イギリスのレーベル、スペシャリストはイギリスの軍楽隊を起用して様々なアルバムを制作しました。
そのうちの一つ、レジメンタル・シリーズと言われるものがあり、これは永い歴史のある軍楽隊の連隊行進曲や歴代の軍楽隊長が残した秘蔵の曲を録音した貴重なシリーズです。
このCDはイギリス近衛歩兵の一つ、ウェルシュ・ガーズ軍楽隊を取り上げたもので、指揮は当時の軍楽隊長、デヴィット・クロスウェル少佐である。
前半は連隊の行進曲を後半は歴代の楽長らによる作品を収録しているのですがこれがこのCDの聴きどころ。
イギリスの軍楽隊長になるには作曲や編曲にも堪能でなくてはいけないようで、それぞれの楽長のこのバンドのために残しているが、優れているのは第3代隊長、ステイザム少佐の行進曲『グレート・アンド・グロリアス』と第4代隊長、ケニー少佐の行進曲『カーディフ城』この2曲が特に良いでしょう。
さてクロスウェル少佐とウェリッシュ・ガーズの演奏、さすが自分達の音楽とあって共感豊かな演奏だ。
サウンドこそ現代のソフトな響きだが時折ブリティッシュな音色が聴けるのが嬉しい。
上記、ステイザム少佐とケニー少佐の作品に加え、『空軍大戦略マーチ』リズム感の良さは特に聴きどころ。
ライナーも写真を豊富に使った大変詳しいもの。
録音も豊かな残響で良い。