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6 people agree with this review 2010/05/20
まぁ、いろんなご意見もあろうかとは思いますが、いろんなスタイルのショパン演奏があってもいいと思います。すべての演奏家が同じ指向性を備えていることのを期待する、というのも寂しいことのように思います。私は、バレンボイムのリリカルな音感覚に酔いました。人として生きる業の深淵を見つめるようなショパン演奏のインパクトは強烈でしょうが、音の響きに宇宙の営みを想うのも音楽の存在価値であるのではないでしょうか。
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0 people agree with this review 2009/09/20
小澤さんのベートーヴェンは、ライヴでは一発勝負の感動を何時も受けるのだが、CDではサンフランシスコ響とのエロイカ、ボストン響との第5、ニューフィルハーモニアとの第9など、踏み込みが足りないというより、踏み込まないスタンスが何かすっきりしない聴後感を残していて、サイトウ・キネンとの一連のシリーズにも手が伸びないでいた。が、先日音楽塾オーケストラとの第7を聴いたこともあり、他盤を手にしたついで購入したのだが、この第5はどうだろう。ここには一個の小澤征爾という唯一無二の音楽家の完成形が刻印されているのではないか。我々が踏み込もうとすれば、ここから十二分にベートーヴェンが鳴る。フォルムを磨きながらパッションを潜ませる。これはカラヤン流の行き方だが、小澤さんの音感覚はもっと研ぎ澄まされている。聴覚を失ってゆくベートーヴェンの脳内の音感覚がいよいよ研ぎ澄まされていった事は誰もが知るところであるなら、逸脱した情熱をもって論理的に構築された(決して苦悩から歓喜へなどというセンチメンタリズムではない)第5への、ひとつの理想的な演奏が実現されていると言っても過言ではあるまい。説得力を獲得したこの個性を他の個性と比較してみることに何の意味があろう。私たちは宝を得ているのだ。
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2 people agree with this review 2009/06/11
小澤さんのベートーヴェンは、ライヴでは一発勝負の感動を何時も受けるのだが、CDではサンフランシスコ響とのエロイカ、ボストン響との第5、ニューフィルハーモニアとの第9など、踏み込みが足りないというより、踏み込まないスタンスが何かすっきりしない聴後感を残していて、サイトウ・キネンとの一連のシリーズにも手が伸びないでいた。が、先日音楽塾オーケストラとの第7を聴いたこともあり、他盤を手にしたついで購入したのだが、この第5はどうだろう。ここには一個の小澤征爾という唯一無二の音楽家の完成形が刻印されているのではないか。我々が踏み込もうとすれば、ここから十二分にベートーヴェンが鳴る。フォルムを磨きながらパッションを潜ませる。これはカラヤン流の行き方だが、小澤さんの音感覚はもっと研ぎ澄まされている。聴覚を失ってゆくベートーヴェンの脳内の音感覚がいよいよ研ぎ澄まされていった事は誰もが知るところであるなら、逸脱した情熱をもって論理的に構築された(決して苦悩から歓喜へなどというセンチメンタリズムではない)第5への、ひとつの理想的な演奏が実現されていると言っても過言ではあるまい。説得力を獲得したこの個性を他の個性と比較してみることに何の意味があろう。私たちは宝を得ているのだ。 蛇足だが、残念ながら第7の方は同日の談ではない。
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