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Review List of micarosu 

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     2015/05/24

    アルバムを再生して、初めに「好きをこえたヒト」が流れてきた瞬間、このアルバムが名盤であると感じた。

    一曲目はアルバムの印象を左右する重要な曲だ。
    明るい曲で一気にテンションを上げたり、インスト曲で始まりをより強調することもできるが、彼らは「好きをこえたヒト」という真骨頂である感情を揺さぶるような聴かせる一曲を持ってきた。

    これは自身がなければなかなかできない。
    事実、この楽曲で感情を揺さぶられたと思ったら、「最終バス」、「ここから」とさらに聴かせる楽曲が続くのだから、これで惹きこまれないはずがない。

    聴き進めると、「愛賛歌」のような愛がテーマの壮大な楽曲や、「産声」のように少し荒々しさを出した力強い楽曲でまた新たな印象を与えてくれる楽曲で楽しませてくれるだけでなく、「イマジン」の夢を真摯に歌い上げる姿に思わず聴き入らせてくれたりと、USAGIの持つ魅力に次々と出会える。

    そして、最後を飾る「スタッフロール」がアルバムを凝縮したエンドロール的な一曲になっていて、ここまであった出来事を表すようなドラマチックな音色と、携わってきた全ての人へのありがとうの気持ちを込めた歌声に、また感情を揺さぶられてしまう。

    最初から最後まで、聴き手の心に訴えかける一枚のアルバム。
    その想いを感じてみてほしい。

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     2015/05/19

    音の深化。
    それにより、ピロカルピンの魅力を最大限に引き出している。

    それは「BE FREE」を聴いた瞬間から感じることになる。

    ピロカルピンらしい独特な疾走感を持った一曲だが、明らかに違うと感じるのは躍動感。
    今までは聴かせるような音の仕上がりだったのが、この曲では直感で良いと思える音を奏でている。

    これは音の深化の一つの形。
    続くピロカルピンらしさ全開の「箱庭の世界」、静かな広がりを見せる「ワンダーワールド」と同様に躍動感ある音を聴かせてくれ、ここまで聴けば間違いなく良いアルバムになっていることに気づくことだろう。

    音の深化は反対の方向にも研ぎ澄まされていて、アコギ主体で繰り広げられる「波の音」の混沌とした世界観には、一瞬で吸い込まれてしまうほどの力がある。

    アルバム全体を通して音の深化を感じさせてくれるだけでなく、それにより生まれた陰と陽のコントラストの美しさが聴く人の心を離さない。

    これは間違いなく名盤。
    多くの人の耳に届いてほしい一枚だ。

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     2015/05/08

    水面に落とした一滴が描く波紋のように広がりを見せる世界観。
    これは今までの藍井エイルさんの楽曲にはあまり見られなかったもので、聴いた瞬間から衝撃を受けたと同時に、その世界観の素晴らしさに鳥肌が立った。

    少し懐かしく、一音一音がしっかり聴こえてくるメロディが与える哀愁。
    ストリングスの音色が深く広げる、混沌とした空気感。
    その中を突き進む歌声に宿る情熱。

    それらが生み出す音楽には、確かにその世界を生きる主人公の姿が目に浮かぶ。
    その姿は驚くほど鮮明で、聴き始めたら最後、曲が終わるまでその雄姿を追い続けてしまっていることだろう。

    毎作驚かされてきたが、今作はその更に上を行く作品。
    素晴らしい一曲。

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     2015/04/27

    ポップであり、自然体であり。
    ひとたび聴き始めれば、その耳なじみの良さから来る心地よさに、時間が経つのを忘れてしまう一枚のアルバム。

    一曲目の「Petronoise」の時計の音が気持ちを高ぶらせ、「TICTAC」のリズムが彼らの空間へと誘って行く。
    「君に涙、僕に涙」の自然体のポップさから、「きらり」のキラキラとしたキャッチーな楽曲、「さよなら、まぼろし」の美しいメロディの流れを聴かされたら、もうここから離れられない。

