ベリオ：フォーク・ソングズ、レン：11のフォーク・ソング　アルバーヌ・カレール、アンサンブル21

アルバーヌ・カレール／フォーク・ソングズ

ウィーン生まれで現在はフランスを中心に活躍するメゾ・ソプラノ、アルバーヌ・カレールと、ベルギーを中心に活動する「アンサンブル21」による民謡集。
　ルチアーノ・ベリオがキャシー・バーベリアンのために1964年に書き上げた『フォーク・ソングズ（Folk Songs）』は、古いレコードなどで聴いた各地の民謡を元に再作曲（recomposes）したもので、声楽と7人の器楽奏者という編成となっています。一方、ベルギーの作曲家ジャン＝マリー・レン[1955-]による『ここかしこの11のフォーク・ソング（Onze Folk Songs d'ici et d'ailleurs）』は、20年以上前に作曲した『フランデレン、フランスとワロンの7つの伝承歌』をアンサンブル21の求めに応じてベリオと同曲数、同様の編成に再構成したもの。2つの曲集のインスピレーションの違いも興味深いところで、民謡が本来持つ素朴な味わいを愛着を持って生かすレンの作品に対し、ベリオは原曲の特色を生かしながらも、その内容に周辺事情を加味してデフォルメし、初演者バーベリアンの幅広い表現力を駆使した作品に仕上げています。原曲を同じくする『森の小さなナイチンゲール』には、それぞれの方向性が端的に表れているといえるでしょう。
　カレールは特徴的な1曲1曲を安定した歌唱力と深みのある表情で歌い上げており、積極性の高い演奏でアクセントを添えるアンサンブル共々、このアルバムを聴きごたえのあるものにしています。ブックレットには歌詞とそのフランス語訳付き。（輸入元情報）

【収録情報】
● レン：ここかしこの11のフォーク・ソング
　01. Het was een Maged uitverkoren　選ばれた乙女（フランデレンの歌）
　02. Gekwetst ben ik van binnen　心の深い傷（フランデレンの歌）
　03. Cinqu' cints francs d'espargne　500フランの蓄え（ワロンの歌）
　04. Drive the cold winter away　寒い冬を吹き飛ばせ（イギリスの歌）
　05. La p'tit' berger' s'en va aux champs　小さな羊飼いが野へ出ると（フランスの歌）
　06. Cloques sonez　鐘よ鳴れ（ワロンの歌）
　07. I Macheroni　マカロニ（イタリアの歌）
　08. Durme　眠れ（セファルディムの歌）
　09. Rossignolet du bois　森の小さなナイチンゲール（フランスの歌）
　10. La bergere et le Monsieur　羊飼いの娘と紳士（ワロンの歌）
　11. Het daget in den Oosten　東の空が明けてくる（フランデレンの歌）

● ベリオ：フォーク・ソングズ
　01. Black is the Colour　黒はあの人の好きな色（アメリカ）
　02. I Wonder as I Wander　さまよいながら考える（アメリカ）
　03. Loosin yelav　月が昇った（アルメニア）
　04. Rossignolet du bois　森の小さなナイチンゲール（フランス）
　05. A la femminisca　女たち（シチリア）
　06. La donna ideale　理想の女性（イタリア）
　07. Ballo　バッロ（ダンス）（イタリア）
　08. Motettu de tristura　悲しみの歌（サルデーニャ）
　09. Malurous qu'o uno fenno　女房のある男は哀れ（オーヴェルニュ）
　10. Lo Fiolaire　糸紡ぎの女（オーヴェルニュ）
　11. Azerbaijan Love Song　アゼルバイジャンの恋歌（アゼルバイジャン）

　アルバーヌ・カレール（メゾ・ソプラノ）
　アンサンブル21（フルート、クラリネット、ハープ、ヴィオラ、チェロ、打楽器3名）
　マルク・コレ（指揮）

　録音時期：2023年3月20,21日、8月28,29日
　録音場所：ブリュッセル、スタジオ・ダダ
　録音方式：ステレオ（デジタル）