ランドマーク 講談社文庫

吉田修一

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784062757980
ISBN 10 : 4062757982
フォーマット
出版社
発行年月
2007年07月
日本
追加情報
:
15cm,221p

内容詳細

大宮の地にそびえたつ地上35階建ての超高層ビル。それはフロアがねじれながら、巨大な螺旋を描くという、特異な構造をもっていた。設計士・犬飼と鉄筋工・隼人、ふたりの毎日もビルが投影したかのように不安定になり、ついにゆがんだ日常は臨界点を超える。圧巻の構想力と、並はずれた筆力で描く傑作長編。

【著者紹介】
吉田修一 : 1968年長崎県生まれ。法政大学経営学部卒業。’96年「Water」が文學界新人賞最終候補となる。’97年「最後の息子」で文學界新人賞受賞。同作は第117回芥川賞候補となる。2002年『パレード』で第15回山本周五郎賞受賞、同年、「パーク・ライフ」で第127回芥川賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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感情にもねじれがある。不安定さを文章から...

投稿日:2021/04/11 (日)

感情にもねじれがある。不安定さを文章から視覚に投影され、感情がそこに巻きつくようでした。感情の描き方が良かった。

はらや さん | 大阪府 | 不明

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スパイラルビルの設計士と鉄筋工の心理。い...

投稿日:2012/01/22 (日)

スパイラルビルの設計士と鉄筋工の心理。いつもぎりぎりのところで生きてる感じがする。スパイラルビルのねじれて不安定なところがこの二人にもある。なんだか心がちょっとひりひりしてくる。

musicbook さん | 兵庫県 | 不明

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読書メーターレビュー

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • ヴェネツィア さん

    特異な螺旋構造を持つビルO-miyaスパイラルの建設を軸に語られる進行形の物語。主人公は、全体を見渡せる立場にある設計者の犬飼と施工現場で働く隼人の二人だが、彼らは互いにほとんど接点を持たないままに物語は構築されてゆく。門外漢の私などは諸手を挙げて感心してしまうくらいに、建築設計と施工現場がリアルに語られる。犬飼の行動は、その若干の逸脱も含めて予想の範疇を超えることはないが、隼人のそれはかなり珍しいものである。すなわち、彼が男性用の貞操帯を自ら装着している点がそうである。これはいったい何なのだろう。

  • ミカママ さん

    吉田修一さまお得意の東京(大宮も含む)オサレストーリー的な。大宮のランドマークとなるビル建築に関わる、建築士と下請けで働く労働者たちの物語が交互に語られる。修一さまは、本当に建築がお好きなのね。世が世ならば、建築士になりたかったんだろうな。登場人物、すべてが愛おしい。そして、建築士の住む、オサレなマンションは、やっぱり桜新町で決まりっ!⁽⁽◝(๑꒪່౪̮꒪່๑)◜⁾⁾

  • おしゃべりメガネ さん

    なんとも不思議な作風であり、読後感が残りました。なぜか強固な鍵付き貞操帯を着け、日々暮らしている「隼人」と奥さんと愛人に、日々振り回されて毎日を過ごしている「犬飼」のそれぞれの目線で語られていく作風は独特なテンポとともに印象的です。特に大きな起伏はありませんが、淡々としながらもちょっとした出来事に悩み続けている「隼人」になぜかしら好感が持てました。ラスト、恋人?と思われる女性とのくだりは、ちょっとしたユーモアもあって、ステキに感じました。ボリュームも少なく、最後まで飽きることなくイッキに読了できます。

  • みっちゃん さん

    「なんで、こんな(ことをするのか)それを訊いているんだよ」主人公のこの言葉、それがそのまま今の私の気持ちだ。フロアが捻れながら巨大な螺旋を描くという超高層ビル。その建設に関わる者たちの内面もいつか捩れ、絡まり合うというのか。安定↔️不安定、高揚感↔️絶望感、幸福↔️不幸と目盛りの幅が振り切れる程に揺れ動き、ある日、突然取るように見える突飛な行動に最後までついて行けなかった。終盤ハッピーエンドで終わるのか、と思わせてからの衝撃のラストも余りにも唐突で戸惑うばかりの自分がいる。

  • papako さん

    大宮にねじれたビルを建てる現場にいる隼人とビル建築の責任者の犬飼。交互に二人の視点で話が進む。壊れそうな隼人は貞操帯で踏み止まる。デザイナーズマンションの犬飼は少しずつずれていく。二人の車の速度の違いが、ビルに絡め取られる犬飼と逃げきる隼人を表しているみたい。ボルトが破断する描写は現実なのかしら。なんとも吉田さんらしい、不穏な空気と、妙な現実感のあるお話でした。

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人物・団体紹介

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吉田修一

1968年長崎県生まれ。97年「最後の息子」で第84回文學界新人賞を受賞し、デビュー。2002年『パレード』で第15回山本周五郎賞、「パーク・ライフ」で第127回芥川賞を受賞。07年『悪人』で第61回毎日出版文化賞と、第34回大佛次郎賞を受賞。10年『横道世之介』で第23回柴田錬三郎賞、19年『国宝

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