    一転して憂鬱な空気を醸し出す「5月14日、雨の日に。」から、静かに壮大に歌い上げる「THE JOSHUA TREE」、蕾が花開くような温かさを感じさせる「hello lina」へと続くことで、再び自然体のポップな楽曲「Shelly」が色鮮やかに映る。

    続く「愛と死」の和ロックなアレンジはアルバムの中では異色だが、その完成度の高さが聴く者をまた惹きこんでいく。

    「世界を包丁で切り分けろ少女」の葛藤しながらも駆け抜ける疾走感が最後の助走をつけ、「ルーゼとフランと美しい雨の街」の瑞々しさが残す美しい余韻がアルバムを締める。

    ここまでが本当に一瞬で、また最初から聴きたくなってしまう至極の一枚。
    自然体なポップの姿を是非感じてみてほしい。

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     2015/04/19

    nano.RIPEはまだまだ進化して行く。
    それを感じずにはいられない。

    まずリードトラック「こたえあわせ」の全員のコーラスで始まるところから驚かされる。
    それだけでなく、複雑な構成、間にSEを使うなど、今までのnano.RIPEにはあまり見られなかった印象的なことが次々と畳み掛けてくる。

    それもそのはず。
    アレンジはnano.RIPE自身ではなく、クラムボンのミトさんが担当している。

    でも、らしさを失っているわけではなく、新たな可能性として聴かせてくれるあたり、絶妙の一言につきる。

    このアルバムでもう一曲印象的なのが「神様」。
    神社の石段を駆け上がっていく姿が目に浮かぶ哀愁漂う名曲。

    こちらもアレンジが彼らではないというのもあるが、瑞々しさやキラキラとしたイメージが強い彼らの中で、この哀愁は新鮮に映る。

    もちろん彼ららしい楽曲もアルバムには健在だ。
    シングルにもなっている「透明な世界」はこれぞnano.RIPEと言えるアッパーチューンだし、伊藤かな恵さんに提供した「ルーペ」のセルフカバーも、きみコさんの歌声で聴くとやはりnano.RIPEの曲だなと感じる。

    スピッツのカバー曲「ホタル」は異色に見えるかもしれないが、インディーズ時代から草野マサムネさんがnano.RIPEの楽曲を絶賛していた経緯もあり、カバーすることは不自然な流れではない。
    中でもロック色の強い「ホタル」はnano.RIPEの空気感に見事にはまっていて、何度も聴きたくなる。

    最後を飾る「有色透明」はライブオープニングのSEをボーカルアレンジしたという曲。
    ふわふわキラキラとした空気感が、アルバムの最後に夢心地にしてくれる。

    でも、元々ライブオープニングで流れていた曲なので、このまま一曲目に戻っても違和感無く聴くことが出来る点も、このアルバムの魅力の一つだろう。

    カバーあり、新鮮な曲あり、らしい曲もあり。
    これだけ様々な楽曲を楽しませてくれる万華鏡=百色眼鏡のようなアルバム。

    更に進化したnano.RIPEの楽曲を是非堪能してほしい。

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     2015/04/13

    誰かではなく、聴いてくれる”あなた”に届ける音楽。
    それを確かに感じた。

    全身全霊でエモーショナルに奏でる姿はそのままに、変化を遂げた歌詞が心を打つ。

    シングルにもなっている「らしさ」の自分らしくあれば良いという自信と安心感。
    上手くいかなかった過去で手を差し伸べてくれた人がいることへの感謝を歌う「わたし」に、そんな日々を経て今があることの幸せを歌いあげる「生活」。

    誰も独りきりではないと歌う「証明」に、独りではないからこそ、あなただけでなくあなたを愛する全ての人も愛すると歌う「愛する」の圧倒的な説得力は、今の彼らからこそできたことだろう。

    これだけ歌詞の力を感じさせながらも、力強いドラムの音から始まり音が畳みかかけてくる「言えって」や、SCANDALのMAMIさんをゲストコーラスとして迎えた「Q&A」の男女混声でリアルな空気感を演出しているなど、一筋縄ではいかない音楽の魅せ方も聴きどころ。

