Stardust

前作『Sara Smile』に続くニューヨーク録音による通算3枚目のリーダー作品。今作もアダム・バーンバームを中心とするトリオをバックにし、２管が加わる編成でジャズの歴史に名を刻んだ名演が思い浮かぶ作品が並んだ。

いずれの曲も市原がアレンジを施し、新しい感覚で演奏が展開する。�Hのみは市原と父・康が主催するTRIO'との共同アレンジとなっている。

演奏は名曲に臆することなく正面から市原らしさを全面に出した「モダン・ジャズ」。２曲のオリジナル曲は、これまたジャズらしいメロディラインの作品。�Dではやや抑え目の演奏の中に明らかな円熟が感じられる。続くムラーツのベース・ソロが、ロマンティックな市原の音色に一層ふくよかな印象を付け加えてくれる。いままでの市原にない“大人の表情”が垣間見られる演奏だ。


父のTRIO'との共同アレンジの�Hは、これまたロマンティックなメロディランの作品。スロウナンバーながら心にしみ込む暖かさを持つ作品。スタンダード曲での元気のよい市原も魅力的だが、明らかに長足の進歩を感じさせるオリジナル曲での淡々とした叙情を感じさせる演奏に「新生・市原ひかり」を見た！�H�Dの順にベスト・チューンに認定しよう。

Hikari Ichihara (tp,flh) Adam Birnbaum (p) George Mraz(b) Victor Lewis (ds) Aaron Heick (as,fl) Wayne Escoffery (ts) Recorded in NYC