがき所蔵:白土貞夫 (6)「福島市内本町四ツ辻」と書かれた絵葉書より。「7」と書かれた客車が通り去る。絵はがき所蔵:白土貞夫 (7)軽便時代の福島駅前、絵はがき所蔵:白土貞夫 (8)内務省への大日本軌道合併の届。 所蔵:国立公文書館 (9) 福島市内本町通り、日本銀行支店前。バック運転の「へっつい」が行く。絵はがき所蔵:白土貞夫 (10) 軽便時代の本町通り。絵はがき所蔵:白土貞夫 (11)不鮮明ながらわずか5年のみの運行であった保原〜桑折間を含む信達軌道全線が掲載された「福島県伊達郡全図」 所蔵:幕田一義 (12) 信達軌道の成り立ち (13)信達軌道の運賃表          提供:福島交通 (14)軽便時代の東北本線跨線橋   絵はがき所蔵:白土貞夫 (15)電車化後の東北本線跨線橋   絵はがき所蔵:白土貞夫 (16)電車化後の本町通り    絵はがき所蔵:白土貞夫 (17)飯坂西線(現在の飯坂線)飯坂温泉駅に停車中の福島電気鉄道1号車    絵はがき所蔵:白土貞夫 (16)福島駅前から出発、旧飯坂電車の飯坂西線への分岐を行く福島電気鉄道10号車。    所蔵:伊藤東作 (17)福島交通軌道線略年表 (18)廃止の前日、続行運転で松川橋を渡るお別れ記念の花電車

    ミュンシュ .

    0
  • 「本とは面白くあるべきだ」という意見に私は賛同する...

