作曲家最長老のひとりペンデレツキ健在!
LPOと名作『広島の犠牲者』を披露!
1933年生まれ、86歳(11月生まれ)の巨匠作曲家クシシュトフ・ペンデレツキ。その彼がロンドン・フィルを指揮した自作3篇をメインとする貴重な記録。
ペンデレツキといえば1960年作の『広島の犠牲者に捧げる哀歌』で彗星のように現れ、世界の音楽界に衝撃を与えました。五線を黒く塗りつぶすトーン・クラスターによる弦楽器の鮮烈な音響は、今日でも超えるものなき天才的な発明とされています。それだけでなく、広島の惨劇を題材としていることもあり、現代音楽としては稀な知名度を誇っています。作曲者指揮による最新録音で聴くことができるのもたいへんな価値と申せましょう。
ペンデレツキは1976年にアイザック・スターンのために書いたヴァイオリン協奏曲で大幅に作風を変え、ロマンティックとさえいえるものとなりました。その後宗教音楽や映画音楽に携わり、今日でも精力的に活動しています。最近作として名手ラドヴァン・ヴラトコヴィチのために2008年に書いたホルン協奏曲と、1995年の交響曲第3番の第3楽章を2013年に弦楽オーケストラ用に改作した『弦楽のためのアダージョ』もとりあげています。
ホルン協奏曲は『冬の旅』のタイトルを持ちますがシューベルトの名作歌曲集とは何も関係なく、作曲の直前の冬に中国と南米をたびたび旅行したことを、ポーランドの自然あふれる美しい別荘で思い返しながら作曲したとされます。狩猟ホルンの響きが聞こえますが、全体としてとても暗い音楽なのがペンデレツキならではとなっています。(輸入元情報)
【収録情報】
ペンデレツキ:
1. ホルン協奏曲『冬の旅』 (2008)
2. 弦楽のためのアダージョ (1995/2013)
3. ヴァイオリン協奏曲第1番 (1976)
4. 広島の犠牲者に捧げる哀歌 (1960)
ラドヴァン・ヴラトコヴィチ(ホルン:1)
バルナバス・ケレメン(ヴァイオリン:3)
ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団
ミハウ・ドヴォジンスキ(指揮:3)
クシシュトフ・ペンデレツキ(指揮:1,2,4)
録音時期:2013年11月27日(3)、2015年10月14日(1,2,4)
録音場所:ロンドン、ロイヤル・フェスティバル・ホール
録音方式:ステレオ(デジタル/ライヴ)