ソニークラシカル選定、バーンスタイン・ベスト・アルバム10枚はこれだ!
20世紀最大の音楽家レナード・バーンスタイン。1990年に亡くなってからもその音楽的意志は様々な形で受け継がれ、確固たる存在感を持っています。そんなバーンスタインが米コロンビア・レーベルに残した膨大な録音は、ニューヨーク・フィル史上初のアメリカ人として音楽監督をつとめ、当時最もダイナミックでカリスマ的な指揮者として、また輝かしいアメリカの象徴のひとつとして国際的な名声を築き上げた時期に生み出されたものです。その数多い名盤の中から、指揮者として、また作曲家としてのベスト・アルバムと高く評価されている10点を選び、米国初出盤オリジナル・ジャケット仕様で発売するのが当ボックス・セットです。
ニューヨーク・フィル音楽監督就任のわずか2か月後、1958年1月に録音されたストラヴィンスキーの『春の祭典』(ディスク11)はいまだに同曲の名盤として知られ、「興奮、自発性、根源的な怒りの表出という点で、他盤を凌ぐ」(Classics Today、2013年)と評されています。
作曲者没後100年の1960年に始まる「マーラー・ルネサンス」の担い手となったバーンスタインが成し遂げた記念碑的なマーラー交響曲全集録音の第2弾となり、師ミトロプーロスの追悼演奏会の直後にわずか1日で収録された交響曲第3番(ディスク9&10)。発売から半世紀経った今でも「素晴らしく活気に満ちた音」 (グラモフォン)と高評価のベートーヴェンの交響曲第3番『英雄』(ディスク1)、「決定的な録音というものは存在しないが、もしあるとすれば、この盤がその理想に最も近いものだ」 (Classics Today) と評されるドヴォルザークの最も人気のある交響曲第9番『新世界より』(ディスク5)、「これより優れた演奏が存在したとは思えない」 (Classical Net)と評されるハイドンの『パリ交響曲集』からの2曲(ディスク7)と、名曲の名盤が揃っています。
バーンスタインの「弾き振り」曲のひとつだったガーシュウィンの『ラプソディ・イン・ブルー』は『パリのアメリカ人』とのカップリング(ディスク6)で定盤として知られるもので、「このおなじみの作品に不可欠な名演の1つ」とニューヨーク・タイムズで評されています。またピアニストとして卓越した技量を持っていたバーンスタインは、比類なきキャリアの絶頂期にあったディートリヒ・フィッシャー=ディースカウとマーラーの歌曲集を録音し、実に濃密な音楽を聴かせてくれます(ディスク8)。師でありかつ友人でもあり、アメリカを代表する作曲家だったコープランドのバレエ音楽『ロデオ』と『ビリー・ザ・キッド』(ディスク4)もLP時代の決定盤です。
作曲家バーンスタインとしては、1956年の『キャンディード』のオリジナル・ブロードウェイ・キャスト・レコーディング(ディスク3)と、彼の最も有名な作品の決定盤、1957年の『ウェストサイド・ストーリー』のオリジナル・ブロードウェイ・キャスト・レコーディング(ディスク2)が含まれています(指揮はそれぞれクラックマルニックとゴーバーマンがつとめています)。
リマスターは、グラミー賞を受賞した『レナード・バーンスタイン〜ザ・コンポーザー』と『レナード・バーンスタイン・リマスタード』からの最新のものを採用し、ステレオ録音最盛期のコロンビアならではの輝かしく力強いサウンドが蘇っています。バーンスタインの魅力を手短に味わえる、ベスト・セレクションではないでしょうか。(輸入元情報)
【収録情報】
Disc1
● ベートーヴェン:交響曲第3番 変ホ長調 Op.55『英雄』
ニューヨーク・フィルハーモニック
レナード・バーンスタイン(指揮)
録音:1964年1月27日 ニューヨーク、マンハッタン・センター
Disc2
● バーンスタイン:『ウェストサイド・ストーリー』
オリジナル・ブロードウェイ・キャスト
マックス・ゴーバーマン指揮、ウェストサイド・ストーリー・アンサンブル
録音:1957年9月29日 ニューヨーク、コロンビア30番街スタジオ
Disc3
● バーンスタイン:『キャンディード』抜粋
オリジナル・ブロードウェイ・キャスト
サミュエル・クラックマルニック指揮、キャンディード・オーケストラ
録音:1956年12月9日 ニューヨーク、コロンビア30番街スタジオ
Disc4
● コープランド:『ロデオ』
ニューヨーク・フィルハーモニック
レナード・バーンスタイン(指揮)
録音:1960年5月2日 マンハッタン・センター
● コープランド:『ビリー・ザ・キッド』
ニューヨーク・フィルハーモニック
レナード・バーンスタイン(指揮)
録音:1959年10月20日 ボストン、シンフォニー・ホール
Disc5
● ドヴォルザーク:交響曲第9番ホ短調 Op.95『新世界より』
ニューヨーク・フィルハーモニック
レナード・バーンスタイン(指揮)
録音:1962年4月16日 マンハッタン・センター
Disc6
● ガーシュウィン:ラプソディ・イン・ブルー
レナード・バーンスタイン(ピアノ、指揮)
コロンビア交響楽団
録音:1959年6月23日 ニューヨーク、コロンビア30丁目スタジオ
● ガーシュウィン:パリのアメリカ人
ニューヨーク・フィルハーモニック
レナード・バーンスタイン(指揮)
録音:1958年12月15日 ニューヨーク、ブルックリン、セント・ジョージ・ホテル
● グローフェ:『グランド・キャニオン』
ニューヨーク・フィルハーモニック
レナード・バーンスタイン(指揮)
録音:1963年5月20日 ニューヨーク、フィルハーモニック・ホール
Disc7
● ハイドン:交響曲第82番ハ長調 Hob.I:82『熊』
ニューヨーク・フィルハーモニック
レナード・バーンスタイン(指揮)
録音:1962年5月7日 マンハッタン・センター
● ハイドン:交響曲第83番ト短調 Hob.I:83『めんどり』
ニューヨーク・フィルハーモニック
レナード・バーンスタイン(指揮)
録音:1962年4月8,9日 マンハッタン・センター
Disc8
マーラー:
● リュッケルトの詩による4つの歌
● 若き日の歌より
● さすらう若者の歌
ディートリヒ・フィッシャー=ディースカウ(バリトン)
レナード・バーンスタイン(ピアノ)
録音:1968年11月4-6日 ニューヨーク、コロンビア30丁目スタジオ
Disc9-10
● マーラー:交響曲第3番ニ短調
マーサ・リプトン(メゾ・ソプラノ)
スコラ・カントルム女声合唱団
トランスフィギュレーション教会少年合唱団
ニューヨーク・フィルハーモニック
レナード・バーンスタイン(指揮)
録音:1961年4月3日、マンハッタン・センター
Disc11
● ストラヴィンスキー:春の祭典(1913年版)
ニューヨーク・フィルハーモニック
レナード・バーンスタイン(指揮)
録音:1958年1月20日 ニューヨーク、ブルックリン、セント・ジョージ・ホテル