    Posted Date:2013/06/20

    「本とは面白くあるべきだ」という意見に私は賛同する。本書のレビュー記事に筆をとった理由もそこにある。まず昔日の福島交通軌道線そのものが「めちゃくちゃ」面白い鉄道であった。だから、福島交通軌道線を素材とした本は面白くなる性質をもっている。そこに著者、高井薫平氏が、これでもかというように写真や貴重な資料を沢山掲載している。本としての「福島交通軌道線」が面白くないわけはない。 まず福島交通軌道線そのもののどこが「めちゃくちゃ」面白かったのであろうか。一言で言い尽くすことは難しい。私なりにいえば、「軌間1067mmゲージ(JR/国鉄の新幹線を除くほとんどの区間がこれ)」でありながら、「軌間762mmのナローゲージ(例えば花巻電鉄)」のような顔をしているところにあると思う。これは福島交通軌道線がナローゲージから1067mmゲージへと改軌された歴史と大いに関係があろう。 街中では、線路が民家にかなり接近して敷設されているところが多い。この事実にナローゲージの面影を見ることができる。また果樹園の木にも接近している。だから、果樹園の木の枝が、走っている電車の窓ガラスに触れ、乗っている私は「ばしばし」っという音にびっくりすることがあるのだ。 また、民家がある都合で、改軌しても、電車の幅は広げることができなかったと聞いている。そのためであろうが、電車の形はナローゲージの花巻電鉄のような「馬面」となる。 一方、1067mmゲージの側面もあった。それは、田園地帯では結構なスピードを出すことである。砂利道の軌道を掛田〜保原間では「高速」で走る。この「高速」の意味であるが、車輪が砂利を踏み、砂煙をあげながら、横揺れを生じながら走るのである。要は「脱線するのではないかというスリルにあふれていた」という意味での「高速」である。実際に、どのくらいの速度であったかは、わからない。でも実際に脱線することがあったと聞いている。 また、夜の駅にも風情があった。夜、暗い中、福島から保原駅に近づくと、遠くに保原駅と示したピンクのネオンが見える。いよいよ保原に到着する。ここは、掛田方面と梁川方面への分岐する駅であるのだ。福島交通軌道線では大きな駅であるのだ。駅の周囲の街並みは賑わっている。何人かの人は電車を降りてタバコを買いにいく。電車はここで、しばらく停車するのだ。要は、途中駅で喧騒の情を味わうことのできる東北の私鉄の駅は、そうは多くない。 私の親戚は掛田にいた。そこで、何かといえば、掛田に遊びに行った。ついでに飯坂温泉に連れていってもらった。福島交通軌道線の利用ルートは次のようなものだった(乗換えについての記憶が定かではないので略す)。 1)東北本線で伊達(福島から二つ北の駅)着、伊達から福島交通軌道線で掛田着 2)掛田から福島交通軌道線で湯野町(飯坂温泉の福島交通軌道線の名前) 3)飯坂から福島交通専用線(飯坂電車)で福島駅へ行き、福島駅から福島軌道線で掛田着 本誌の表紙を飾るカラー写真、これが当時の掛田停留場である。ちなみに、カラー写真は、この本では、この表紙のみである。でも表紙の写真から、とても美的センスがあるとは言い難い、でも、親しみを感じるといってよい、2色に塗り分けられた電車の風情が伝わる。私の記憶では、道路事情は、この写真が撮影された1966年よりも、ずっと悪かったであろう。砂利道を走ってきたため、もっと白っぽく汚れていたとも思う。また電車は貨車をけん引している。掛田停留場では電車が貨車を連結している姿がよく見られた。でも、連結器という「文明の利器」はない。長さ1メートル程度の鉄の棒(連結棒)を用いるのだ。よって、連結された電車と貨車の間には1メートル程度の距離ができる。表紙の写真をよく見ると、貨車は電車と離れて連結されていることがうかがえる。 福島交通軌道線の「めちゃくちゃな」面白さがお分かりいただけだろうか。そのような眼で、本書の中のモノクロ写真70枚を見ると、これまた面白い。紙面の都合で、すべての写真の説明は割愛する。改軌前の軽便時代の絵はがき写真(所蔵:白土貞夫氏)、有蓋貨車ホワを連結した電動貨車ニモ1、およびニモ1単体の写真も掲載されていることを特記する。すべてが面白い写真であった。写真提供者は、著者および竹中泰彦氏、湯口徹氏、今井啓輔氏、田尻弘行、伊藤東作、福島交通らである。 また、この本の掲載資料(写真以外)について示す。いずれも、興味深い。 (1)昭和35年2月20日改正運行図表 (2)長岡分岐点の配線 (3)長岡車両庫付近平面図、提供:福島交通 (4)伊達駅前停留場と国鉄伊達駅引込み線平面図、提供:福島交通 (5)保原停留場平面図、提供:福島交通 (6)保原〜掛田間線路一覧略図、提供:福島交通 (7)掛田停留場平面図、提供:福島交通 (8)梁川停留場平面図、提供:福島交通 (9)電化当初投入された梅鉢製木製ボギー車の組立図、所蔵:国立公文書館 (10)木造時代の12・13号の竣工図、提供:福島交通 (11)1956年、木造車鋼体化の際の申請書に添付された改造前の日車支店製木造車体、提供:福島交通 (12)1・4号(→1101/1104号)竣工図、提供:福島交通 (13)1102・1103・1105・1107・1109・1111号竣工図、提供:福島交通 (14)1106・1108・1110号竣工、提供:福島交通図 (15)1112・1113号竣工図、提供:福島交通 (16)1114・1115・1116号竣工図 ただし図は1112・1113のもののようで窓の数や形状など1114〜1116とは異なる。提供:福島交通 (17)1117・1118・1119号竣工図、提供:福島交通 (18)1120・1121号竣工図、提供:福島交通 (19)2022・2023号竣工図、提供:福島交通 (20)ニモ1号竣工図、提供:福島交通 (21)21号〜25号竣工図、提供:福島交通 (22)ホワ1〜3、提供:福島交通 (23)ホワ10〜14、提供:福島交通 (24)ワフ7〜8、提供:福島交通 (25)ホト1〜7、提供:福島交通 (26)ホト8〜13、提供:福島交通 (27)昭和14年2月に日本車両東京支店で作成された福島電気軌道向け2軸電動貨車の形式図、提供:湯口徹

    ミュンシュ .

    0

You have already voted

Thankyou.

%%message%%