    シングル「らしさ」を聴いたときから何かが変わったと感じていたが、やはりそこで確固たる自信を持ち始めていたのだろう。
    そのSUPER BEAVERの自信が確証へと変わる一枚のアルバム。

    最高の一言だ。

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     2015/04/13

    USAGIの楽曲にはいつも驚かされる。
    毎作想像以上の楽曲を聴かせてくれるが、今作もまたそれらの驚きに勝るとも劣らない名曲を聴かせてくれた。

    イントロの切ない音色から始まるこの曲は、一途な片想いを綴った言葉が耳に残る。
    想いを届けたくても勇気が出ないまま、気づけば遠くなってしまった君との距離に葛藤する姿が、痛いほど伝わってくる。

    その言葉だけでも感情を動かされてしまうのに、ストリングスを加えた壮大な音の海の中、あえて明朗なメロディを乗せることで、想いの真っ直ぐさまで届けてくれる。
    特に何かが開けたような盛り上がりを見せる最後のサビは、何度聴いても鳥肌ものだ。

    間違いない名曲。
    これは是非聴いてもらいたい。

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     2015/03/29

    感情があふれ出してくる。
    クラムボンのアルバムでそれをここまで感じさせてくれたのは初めてかもしれない。

    今までのクラムボンは空気感で世界を伝えることが多かったように思うが、今回は明快なメロディに耳に残る言葉が融合され、直感的に世界観を感じさせてくれる。

    特に鳥肌が立つほどに素晴らしかったのが「yet」。

    不穏なピアノの音色から始まり、広がっていく世界。
    攻撃的なベースライン、力強いドラムとピアノの音色が前へ前へと引っ張りながら、郁子さんの歌声に乗る言葉が優しく後押ししてくれる。

    これだけ明確な芯を見せながらも、複雑な展開で酔いしれさせてくれるあたりは流石のクラムボン。

    またこの曲は、先行シングルとして聴いたときから素晴らしいと思っていたが、アルバムの中で「Scene 3」、「はなさくいろは」、「バタフライ」という流れの後で聴かせることで、楽曲が持つ潜在能力が開放されたように色を放つ点も魅力。

    この3曲がそれぞれタイプが違い、聴き手の感情を揺さぶってきたところで「yet」を聴かされるわけだから、虜になるないはずがない。

    もちろんこれらの楽曲だけでなく、アルバム全体にあらゆる感情が散りばめられていて、最後には不思議と心が満たされるような一枚。

    クラムボンが新境地に本気で挑んだ傑作だ。

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     2015/03/24

    人を惹き付ける音楽とはこういうもののことを言うのかもしれない。
    「COSMOS」を聴いたとき、そう思った。

    雨の情景。
    モノクロの空。

    歌の初めのそんな寂しい空気は、曲の進行と共に光を放ち始める。
    途中に挟まる葛藤がその光を確かなものに変えていき、世界を色づかせていく。

    そして聴き終えたとき、聴き手の心には確かな希望が見えてくる。
    これだけ心を自然と心を動かせる曲にはなかなか出会えない。

    これは彼らが音楽へと真摯に向き合い、本質を突き詰めたから出来たのだろう。
    アルバムにはこの「COSMOS」を初め、シンプルにメロディの良さを感じさせながらも、一筋縄ではいかない音の構成で楽しませてくれる楽曲が並ぶ。

    聴いていると音楽って良いなと思わせてくれる、音楽の原点的一枚。

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     2015/03/15

    ”君の存在だけで世界は万華鏡みたいだ”
    アニメ「七つの大罪」のエンディングではこの言葉を皮切りに、切なくも力強く、1分30秒という短い時間を駆け抜けていった。

