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Review List of Xm 

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     2011/08/06

    未発表音源のアーカイブ集第2弾。デビュー・ライブ・アルバム('74年)以前の'73年のものから'75年までを集めたもので、特に'73年のものは数が少なく貴重です。
    デビュー・アルバムもそうだったけど、特に長尺の曲は、最初はフュージョン風のジャズロックで始まるので「なんだ、こんなものか?」と少しがっかりしますが、曲が進むにつれ白熱してきていつの間にかアヴァンギャルド・シンフォニック・ロックになって曲にハマってるというパターンが多いです。
    このアルバムもその例に漏れずポップかなと思うとマニアックだったり、ダサいかなと思うと粋だったり結構つかみどころがないバンドでした。
    しかし、'70年代後半からは、このパターンも崩壊してしまい、フュージョンのままあまり盛り上がらずに終わったり、ニューウェーブ風のダンサブルなポップ・チューンだったり、まぁ良くてスペイシーな叙情派シンフォかな?

    早いうち('75年くらい)に解散してしまっていれば、今頃は東欧の伝説的なバンドになっていたことでしょうね…

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     2011/08/05

    イギリスの誇りトライフル'71年作唯一のアルバムにしてブラス・ジャズロックの一つの完成形。
    メンバーが馬に跨がるブックレットの姿も凛々しい英国的ジェントルなダンディズムを感じさせる大人のジャズロック。
    クールな演奏ながら徐々に熱をおびていく様は圧巻。
    ウォーラス、ヘヴン、ウェブ、パラディンなど同時代・同系統のバンドの中でも群を抜いています。

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     2011/07/27

    エトロン・フー・ルルーブランのドラマーだったギグー・シュヌヴィエの'82年作1stソロ・アルバム。
    オリジナル挿話を元にしたコンセプトアルバムで、打楽器のほかにサックス、フルート、ピアノ、ハーモニュウムなど様々な楽器を使いこなしている。
    エトロン...時代のアグレッシブさはないが、室内楽的なアンサンブルのロックオペラ的なもので、シニカルでユーモラスだが、時にミステリアスな雰囲気も持っており、なかなかの完成度だと思う。

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     2011/07/26

    このバンドは、スペインのカンタベリー系といわれているみたい。
    カンタベリー系初期のシニカルな雰囲気もあるけど、クラシックの曲をアレンジしたり管弦楽をフィーチャーしたシンフォニック・ロックだったりする。
    かと思うと、妙なノリのサイケ・ファンクだったり、ネーミングどおりジャズ・ロックからフュージョンのようなものもある掴みどころがないバンド。
    いろんな音楽を取り込んで、ぶちまけたって感じかな…。

    次は何が飛び出してくるかわからないところが、おもしろい。

    最後は中途半端な盛り上がりで終わるあたりの安っぽさも逆に味があって良いです。

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     2011/07/23

    '72年リリースのコンピレーション盤。
    ドイツのこの時期には珍しくカントリー調もあるアメリカン・テイストの正統派(?)オルガン・ヘヴィー・ロック。
    とはいえ、題名・歌詞とも独語で、その語感と、あとを引きずるような粘っこいプレイは、英米ものとは明らかに違いジャーマンそのもの。
    時折みせるサイケ・アート感覚もこの時期のドイツならでは。
    演奏と同様にあとを引きずる味があります。

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     2011/07/19

    カナダはケベック出身「オパス・サンク」'76年の1stアルバムです。
    優美な抒情性を秘めた完成度の高い曲作りは、抜群のテクニックにより唯一無二の世界を構築しています。
    その演奏は、GENTLE GIANTや同郷のET CETERAのように変則的なリズムを用いたりもしますが、それが、テクニック至上主義に陥らず、自然な曲の流れの中で効果的に使用されています。
    アンサンブルの緻密さと繊細な曲作りは優美なフランス語の詩と相俟って、素晴らしい感動をもたらします。
    今まで知らなかったことを後悔するようなマニア心をくすぐる隠れた名盤だと思います。

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     2011/07/19

    ドイツのアシッド・フォーク・デュオ'71年作。
    ラッパの音がトボケた雰囲気のサイケ・フォークからドイツ的なダークな憂愁を感じさせるシリアスな曲、児童合唱団をフィーチャーしたトラッド、フラメンコギターを彷彿とさせるミニマルでスペイシーな曲までバラエティーに富んでいて飽きさせません。
    全体に独語のぎこちなさとお世辞にも上手いとは言えない演奏がドラッギーなアングラ感を醸し出し癖になります。
    '70年代のジャーマンものは、これだからやめられません。

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     2011/07/18

    北米のPROG ROCKはヨーロッパ、しかも北欧を感じさせる洒落たセンスを持ったバンドが多い。
    このカナダはケベック州出身のコンヴェンタムも緻密なアンサンブルと高度な音楽性を持っておりチェンバー・ロックという陳腐な範疇に納まらず、前衛音楽パフォーマンス集団といった趣だ。
    フランス語の語感を活かしたモノローグ・演劇風ヴォーカルとコーラス、クラシカルな室内楽風アンサンブルは、リズムセクションのドラムスがなくても十分刺激的でエキセントリックだ。
    総勢15人(内ゲスト7名)とは思えない凝縮した音作りはサイケ、アヴァンギャルド、現代音楽、民俗音楽などバラエティーに富んでいて実に素晴らしい。
    PROG ROCKファンはもとより、CLASSICファン、民俗音楽ファン等すべての音楽愛好家に聴いて貰いたいアーティストだ。

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     2011/07/18

    羊の鳴き声で始まるこの不思議なアルバムは、なにやら宗教儀式めいたシャーマニズムの香りがする。
    '70年代初頭ドイツのアシッド・フォーク、サイケ、アヴァンギャルド、コミューンなどの混沌とした時代が産み落とした産物。
    これを単なる雰囲気だけのゲテモノとみるか、混沌とした音の中に整然としたドイツ的合理主義を感じとることができるかで評価が分かれるところだろう。
    何回も聴くに堪えうる完成度の高い作品とみるのは私だけだろうか?

