川端康成の話をしようじゃないか

小川洋子

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784803804133
ISBN 10 : 4803804133
フォーマット
出版社
発行年月
2023年04月
日本
共著・訳者・掲載人物など
:
追加情報
:
184p;20

内容詳細

あまりに哀しく、あまりに美しい(=グロテスク)……こんな川端康成の姿を私たちは知らなかった! 没後半世紀を経て、いまなお読み継がれる川端文学の魅力を二人の作家が語り明かす。長く深く愛読してきた作家ならではの分析と考察は、従来の川端文学の読まれ方をアップデートさせる。五十一回目の命日に贈る「川端康成・讃」
目次

対話T 川端文学を貫いているもの
 川端康成と伊藤初代
 川端文学との出会い
「手書き」独特のアナグラム
 川端文学のグロテスクさ
「佛界易入 魔界難入」
「死」に魅入られて

対話U 『掌の小説』を読む
 川端康成の「私」
 確かなモノ≠フ手応え
「長編型」と「短編型」
「負のエネルギー」が作り出すブラックホール
「十六歳の日記」について
 グロテスクと新しいリアリズム

対話V 世界はまだ本当の川端康成を知らない
「雪国抄」が語りかけてくるもの
 川端康成は「小説」を書いていなかった!?
『山の音』について。あるいは「純文学」とは何か
 川端作品のベストは何?


 見えないものを見る──「たんぽぽ」小川洋子
 遵守された戒律 佐伯一麦
 引き返せない迷路 小川洋子
 川端再読 佐伯一麦

 あとがき 小川洋子/佐伯一麦

【著者紹介】
小川洋子 : 1962年、岡山市生まれ。早稲田大学文学部第一文学部卒。88年「揚羽蝶が壊れる時」で第7回海燕新人文学賞を受賞。91年「妊娠カレンダー」で芥川賞受賞。2004年『博士の愛した数式』で読売文学賞、本屋大賞、同年『ブラフマンの埋葬』で泉鏡花文学賞を受賞。06年『ミーナの行進』で谷崎潤一郎賞受賞。07年フランス芸術文化勲章シュバリエ受章。13年『ことり』で芸術選奨文部科学大臣賞受賞。20年『小箱』で野間文芸賞を受賞。21年、菊池寛賞を受賞

佐伯一麦 : 1959年、宮城県仙台市生まれ。仙台第一高校卒。84年「木を接ぐ」で第3回海燕新人文学賞を受賞する。90年『ショート・サーキット』で野間文芸新人賞、91年『ア・ルース・ボーイ』で三島由紀夫賞、97年『遠き山に日は落ちて』で木山捷平賞、2004年『鉄塔家族』で大佛次郎賞、07年『ノルゲ Norge』で野間文芸賞、14年『還れぬ家』で毎日芸術賞、『渡良瀬』で伊藤整賞、20年『山海記』で芸術選奨文部科学大臣賞を、それぞれ受賞する(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • アキ さん

    川端康成の歿後五十年にあたり、川端康成の愛読者である小川洋子と大阪芸術大学でゼミを持つ佐伯一麦との3回にわたる対談。すらすら読めて、しかもとても深い内容でした。佐伯氏「もしかしたら川端は小説を書いてはいなかったのたもしれない。(笑)」小川「そうか、無を表すために字を書いていたんだ。無と会話していたんですね。ないものと言葉を交わしてた。」附で、見えないものを見るー「たんぽぽ」で小川洋子は「終わりのない小説を書けたら、どんなにいいだろうと思う。」と書く。表紙の川端の京都の定宿・柊家で川端の小説を読み耽りたい。

  • けんとまん1007 さん

    小川洋子さん、佐伯一麦さんの対話を通して、川端康成という一人の作家の姿が浮かび上がってくる。川端作品を読んではいないが、あの風貌から想像するものと重なる部分がある。あの眼を通して、見る対象の奥底まで見つめる。見られるほうは、かなりのエネルギーがないと、耐えきれないのではないだろうか。また、お二人の好みの作品の違いや、読み取り方の違いが、新たな発見になっているのも、なるほどと思う。

  • tonpie さん

    川端に「心中」というごく短い散文があって、その不吉で異様なイメージの硬度に驚かされた。この人はフツーではない。いったい、どんなひとなのか?その思いで手に取った。川端の伝記事項として、早くに両親を失い孤児の生活だったということくらいしか知らなかったが、その後、二十歳の時に伊藤初代との「非常の」婚約破棄事件がある。この本の冒頭「川端文学を貫いているもの」で語られている事件があまりに悲惨でグロテスクであり、言葉を失う。半世紀にわたり、相手からの手紙を「仕事机の中にしまっていた」ということにも。↓

  • よこたん さん

    “もしぼんやり読んでいたら読み過ごしてしまうところかもしれないんですけど、ある一瞬、ハッと冷たい視線で心臓をつかまれる。一行一行、一章一章、おろそかにできない緊張感があります。そこが心地よくもあるのですが。(小川)” いやあ小川さん、ほんま上手いこと言うでくれはるわあ。学生時代にたくさん読んだはずの川端作品。ほぼ内容を覚えていないものでも、そこかしこに漂ううっすらとしたひんやり感は忘れてはいない。熱く語り合う佐伯✕小川が面白すぎて止まらなくなった。谷崎や三島との対比も興味深い。『掌の小説』また読もう。

  • 毒兎真暗ミサ【副長】 さん

    小川洋子氏と佐伯一麦氏による対談。川端文学について語るものだが【文学】というよりも、各小説に乗せた康成の【内面】を掘り下げているように思う。康成好き専用の大きな盥という趣きで、こちらも自由に見聞きし咀嚼し泳いだ。あれもこれもが、狂気に燦めいていた。巻末には小川洋子が一人称で対康成について語り、佐伯氏がフォローする形をとっている(かに見えた)。そして小さな康成の魂は細分化され、小川氏の中で生きている。それは日向であって、日向ではない。と言うように。

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