ティペット、マイケル(1905-1998)

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SACD 輸入盤

『われらが時代の子』 コリン・デイヴィス&ロンドン交響楽団

ティペット、マイケル(1905-1998)

基本情報

ジャンル
:
カタログNo
:
LSO0670
組み枚数
:
1
レーベル
:
フォーマット
:
SACD
その他
:
ライブ盤, ハイブリッド,輸入盤

商品説明

《LSO Live》
超優秀録音

巨匠デイヴィス&LSOによる最新アルバム
居並ぶもののない圧倒的な訴求力
ティペットの『われらが時代の子』

LSO Live最新アルバムは巨匠デイヴィスによるティペット。ことし2008年の作曲者歿後10年が目前に迫った昨年、12月16日と18日の2日に渡り行なわれた『われらが時代の子』ライヴ録音です。ティペットの信頼も厚いエキスパートとして、すでにBBC響(1975年)、シュターツカペレ・ドレスデン(2003年ライヴ)とこの作品の録音を残しているデイヴィスですが、声楽をともなう大掛かりな内容ということもあり音質面の優位性に加え、コーラスによる二重フーガなどの場面で空間再現性に威力を発揮するマルチチャンネルSACD仕様でのこのたびのリリースは大いに歓迎されるところです。
 『われらが時代の子』は非人道的行為に対する抗議と平和への希求というメッセージが結晶化された反戦大作。第2次大戦前夜、同胞への弾圧に対する義憤に駆られたユダヤ人青年によるドイツ人書記官暗殺に端を発した未曾有のユダヤ人排斥事件(いわゆる「水晶の夜」)はティペットを恐怖と怒りで大きく震撼させました。この出来事に駆り立てられ、ティペットが1939年から2年の歳月をかけて完成させたオラトリオは、ヘンデルのメサイアと、バッハのマタイ受難曲をモデルにしつつ、さらにバッハでのコラールに替えて「黒人霊歌」を採用するなどの独自の特徴がみられます。
 デイヴィスを超えられるのはやはりデイヴィスしかいない−目下最高の状態にある手兵LSOとのあらたな『われらが時代の子』は前人未到、3種目にしてもはやほかに比較するもののない孤高の域に達しているというべきでしょう。

「かれ(サー・コリン・デイヴィス)がそうするほどに確信をもって、ティペットの断裂した線を結び合わせる巨匠などほとんどいないようにおもわれる。したがって、このあとに引き続いて起きるのは、われらが時代の子の衝撃的な演奏にほかならない。デイヴィスは全曲にひとを奮い立たせる活力と弾む調子とを吹き込んだ−それは深い情感を損なうというよりはむしろ強めた…かれはロンドン交響合唱団からとびきり痛烈な歌唱を引き出した…そしてソリストらもまた立派にこなした。」−タイムズ紙

シベリウス、ベルリオーズにモーツァルトそしてティペット…キャリアの総仕上げの段階に入り母国に落ち着いて、LSO Liveでは思い入れの深いプログラムのみをじっくりと取り上げている巨匠デイヴィス。当アルバムはティペットが投げかけた普遍的なテーマをいま、あらためてわたしたちに重く問い掛けるものです。(キングインターナショナル)

・ティペット:オラトリオ『われらが時代の子』

 インドラ・トーマス(ソプラノ)
 藤村実穂子(アルト)
 スティーヴ・ダヴィスリム(テノール)
 マシュー・ローズ(バス)

 ロンドン交響楽団&合唱団
 サー・コリン・デイヴィス(指揮)

 録音時期:2007年12月16&18日(ライヴ)
 録音場所:ロンドン、バービカンホール(ライヴ)
 プロデューサー:ジェイムズ・マリンソン
 エンジニア:ジョナサン・ストークス、ニール・ハッチンソン
 DSD Recording
 SACD Hybrid
 CD STEREO/ SACD STEREO/ SACD SURROUND (5.0ch)

収録曲   

  • 01. ティペット:オラトリオ 『われらが時代の子』

総合評価

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5.0

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ヨーロッパをナチスの横暴が吹き荒れていた...

投稿日:2021/03/13 (土)

ヨーロッパをナチスの横暴が吹き荒れていた1938年、ドイツのポーランド系ユダヤ人に対する国外追放に抗議して、パリ在住のユダヤ人青年がパリのドイツ大使館員を射殺するという事件が起こった。これは「国際ユダヤ人組織によるテロ」としてドイツ国内での反ユダヤ感情をあおるプロパガンダに利用され、その数日後には「水晶の夜」と呼ばれるユダヤ人襲撃に発展していく・・・。 マイケル・ティペットの「われらの時代の子」とは、このユダヤ人青年のことである。 この出来事やナチスのユダヤ人迫害に心を痛めたティペットは、詩人の T. S. エリオットに詞を依頼するが、逆に自分の言葉で語るよう励まされ、自身の言葉に曲を付けて1942年にオラトリオとして完成させた。ユダヤ人の迫害をイエスの受難になぞらえ、バッハの「マタイ受難曲」を手本として、合唱によるコラールの部分には黒人霊歌を用いている。かつてカナンの地を追われたユダヤ民族や迫害されたイエスを、自らの奴隷の境遇に重ねた黒人霊歌を、再度迫害されたユダヤ人の心境を歌うものとして使っているわけである。  曲が完成したのは、まだノルマンディー上陸作戦などが行われる前にもかかわらず、ティペットの詞は人間性や人本来の理性を信じる希望によって閉じられ、最後に置かれた黒人霊歌「深い川」が大きな感動を呼び起こす。  20世紀を象徴する10曲に含めてよい名曲だと思う。 (その後イスラエルがパレスチナ住民を迫害することになるのは、ティペットの信じた人間性に逆行することになるが・・・)  コリン・ディヴィスはこの曲の演奏・普及に情熱を燃やし、生涯に3回録音を行なっており、このCDはその最後のものである。状況の語り部やユダヤ人青年の叔母役として、アルトの藤村実穂子さんが参加している。

Tan2 さん | 神奈川県 | 不明

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現代音楽が、世の不条理、生きる喜びと、悲...

投稿日:2012/03/26 (月)

現代音楽が、世の不条理、生きる喜びと、悲しみ、夢と希望、平和と抑圧を描かずして、何を訴えようか。コリン・デイヴィスが、エルガー、ブリテン、ディーリアスなど自国の優れた、こうした作曲家の作品を、取り上げ続けるのは正しい。有難く聴かせて頂く。欧州での評価の高い日本人、藤村美穂子さんの歌唱が聴けるのも、嬉しい。「我らが時代の子」、大変な時代に生きているものです。確かに便利、でも、生きづらさ、病い、憎しみは、変わらない。否、溜まり続ける原子力の毒のように、増え続ける・・・。

sunny さん | 兵庫県 | 不明

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この重くてやるせない沈痛と、ここに込めら...

投稿日:2008/10/25 (土)

この重くてやるせない沈痛と、ここに込められた余りにも大きくて矛盾を孕む困難な主題、そして何よりも真摯にして暗く強烈なメッセージ性に支えられた圧倒的な歌唱に打ちのめされてしまうのだ。オケのサポートも盤石で、精緻で破綻のない完璧な演奏だ。そしてソリストもコーラスも不自然に突出したところはなく、悲痛でありながら未来に希望を繋ぐべく詩を訥々と紡ぎ続けるのであった。

MusicArena さん | 神奈川県横浜市 | 不明

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