20世紀の女性作曲家たち
レベッカ・クラーク、リリ・ブーランジェ、エイミー・ビーチ
このアルバムに収録された3人の女性作曲家たち。19世紀台における女性の地位は、現在では考えられないほどに規律にしばられていて、どれほど才能がある女性でも社会で自由に活躍することは、とても困難であったことは間違いありません。
イギリスの作曲家レベッカ・クラーク[1886-1979]は優れたヴィオラ奏者でもありましたが、作曲家として認められるまでには数々の苦難があり(コンクールに応募する際は男性名を用いたほど)彼女自身も「女性が作曲すること」に疑問を抱いていた節がありました。しかし完成された作品からは紛れもなく天才の香りが漂っています。
リリ・ブーランジェ[1893-1918]は著名な音楽一家に生まれ、姉ナディアも音楽家として大成しています。リリはもともと体が弱く、将来は望めないと宣言されていたにもかかわらず、素晴らしい神童ぶりを発揮したのですが、その才能もきら星の如く、たった24歳で散ってしまうことになります。残されたいくつかの作品は、後世の作曲家たちに影響を与えています。
それに引き換え、アメリカの作曲家エイミー・ビーチ[1867-1944]は、その優れた才能をある程度発揮することができたようです。もちろん家庭の理解や本人の資質も大きかったのでしょう。そのため現在でも「創造的な作曲家として成功した最初のアメリカ人女性」として讃えられています。今の時代、果たして彼女たちの作品は、どのような位置にあるのでしょうか。(DYNAMIC)
【収録情報】
● クラーク:ピアノ三重奏曲 (1921)
● L.ブーランジェ:哀しみの夜 (1918)
● L.ブーランジェ:春の朝に (1918)
● ビーチ:ピアノ三重奏曲 Op.150 (1938)
● ビーチ:歌とピアノ三重奏のための『6月』 Op.51-3 (1903)
● ビーチ:歌とピアノ三重奏のための『幻影』 Op.100-1
● ビーチ:歌とピアノ三重奏のための『ステラ・ヴェアトリス』 Op.100-2
● ビーチ:歌とチェロ、ピアノのための『愛の歌』 Op.21-1
トリオ・デ・アルプ
ミリアム・チョップ(ヴァイオリン)
クロード・ハウリ(チェロ)
コッラード・グレコ(ピアノ)
ロルナ・ウィンドソー(ソプラノ)
録音時期:2014年3月24-26日
録音場所:チューリッヒ、SRF放送スタジオ
録音方式:ステレオ(デジタル/セッション)