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Review List of ハイドン愛好家 

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  • 4 people agree with this review
     2011/02/11

    この全集に収められた作品群を聞くと、エステルハーザとは、言わば「音楽のガラパゴス」と言うべき空間だったのだなと実感させられる。孤立していたが故に独自の進化を遂げた世界。それは時にいびつだったり不格好だったりするが、その規格から外れた異形さがたまらなく愛らしくもある。ハイドンの初期ディヴェルメントはそれ自体で完結した小宇宙であり、質的に「朝」「昼」「晩」交響曲と変わらない(あるいはそれ以上の)奇想幻想に溢れている。特にHob.U:17は、ハイドンが初めてクラリネットを使った30分近い大曲であり、このフスの演奏以外録音がないようなので非常に貴重である。ここでのクラリネットの使い方は吹奏楽的で、メロディアスではないが、ユニークで楽しい。Hob.U:16やHob.U:24のイングリッシュ・ホルンの音色の面白さ、Hob.W:1のホルンとチェンバロの音色の取り合わせの妙など、聞き所に満ちている。録音は少し癖があるが、これらの曲の魅力を十分伝えている。ハイドンの初期ディヴェルメントはもっと古楽器演奏による録音が増えてほしいジャンルである。

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     2010/10/09

    こもったような響きで高音がキンキンする。ステレオだが音質はあまり良くない。演奏は堅実実直正攻法。ただ秋の最終合唱にカットがあるのが残念。ベームの愛好者でなければ、無理に買う録音ではない。同じベームのスタジオ録音の方が音が格段に良くハイドンの輝かしいオーケストレーションの妙が楽しめる。

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  • 2 people agree with this review
     2010/09/08

    第一番は文句なしの名演。ビルスマの痩せているがきびきびとしたチェロが楽しめる。問題は第二番。第一楽章提示部の末尾から展開部の初めにかけての部分が全面的に削除されている。これはどういう根拠にもとづくものなのか。この曲がハイドンとクラフトの共作であるというビルスマの主張と関係があるのかと思ったが、ライナーノートを見ても関係があるようには見えない。音楽的に見てもこの削除は曲の古典的均整を崩しただけの改悪にしか聞こえない。第三楽章の最後でもオーケストラによる主題の再現部分がカットされている。他の部分が非常に美しいだけに残念。なぜハイドンの自筆譜に抵抗してまでこのようなカットを行うのか分からない。主題を繰り返し過ぎて冗長と思ったのかもしれないが、この曲の場合はその繰り返しが魅力になっていると思う。クラフトのチェロ協奏曲は二管編成の大規模なオーケストラをバックにしたそれ自体としては快活で華やかな佳曲であり、もっと聞かれて良い音楽であるが、ハイドンの陰翳や深みはない。ライナーノートのデニス・スティーヴンスの解説によれば、ハイドンの二番に対するクラフトの助言は、メデンルゾーンに対するフェルディナンド・デイヴィッド、ブラームスに対するヨーゼフ・ヨアヒムのそれと同程度のものだったと言う。とすれば、ハイドンの場合だけクラフトとの共作とするのはおかしい。

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     2010/07/16

    この曲集の価値は膨大なバリトントリオもさることながら、二つのバリトンとバスのためのカッサシオンとバリトン二重奏曲が収録されていることにある。これらの作品はハイドン150CDのセットには含まれておらずこのセットでしか聞けない。これらの曲は快適だがどこかに哀愁を含み、ハイドンを愛する人は必ず聴くべき傑作だ。また疾風怒濤時代に書かれたバリトン八重奏曲は、二本のナチュラルホルンと古楽器の弦楽の音色のブレンドの仕方が絶妙で、変化に富んだ生き生きとした音楽は、ハイドンのバリトン音楽の集大成であると同時にバリトンへの別れの歌ともなっている。

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     2010/02/03

    痩せて鋭くどこまでも真っ直ぐな気持ちの良い弦楽、カラフルでモダンな木管、派手に爆発する金管と、ハイドンのオーケストレーションの豊かさ美しさが明快な録音で存分に味わえる。たとえば104番のフィナーレの最後、弦が主題を強奏する上で鳴り響くトランペットのファンファーレ(ブルックナー的とも言える)を、ノリントンほど目立たせて鳴らした例はCDではほとんどないのではないか。盛り上げるところは盛り上げ、流すところはあっさり流す、その自在さは聞いていて癖になってしまう。ピリオド奏法を取り入れたモダンオケでのハイドン演奏として一つの完成形を示している。

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