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     2011/07/03

    このダサいジャケとベタなタイトルを見る限り、月並みなシンフォ系プログレバンドだと思ってしまうが、この1stは、なかなか面白い音を聴かせる。
    「シンフォニック・ピクチャーズ」というタイトルのわりには音数は以外に少なく、個々のテクニックとアンサンブルで聴かせる。
    GENTLE GIANTやSAMLA MAMMAS MANNAあたりのユーモアを感じさせるところもあるが、ドイツのバンドらしくもっと粘っこくてヘヴィーだ。
    スペイシーでオドロオドロしい雰囲気もあるが、盛り上がる直前で冷静さを保つあたりは単なる下手物趣味ではない。

    特に付属のライヴ盤のヘヴィーで暗いアヴァンギャルド・テクニカル・ロックは録音状態の悪さを補って余りある素晴らしさだ。
    ただし、このバンドの2ndとラストは聴きやすい月並みなプログレバンドになってしまって面白くありません…

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     2011/06/30

    本人たちもプログレという範疇で括られるのが不満であったということだが、確かにこのグループは他のプログレ・バンドとは一線を画している。

    時代がプログレ全盛期ではないということもあるが、'70年代のプログレの特徴である所謂ジャズロックでも一大叙情詩的なものでもない。

    確かにジャズロック的なアプローチも無くはないのだが、どちらかというと時にはジャズ、時にはロック、時にはクラシックの各ジャンルの音楽が融合されずに曲ごとに様相を変えて現れるといった印象が強い。

    しかしながら、それが単なる興味本位のゲテモノにならないのは東欧特有の確かなテクニックに裏打ちされた高度な音楽性を持ち合わせているからに外ならない。
    クラシカルな芸術性の高さでは他のプログレ諸勢の追随を許さない。

    ギターやピアノなどのソロも間奏曲風で効果的。

    一大叙情詩ならぬモノローグを伴うオペラ風の作品に仕上がっている。

    特にこのアルバムは、以降の大編成になる前の室内楽的なバランスの良さと賛美歌的なコーラス、洗練されたソロパートが際立つオリジナリティ溢れる現代風プログレの傑作だと思う。

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     2011/06/18

    わざとらしいヘタな演奏とトボけた曲作りがローファイでスカスカな雰囲気を演出し、特にチェロやヴィオラの弦楽器がいい味出しています。
    テキトーに演っているみたいだけど、シュールな面白さがあります。

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     2011/06/13

    カナダ出身のBERNARD BONNIERが1984年にリリースしたエレクトロ音響作品だが、オリジナルLPは1979年に発売されていたらしい。
    電子音、各種サンプリング・コラージュ等のミュージックコンクレートにニューウェイヴ風のダンスミュージックを組み合わせたもので、映画音楽・ドゥーワップ風のポップスをサンプリングしているあたりはFELIX KUBINのアプローチに似ているが、ジャーマン系のものほど重厚で鋭利な深刻さはなく、フランス語圏らしい洒落っ気の効いた落ち着いた響きとなっている。
    全体的に大きな起伏はなく、淡々としたリズミカルな反復音で展開されていく曲が多いが、音作りの上手さとセンスの良さが光る秀作だ。

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     2011/06/12

    この人、次作の「AUM」以降はヒーリングミュージック的になっていって特にドイツ人ということにこだわらない音作りになったためか、英語読みのデューターが一般的な発音になっているみたいだが、この1stアルバム「D」だけは「ドイター」とドイツ語読みをしたくなるようなエレクトロ系クラウト・ロックの真髄を聴かせてくれる。
    KLUSTER、初期のTANGERINE DREAM、EDGAR FROESEのソロに近い雰囲気を持つが、ノイジーなギターや野太く重厚なベースライン、東洋的な音階・楽器を模したミニマルな音作りは後のトランス、テクノを彷彿とさせるなど独自の魅力を放っている。

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     2011/05/22

    ジャケットを見ると夜行列車の壮大な旅行を彷彿とさせますが、このディスクから流れて来る音は、さしずめ各駅停車のローカル線の列車で車窓からの風景を楽しみながら異国の地を小旅行している風情。
    どことなく懐かしく親しみ易いメロディーとチープなキーボード、木琴、シタールなどで素朴で愛らしい情感が漂います。
    汽笛、小川のせせらぎ、小鳥のさえずりなどの音を模した演奏も安っぽいけど何故か心和みます。
    中近東の音楽は、これまでにもいろいろ発掘されていますが、今までのものと一味違うので、この手のものに食傷気味という人にも気に入ることと思います。

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