    その煌きはあまりにも鮮烈であったが、この「Season」という曲をフルで聴いたとき、更に煌きを感じることが出来る。

    エンディングではサビから始まることで初めから大きなインパクトを与えてくれたが、原曲はサビ始まりではないため、歌いだしは切ない印象が強く残る。

    ここから徐々に力強さを増すサウンドと言葉、そして歌声。
    その力強さは2番のサビの後、四季を叙情的に映し出す詩を挟みながら、最後のサビからの展開で最高に弾ける。

    そこに広がる煌きは、今まで感じたことがないほど鮮やかなものになっている。

    デビュー曲にして、ここまで聴く人の心を動かす名曲を届けてくれた瀧川ありささん。
    その名前、そしてこの名曲を多くの人に知ってもらいたい。

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     2015/03/15

    一曲目の「羽根」のサビでこんな歌詞が出てくる。
    ”ダメなイメージは湧かないんだ”

    ここまで確信に満ちた言葉はTRIPLANEには珍しく、この言葉を聴いた瞬間から、アルバムが素晴らしいものになると確信が持てた。

    まず、その「羽根」という一曲。

    江畑さんと川村さんの初めての共作のこの曲は、そのタイトルの通り滑走路から飛び出していくよう。
    三翼機の意味であるTRIPLANEにぴったりの楽曲で、「non no」という名のアルバムの飛行がここから始まっていく。

    前半はどちらかといえばTRIPLANEらしい楽曲が続き、「柊」のような繊細なバラードや、「Jelly」のようにこれぞTRIPLANEという優しいポップさに触れると、不思議と安心感まで与えてくれる。

    後半は洗練された音が楽しめる楽曲を多く聴かせてくれる。
    「ゲルニカ」の攻撃的な歌詞とメロディの展開、「HUTCH」の先の読めない巧みな音構成でうならせてくれたかと思えば、「EZO」のような幻想的で壮大な一曲を持ってくるなど、息をつかせない。

    そして、ラストの「ノンノ」。
    TRIPLANEの真骨頂と言えるバラード曲で、静かに奏でられる音の中で江畑さんの歌声が優しく響き渡る名曲。

    詩が江畑さんと小説家の小路幸也さんの共作ということもあり、言葉の使い方や表現がいつもと違い、想いの響き方が新鮮に聴こえる点も大きな魅力。
    この新鮮さにより、聴き終えた後の余韻がとても心地よい一枚になっている。

    TRIPLANEの6枚目のアルバム。
    デビュー10周年を迎えた彼らが色んな形で魅せる音楽を聴いてみてほしい。

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     2015/03/01

    なんでこんなに心が反応してしまうのだろう。

    そうさせる源は大きく二つある。
    一つはシングル曲の存在感だ。

    シングル曲は全てタイアップがついていることもあり、それぞれ全く違う世界観を堪能することが出来る。
    中でも「killy killy JOKER」、「world’s end, girl’s rondo」のような畳み掛ける展開が印象的な楽曲の破壊力は計り知れない。

    もう一つはアルバム曲の内容だ。

    アルバム曲は、シングル曲にないタイプの楽曲で構成されていることだけでなく、本人の感情が如実に表されているのが魅力。

    「さんすくみ」の自分が3人いたらという歌詞の内容と表現に惹かれ、「チョコレート」のシンプルなメロディと歌声から来る可愛らしさで魅せてくれたかと思えば、「芸術家のかわいい想像たち」ではジャジーな楽曲でおしゃれな時間を感じ、「ナイチンゲール」ではオーケストラの重厚感あるサウンドの中で響き渡る真っ直ぐな想いに胸を打たれ、「モンスター・スター」の優しいメロディとサウンド構成が温かさをくれる。

