シェーンベルク(1874-1951)

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Blu-ray Disc 輸入盤

『モーゼとアロン』全曲 カステルッチ演出、フィリップ・ジョルダン&パリ・オペラ座、T.J.マイヤー、グラハム=ホール、他(2015 ステレオ)(日本語字幕付)

シェーンベルク(1874-1951)

基本情報

ジャンル
:
カタログNo
:
BAC436
組み枚数
:
1
レーベル
:
:
Europe
画面サイズ
:
ワイドスクリーン
:
カラー
フォーマット
:
Blu-ray Disc
その他
:
輸入盤

商品説明

シェーンベルク:モーゼとアロン
フィリップ・ジョルダン&パリ・オペラ座
ロメオ・カステルッチ演出

日本語字幕付き

旧約聖書の「出エジプト記」の第3、4、32章を下敷きとしてシェーンベルク自身が台本を作成したこの『モーゼとアロン』。もともとはカンタータ「モーゼと燃える柴」として構想され、様々な変遷を経て最終的に3幕のオペラとして作曲が進められました。1931年に第1幕、その翌年1932年には第2幕が完成するも、第3幕のスケッチをしている時にナチスの迫害によってアメリカに移住。それとともに第3幕の方向性も変化し、逡巡の末、最晩年まで第3幕を推敲したのですが、結局は完成を見ずにシェーンベルクはこの世を去っています。全編十二音技法を駆使して書かれており、演奏はとても困難。もちろん聴き手にも大変な緊張と集中が求められます。その上、カステルッチの演出も非常に大胆かつ難解であり、とりわけ近未来的な装置が置かれた舞台上の裸の女性と、黒いインクをかけられる雄牛、またビデオ・テープで緊縛される男性が何を象徴しているのかを理解するのは困難かもしれません。しかし繰り返して観ることで、ジョルダンが紡ぎ出す音楽の無機質な美しさも含め、全体像が見えてくる壮大で詩的な映像です。(輸入元情報)

【収録情報】
● シェーンベルク:歌劇『モーゼとアロン』全曲


 モーゼ…トーマス・ヨハネス・マイヤー(語り手)
 アロン…ジョン・グラハム=ホール(テノール)
 若い娘…ジュリー・ディヴィス(ソプラノ)
 病気の女…キャサリン・ウィン=ロジャーズ(アルト)
 若い男…ニッキー・スペンス(テノール)
 裸の男…ミヒャエル・プフルム(バリトン)
 一人の男…イム・チェウク(バリトン)
 エフライム…クリストファー・パーヴス(バリトン)
 司祭…ラルフ・ルーカス(バス)
 4人の裸の少女…ジュリー・デイヴィス、マーレン・ファヴエラ、ヴァレンティナ・クツァロヴァ、エレナ・スブロヴァ
 3人の老人…キン・シンハエ、オリビエ・エヨー、ツァオ・ジャンホン 他

 パリ・オペラ座合唱団
 オー・ド・セーヌ聖歌隊
 パリ・オペラ座児童合唱団
 ホセ・ルイス・バッソ(合唱指揮)
 アレッサンドロ・ディ・ステファーノ(合唱指揮アシスアント)

 パリ・オペラ座管弦楽団
 フィリップ・ジョルダン(指揮)

 演出・装置・衣装・照明:ロメオ・カステルッチ
 アーティスティック・コラボレーション:シルビア・コスタ
 ドラマトゥルギー:ピエルサンドラ・ディ・マッテオ、クリスティアン・ロンチャンプ

 収録時期:2015年10月
 収録場所:パリ、バスティーユ歌劇場(ライヴ)

 収録時間:113分
 画面:カラー、16:9、1080i High Definition
 音声:PCMステレオ、dts-HD Master Audio 5.1
 字幕:英語、ドイツ語、フランス語、韓国語、日本語
 50BD
 Region All

 ブルーレイディスク対応機器で再生できます。

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まもなくバイエルン州立歌劇場の『タンホイ...

投稿日:2017/06/06 (火)

まもなくバイエルン州立歌劇場の『タンホイザー』が日本でも観られるカステルッチの読み替え演出はそれなりに面白く見せつつも、作品の哲学的含意を重視した、なかなか高尚な舞台。冒頭、モーゼが神の啓示を受けるシーンでは空中でテープレコーダーが回り、そこから黒い磁気テープがモーゼのもとまで降りてくる。かつては最前衛だったが、今や時代遅れのテクノロジーになってしまったオープンリールのテープレコーダーを「十二音技法」の比喩と見れば面白い。ユダヤ・キリスト教もヨーロッパ知識人の間ではとっくに時代遅れなわけだけど。モーゼとアロンの出会い以降の場面では背景や紗幕に様々な言葉が文字として投影される。言葉それ自体が避けがたく形象、つまり「偶像」を招き寄せてしまうという最終場のテーマの先取り。アロンが幾つかの奇蹟を演じて見せる第1幕終盤(近未来風だけど実はアナログな、大きなペニスのような機械装置が持ち出される)はすべて紗幕の中で演じられ、モーゼ一人だけが紗幕の手前に出てしまう。彼だけが疎外されているという状況の鮮やかな視覚化。第2幕になるとアロンは磁気テープという時代遅れのイデオロギーで緊縛されて身動きできなくなり、人々は好き勝手に乱痴気騒ぎを始めてしまう。このシーンは白服の人々が黒い墨汁まみれになるという分かりやすいが、いささか陳腐な表象で表現され、全裸の女性(ただし一人だけ)や本物の雌牛(立派な乳房があるので雄牛ではない)は出てくるものの性的なモティーフはごく控えめ。ルール・トリエンナーレのデッカー演出のような露骨なものを期待すると、肩すかしを食う。 マイヤーとグラハム=ホール(後者はややリリックな声だが)の両主役は理想的な演唱。フィリップ・ジョルダン指揮のオケとコーラスはすこぶる精緻でありながら、オペラとしての「劇的」な面白みも十分。このコンビの近年の好調さがうかがわれる。

村井 翔 さん | 愛知県 | 不明

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