    そして、タイトルナンバーである「ツキナミ」。
    疾走感溢れるサウンドの中で響く、曲を聴いた人が喜んだり涙したりしてくれることが月並みに嬉しいという想い。

    この芯が通っているから、こんなにも聴く人の心を反応させるのだろう。

    シングル曲、アルバム曲それぞれ持つ魅力。
    それらが絡み合うことでその魅力が何倍にも増す最高の一枚。

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     2015/02/22

    ”届け 届け”
    曲の始まりのその言葉を聴いた瞬間から、吸い込まれていってしまう。

    冬のような張り詰めた空気。
    その中を進み飛び立とうとする決意を示すような音の重なりと力強さ。

    そして、畳み掛けてくるメロディの展開に、雪のように白く真っ直ぐな想いを響かせる凛とした歌声。

    それぞれが素晴らしいが、それらを紡ぎ合わせることによって、曲に秘められた想いが何倍にも深く熱く伝わってくることが何より素晴らしい。

    また、”吹雪”、”白雪”、”初雪”、”深雪”、”叢雲”、”磯波”と吹雪型駆逐艦の名前を散りばめつつ、意味のある詩になっているところも一つの聴きどころ。

    「艦これ」を知っている人はもちろん、知らない人にも是非聴いてもらいたい一曲。
    これがデビューとなる西沢幸奏さんの雄姿、聴いて感じてみて欲しい。

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     2015/02/17

    古川昌義さん、坂本サトルさん、真藤敬利さんによる新バンド”Standard Prototype”。
    もうこの名前の並びを見ただけで、期待せずにはいられない。

    アルバムにはメンバーそれぞれが持ち寄った楽曲がそれぞれ3曲ずつの計9曲。
    そして全員で作った「keep in touch」を加えた計10曲が収録されている。

    アルバムを聴いて思ったのが、それぞれの個性を活かしつつも確かにStandard Prototypeの楽曲になっているということ。

    それは、アルバムを通して音に統一感があるということもあるのだが、一番大きいのは3人のシンガーによるハーモニーだ。

    特に「1000年待って」の最後のハーモニーは痺れさせてくれる。

    歌い始めは繊細な音色と坂本サトルさんの歌声を響かせてくれていたが、徐々にそこに音が重なっていき、空が開けていくような気持ちにさせてくれる。
    そして最後のハーモニーがそこから飛び立たせてくれるような力を与えてくれる。

    これはこの3人だからこそできた一曲ではないかと思う。

    アルバムにはこれ以外にも魅力的な楽曲が収録されている。
    この3人を知っている人は今までと違う魅力を、3人を知らない人はここから生み出される魅力を純粋に感じてみて欲しい一枚。

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     2015/02/08

    四季をテーマにした4編の淡い恋模様。

    それは「春恋、覚醒」の格好良いイントロから始まる。

    春という始まりの季節に起こる新しい出会い。
    電車の中で見かけた女の子に心躍らせる主人公の感情を表すかのような躍動感あるサウンドが曲を引っ張っていく。

    曲が進むにつれ揺れ動く感情と、最後に綴られた詩の意味深さを感じながらアウトロの余韻に浸っていると、どうしようもない哀しい気持ちになってくる。
    アッパーなテンポと力強いサウンドで攻めていただけに、最後にこんな哀しさを持ってくることで、聴いていると胸が張り裂けそうな一曲。

    続く「作戦コード:夏祭り」はイントロからもどかしさを漂わせる。

    好きな子になかなか会えない夏休み。
    夏祭りで久々に見かけたのに言葉をかけられないという詩の情景が、音の空気感からも伝わってくる。

    切ないメロディが印象的な「秋暮れタイムカプセル」は、まさに秋を感じさせる一曲。

    将来について語る二人。
    将来をイメージできている君とできていない僕との微妙な距離感。

    それを示すかのようなメロディが切なく語り掛けてくるのだが、最終的に見せた僕の前を向く姿勢にあわせるようにサウンドが優しく語り掛けてくれるのが何より耳に残る。

    最後は冬の張り詰めた空気感を醸し出す「マフラー少女」。

    君と離れていく距離を寂しく感じる直球な歌詞はそれだけでも心を揺さぶるが、冬の寒さを感じさせる音と混ざり合うことにより、より聴き手の心に届く一曲になっている。

    季節の移り変わりと感情の移り変わり。
    それを4曲という中で魅せた、珠玉のEP作品だ。

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